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「ノモの国」でパナソニックグループが次世代の子どもにアピールした理由 「大阪・関西万博」のパビリオン訪問記大阪・関西万博(4/5 ページ)

ゴールデンウィークに入ってにぎわいを見せている「大阪・関西万博」。今回はパナソニックパビリオンを訪問した。

グループの技術を結集させて体感にこだわった「大地」エリア

 Unlock体験エリアが終わると、次は「大地」のエリアだ。

 ここでは「人の営み」と「自然の営み」を組み合わせた720度の循環をテーマに、パナソニックグループが研究開発中の技術を活用し、子どもたちや共創パートナーと共に、より良い未来を考えるための展示を行っている。

 最初の展示が、成長刺激剤「Novitek(ノビテク)」だ。パナソニックグループが開発した食糧の生産力向上をもたらす新材料であり、トマトやトウモロコシ、ほうれん草などの葉面に塗布し、生育状況の効果検証を行っている。屋内における検証は初めてで、照明を当てて生育し、会期中には収穫も行う。

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 2つ目が「ガラス型ペロブスカイト太陽電池」だ。同社が「発電するガラス」と呼ぶように、屋根の上に乗せる太陽電池とは異なり、窓やバルコニーのガラスなどにも利用できる太陽電池で、展示エリアでは懐中電灯を太陽に見立て、ガラス型ペロブスカイト太陽電池を採用した建物の模型に当てるとエネルギーを活用して光ったり、模型が動き出したりする。

 また、屋外にはインクジェット技術による独自加工を施したデザイン性の高いガラス型ペロブスカイト太陽電池も展示している。

 3つ目は、セルロースエコマテリアル「kinari(きなり)」だ。

 最大85%の植物繊維(セルロース)を含む植物ベースの高機能素材であり、展示エリアの天井には、Kinariによるリーフオブジェを配置している。100%の生分解素材により、7~8カ月後には水とCO2となって土に返るという。また、廃材を利活用した再生素材のペレットも展示中だ。ジーンズやおがくず、古紙などを裁断してペレット化し、新たな商品作りにつなげることができるという。

 4つ目が、「バイオライト(発光微生物)」だ。パナソニックグループでは、発光微生物を長期的に培養する技術を開発しており、その成果をバイオライトとして展示した。

 展示エリアでは暗い場所に60Lの水槽を設置し、その中に発光微生物を入れて空気を流し込むと発光する。発光微生物は酸素を体内に取り込むことで体内の酵素と化学反応し、発光するという仕組みだ。将来的には、環境負荷が低いバイオライトを日常的に利用できる環境を目指すという。

 最後は「バイオセンサリードーム」だ。外界からのノイズを軽減しつつ、さまざまな感覚刺激により自然環境に包まれる心地よさを感じることができるバイオフィリックデザインの考え方を取り入れたドーム空間を用意。ミストと照明の組み合わせによって気流の流れを可視化し、揺らぎを見ることで、心を落ち着かせることができたり、きのこの菌で作った菌糸パネルを配置し、日本家屋のような匂いや質感を体感できたりする。

 また、生き物のようなやわらかさや温かさをもった呼吸玉を展示し、マイクロLEDを活用して木漏れ日の下で眠る心地よさも再現し、体験者にリラクゼーションを与えるという。


ノビテクを利用したトマトの栽培の様子

既にトマトの実が付いていた

こちらはトウモロコシ栽培の様子

屋内において、LED照明を使って生育させる実験でもある

懐中電灯をガラス型ペロブスカイト太陽電池に当てると発電して模型が動き出す

インクジェット技術によってデザインした約1.0(幅)×1.8(奥行き)mのガラス型ペロブスカイト太陽電池

ヘラルボニーとの共創によって開発した

天井に飾られたKinariによるリーフオブジェ

廃材を利活用した再生素材のペレットも展示されている

バイオライト(発光微生物)は、酸素を体内に取り込むと発光する

気流の流れを可視化し、揺らぎを見ることで心を落ち着かせることができる

生き物のようなやわらかさや温かさをもった呼吸玉。呼吸をするように静かに動いている

キノコの菌で作った菌糸パネルが配置されている

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