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製造業の現場で活用されるAIのリアル その環境を支えるのはエプソンダイレクトのGPU搭載ノートPCだった(1/2 ページ)

自動車部品メーカーのオティックスが、画像認識で不良品を見分けるAIシステムの基盤にエプソンダイレクトのハイスペックノートPC「Endeavor NJ7500E」を採用した。その理由とは……?

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 自動車部品メーカーのオティックス(愛知県西尾市)は、製造部品の品質検査工程に、AIを活用した外観検査設備を導入した。画像認識で不良品を見分けるAIシステムで、その基盤にはエプソンのハイスペックノートPC「Endeavor NJ7500E」を採用している。結果的に品質検査工程の省人化と精度向上を実現しているというが、なぜエプソンPCが選ばれたのか。

「エプソンPCが選ばれた理由」

  1. 貸し出しプログラムで実機を使用したPoC(概念実証)ができたこと
  2. GeForce RTX 30シリーズを搭載したノートPCが手配できたこと
  3. プロジェクトの開発スピードにあった納期で調達できたこと

オティックスの西浅井工場に導入されたエプソンダイレクトのハイスペックノートPC「Endeavor NJ7500E」

高品質が売りのオティックス

 オティックスは、1918年(大正7年)に創業した老舗の自動車部品メーカーだ。エンジン回りの部品を中心に、多種多様な製品の開発から生産までを一貫して手掛ける一次サプライヤーとして、国内外大手自動車メーカーが製造する安全/快適な自動車製造を支えている。

 その製品品質の高さは多くの自動車メーカーからも高く評価されており、自動車メーカー各社から品質に関する優秀賞を何度も受賞している。さらに、TQM(総合的品質管理)が効果的に実施されている企業に授与される日本科学技術連盟の「デミング賞」を2018年に、TQMを長期継続している企業に授与される「デミング賞大賞」を2021年に受賞している。

 最近では、100年に一度といわれる自動車業界の変革に対応するために、電動化対応製品の開発/製造にも参入した。さらに自動車以外の部品にも進出することを検討するために試作品の製作に取り組むなど、長年にわたって蓄積してきた高い技術力と、ノウハウを生かした新規分野への挑戦も積極的に推進している。


オティックスが手掛ける自動車部品の一部

 特に製造部品の品質の高さを自負するオティックスの大きな特長は、製品を生産するために必要な専用設備を自社で設計/開発/製造していることだ。そうした取り組みの一環として、同社主力工場の一つ、西浅井工場で生産する「カムハウジング」(エンジンの吸排気バルブを駆動させるカムシャフトを支持する部品)の製品品質検査工程に、AIを活用した外観検査設備を自社開発/導入した。


オティックスの杉浦廣和氏(生技開発部 部長)

 製造業全体が深刻な人材不足に直面する中、製造工程の省人化に取り組むことが急務だと話すのは、オティックスの杉浦廣和氏(生技開発部 部長)だ。

 「当社でも重点実施事項として生産ラインの自動化を進めてきました。これまでに機械加工や組付け、搬送などの自動化は進めたのですが、精密な外観検査の工程だけは人手に頼らざるを得ない状況でした」(杉浦氏)

 製品製造の最終工程において、製品の外観に欠損や傷がないかを確認する外観検査だが、オティックスでは従来、製品の品質が基準に適合しているかどうかを技能員が目視で実施していた。

 「外形寸法を測定するといった、数値で判断できる検査は機械化できますが、微細な欠陥や傷を発見するには、どうしても人間の感覚に頼った目視検査が欠かせません。当社では基本的に製品全数の目視検査を実施しているのですが、人には生産性を高める改善に取り組んでもらうため、この工程を自動化していくことの必要性を強く感じていました」(杉浦氏)

品質検査工程にAIを導入

 こうして外観検査の自動化/省人化に向けた取り組みを進めることにしたオティックスでは、生技開発部が中心となってプロジェクトを立ち上げ、課題解決策を検討した。

 その中で出てきたのが、画像処理技術とAIを組み合わせた自社に適した外観検査システムを独自開発するというアイデアだった。近年の画像処理技術とAIの発展は目覚ましく、製造業における品質検査工程にも数多く取り入れられている。同社もそうした仕組みを応用しようと考えた。

 こうしたシステムを導入するにあたり、通常はSIerに全体の設計を依頼することも多いが、内製文化が珍しくないというオティックスでは、社内で設計が進められた。特にシステム構成に大きく取り組んだのが、太田淳氏(生技開発部 開発1グループ 係長級)だ。


オティックスの太田淳氏(生技開発部 開発1グループ 係長級)

 「プロジェクトではまず、製品の外観を高精細に撮影できるレンズ・カメラを選定し、装置内部で検査箇所を正確に撮影するためにカメラを設置する可動式アームなどの開発に取り組みました。この装置は当社の設備開発部門に協力してもらいながら、私たちが内製化しました。一方、撮影した画像から外観の品質を検査/判定するために利用するAIは空圧機器メーカCKD製を選定・活用し、AIモデルの開発を進めました」(太田氏)

 AIの選定も担当した太田氏は、製造業における実績や開発生産性を決め手に、NVIDIAの「CUDA」(Compute Unified Device Architecture)をAIプラットフォームに採用することとし、画像を検査して品質を判定するためのAIモデルや、外観検査の状況を可視化/判定するインタフェースの開発に着手した。同時にそのAIが稼働するシステム基盤の選定も進めることにした。

 「NVIDIA CUDAによるGPUプログラミングでAIを開発/実行するため、システム基盤となるコンピュータにはNVIDIA GPUを搭載できることが必須条件です。最初に外観検査システムのAIとしての仕様に耐え得るGPU選びから始め、『GeForce GTX 16 シリーズ』『GeForce RTX 20シリーズ』『GeForce RTX 30シリーズ』の3種類を比較しました。外観検査システムでは画像の検査・判定を高速処理することが要求されるため、比較検討の結果、最もパフォーマンスに優れたGeForce RTX 30シリーズを採用することに決めました」(太田氏)

提供:エプソンダイレクト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2024年12月26日

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