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映像を生成AIでテキスト化! ネットワークカメラ「ATOM Cam GPT」を試して分かった実用性山口真弘のスマートスピーカー暮らし(1/5 ページ)

スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回は、斬新なコンセプトを提示したアトムテックの新型ネットワークカメラ「ATOM Cam GPT」を試した。

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 アトムテックから、新型のネットワークカメラ「ATOM Cam GPT」が登場した。スマホからパンチルトの操作が行える、屋内設置向けとしては高機能なカメラだが、最大の特徴は、映った内容を生成AIで解析し、その内容をテキスト化する機能を備えていることだ。実機を購入したのでレビューをお届けする。


アトムテックの新型ネットワークカメラ「ATOM Cam GPT」。実売価格は8280円だが、原稿執筆時は早割価格の4980円で提供されていた

メモリーカードからeMMCに変更 スマホアプリ刷新は吉か凶か

 まずは外観から見ていこう。本製品は同社のパンチルトカメラ「ATOM Cam Swing」とよく似ているが、上部が横から見ると「コ」の字になっており、カメラ部を前に倒して完全に折りたためることが特徴だ。

 このカメラ部は、上へ135度向けられる他、折りたたむと完全に真下を向けることもできる。パンチルトタイプのカメラは水平よりも下を見るのが難しい製品も多く、上下方向に自由度が高いこの仕様は、魅力的に感じる人も多いはずだ。ただし真上までは見られないのは、既存のATOM Cam Swingと比べた時にウィークポイントとなる。

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 本体に当たるキューブ部の底面には台座があり、左右350度の範囲で回転する。水平方向はほぼ全域を見られると考えてよいだろう。

 なお本製品は従来までのモデルにあったmicroSDメモリーカードスロットが廃止され、64GBのeMMCを内蔵している。容量の追加はできないが、メモリーカードだけを抜き取られる盗難事故も防止できるし、価格の中に64GB分の容量が含まれると考えればお得だ。


付属品一覧。ケーブルはATOM Cam SwingのようなL字型ではなく一般的なストレート形状だ

カメラ部をたたんだ状態の本製品。手動はもちろん、スマホからの操作でも折りたためる

カメラ部を展開したところ。通常はこの状態で使用する

背後から見たところ。上部にはセットアップなどに使うボタンがある

横から見たところ。「コ」の字になっているのが特徴だ

台座のネジを使って三脚などに固定可能だ。背面にはUSB Type-Cポートがある

正面を撮影しているところ(左)。限界まで上を向けても、真上は見ることができない(中央)。限界まで下を向けたところ。真下も撮影できるが、フォーカスが合わないので実用的ではない(右)

こちらは既存モデルのATOM Cam Swingで正面を撮影しているところ(左)。限界まで上を向けると完全に真上を見ることができる(中央)。限界まで下を向けたところ。真下はボディーに遮られて見ることができない(右)

 本製品の映像を見るためのスマホアプリは、新バージョンの「ATOMアプリV2」へと刷新されている。旧アプリのUIは、まずカメラの一覧が表示され、そこから見たいカメラを選ぶ流れだったのに対し、新アプリのUIは、まず先頭のカメラの映像が表示され、それを下方向にスワイプすることで2番目、3番目のカメラの映像が表示される。階層構造そのものが変更された格好だ。

 この新UIは映像を見るまでのステップ数が少なくなっているため、カメラの設置台数が少ない場合は有利だが、台数が多いと目的のカメラにたどり着くまでにスワイプを繰り返さなくてはならず、ループして最初のカメラに戻れないなど、デメリットも多い。また全体的にレスポンスが遅いのも気になるところだ。詳しくは後述する。

 セットアップは従来と同じく音声でステータスを知らせながらの操作になるので、家族が寝静まった夜間などの作業には不向きだ。画面の流れ自体は、特に難しいところはない。


セットアップの手順。アプリを起動し「デバイスを追加」から本製品を選ぶ(左)。接続にはBluetoothが必要になるのでオンにしておく(中央)。背面上部のリセットボタンを長押しする。「接続待ちです」の日本語音声が流れる(右)

検出完了。まれに、ここでハマって先に進まないことがある(左)。続いてWi-Fi接続を行う。対応するのは2.4GHz帯のみだ(中央)。セットアップ完了。特に難しいところはない(右)

ライブビュー。リアルタイムの映像が表示される。解像度は1944×2592ピクセル(アスペクト比3:4)という特殊なサイズだ(左)。画面右下のコントローラーを使ってパンチルト操作が行えるが、従来モデルよりも細かいコントロールがしづらい(中央)。画面下からはメニューが表示できる。従来の「ナイトビジョン」がなく「スポットライト」に変更されている(右)

設定画面。ここもナイトビジョンの項目がなくなっている(左)。検出録画。モーション回りの項目は呼び名も含めて大幅に刷新されている(中央)。検出ゾーン設定。多角形を指定するのではなく、マス目を塗りつぶす方式だ(右)

通知メニュー。イベントの種類を指定できる。ここは従来モデルと変わらない(左)。ストレージはメモリーカードではなく内蔵のeMMCへと変更されており、容量追加には対応しない(中央)。カメラ設定。「スポットライト制御」が新たに追加されている。ボイスプロンプトやスマートお辞儀あいさつは、ここからオフに切り替えられる(右)

 ちなみに本製品は、カメラの前を人が通り掛かると「おつかれさまでした」という呼び掛けとともに、カメラ上部が物理的にお辞儀する機能を備えている。カメラの可動ギミックを教えてくれるユニークな機能だが、人が通過する方向の読み取りもできず、実用性は全くない。音量も調整できないので、セットアップを終えて動作を確認した後は無効化しておくとよいだろう。

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