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ビジネスPCみたいな14型ボディーにRTX 5060とRyzen AIを詰め込んだ“本気”ゲーミングノートPC「ASUS TUF Gaming A14 (2026)」を試す(4/4 ページ)

1.46kgの軽量ボディーに、Ryzen AI 9 465とRTX 5060を搭載したゲーミングノートPC「TUF Gaming A14 (2026)」を徹底する。

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GeForce RTX 5060 Laptop GPUはローカルLLMにも最適?

 ここまではゲーミング性能を中心に検証してきたが、これほどのポテンシャルを備えるマシンであれば、別の最先端領域での活用も期待したくなる。それが「ローカルLLM」の運用だ。

 ローカルLLMとは、クラウド上のフロンティアモデルに頼らず、手元のPCリソースで大規模言語モデルを駆動させる手法を指す。応答速度こそクラウドに譲るものの、月額費用の抑制や情報の秘匿性を担保できることから、近年急速に注目を集めている分野だ。

 ただし、その実用化には高性能なGPUが不可欠だ。Blackwell世代のGeForce RTX 5060 Laptop GPUを擁する本機は、まさにこの「持ち歩けるAIワークステーション」としての適性を十分に備えている。

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 今回は手軽にローカルLLMを利用できる「LMStudio」を使って、つい先日リリースされたGoogleのオープンウェイトモデル「Gemma 4」の回答生成スピードをチェックしてみた。結果は以下の通りだ。

 なお、今回手元に用意したGeForce RTX 5060 Laptop GPUのグラフィックスメモリは8GBだったので、そこに収まるモデルとして「Gemma 4 E4B Q4」を利用し、コンテキスト長はデフォルト設定の4096でテストしている。


Gemma 4 E4B Q4はメモリ使用予測が6.1GBなので、GeForce RTX 5060 Laptop GPUでもグラフィックスメモリ上にモデルデータが収まる

 また、LMStudioに入力するプロンプトは下記を利用している。

あなたは架空の国の首相です。経済成長率が2%で停滞し、失業率が5%に上昇しています。財政赤字も拡大傾向です。経済成長を加速し、失業率を下げ、財政健全化を同時に達成するための政策パッケージを3つ提案し、それぞれの政策がどのように相互作用するか、メリット・デメリットも含めて説明してください。

  • TUF Gaming A14(2026):70.42トークン毎秒
  • ThinkPad P14s Gen6 AMD:89.87トークン毎秒

 スコア上はThinkPadに軍配が上がったものの、A14がたたき出した数値も、TGP制限下にあるモバイルGPUとしては驚異的な水準だ。実利用においてストレスを感じさせることのない、極めて実戦的な速度を維持している。

 外付けデバイスを介さず、単体でこの推論パフォーマンスを発揮できる機動力は、開発者やリサーチ用途において強力な武器となる。さらに、NVIDIA GPUを採用していることで、AI開発のデファクトスタンダードである「CUDA」エコシステムをフル活用できる恩恵は計り知れない。新機能の適用スピードやツールの互換性を含め、AI環境としての信頼性は盤石といえるだろう。

持ち運べる本気ゲーミングノートPCの有力な選択肢

 以上の検証を踏まえ、総評をまとめたい。ASUS TUF Gaming A14(2026)は、結論として「14型というサイズ制約の中で、妥協のないゲーミング体験を求めるユーザーにとって、現時点で最良の選択肢の一つ」である。

 最大の魅力は、約1.46kgという軽量ボディーにRyzen AI 9 465とRTX 5060 Laptop GPUを詰め込んだ、隙のない構成バランスだ。特にTGP 115Wという野心的な電力設定は、薄型機にありがちな「見掛け倒し」のスペックではなく、実ゲームで真価を発揮する「本物のゲーミング性能」を裏付けている。

 加えて、sRGB 100%の色域をカバーする2.5K/165Hzディスプレイの採用も大きい。この品質であれば、ゲーム用としてだけでなく、プロフェッショナルなクリエイティブワークの現場でも即戦力として機能するはずだ。

 2基のM.2スロットによるストレージ拡張性も特筆すべき点だろう。近年の肥大化するゲームタイトルや、巨大なローカルLLMのモデルデータを複数管理する場合でも、後から柔軟に容量を確保できる安心感は代えがたい。

 唯一の懸念は、オンボード32GBに限定されたメモリの拡張性だろう。通常の用途では十分すぎる容量だが、大規模なLLMのロードや多重の仮想環境構築といった極限のワークロードを見据える場合、さらなる上位オプションの不在を惜しむ声があるかもしれない。

 総じて、本機は「真に持ち運べるハイエンド・ゲーミングノートPC」を切望するユーザーにとって、間違いなく推奨できる傑作だ。その洗練された外観と圧倒的なポテンシャルは、ゲーマーのみならず、移動の多いクリエイターやエンジニアにとっての「最強のモバイルワークステーション」にもなり得るだろう。

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