レビュー

Windows環境でiPadをサブディスプレイ化するフィギュア型マルチドングル「AERO DROP」を試す(3/3 ページ)

使わなくなったiPadを死蔵させるのはあまりにもったいない。Windows PCの最高のパートナーに変えるワイヤレスドングル「JUAW22」を試した。

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役立つ場面は意外と多い

 気分転換にカフェなどのサードプレースで作業する際、ネックになりがちなのが「ディスプレイの狭さ」だ。筆者が普段使っている7型のモバイルノートPCはもちろん、14型のノートPCであっても手狭に感じてしまうことは多い。

 そこで、AERO DROPの出番だ。

 ペアリングを済ませれば、手持ちのiPadが即座にノートPCなどのサブディスプレイへと早変わりする。iCloud写真の自動同期設定を有効にしておけば、iPhoneで撮影した写真の取り込みもスムーズだ。

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ここでもiPad側で操作する。ホストを確認して接続する

手持ちのiPadをサブディスプレイとして使う。Web会議のウィンドウを表示させたところ、快適であった

データ転送はAirDropのように、「写真」アプリから「共有」「CrossLinkWireless」アプリを選んで、転送先を確認してから「共有」をタップする

基本的に、アプリの「機能」や「情報」グループに格納されているのは、各機能の使い方説明である

 写真を原稿やブログ、SNSで使う際、これまでは「iPhoneで撮影→Google フォトにアップロード→PCにダウンロード」という手間をかけていたが、AERO DROPを使えば同期済みのiPad内の写真をドラッグ&ドロップするだけで完了する。


Apple Accountで、「iCloud写真」の同期をオンにしておこう

 「写真の取り込みは帰宅後にしよう」と後回しにすることがなくなり、出先での作業が大きくはかどった。

 また、iPad標準の「メモ」アプリで原稿の下書きをする際などにも、PCと同じキーボードを使い回せて便利だ。入力先の切り替えはデフォルトで「マウスの中央ボタンを押す」設定になっているが、中央ボタンがないシンプルな2ボタンマウスやトラックボール、PFUのキーボード「HHKB Studio」などの場合は「Alt+Shift+S」のショートカットキーで切り替えられる。

 iPad環境ではJISキー配列が正しく認識されないケースもあるが、ローマ字入力であれば通常のタイピングにほぼ支障はない。


KM設定から、切替方法を確認できる。これはPC側の画面だ

 一般的なBluetoothキーボードは複数端末のペアリング情報を登録可能だが、上限は3~4台程度だ。それならば、普段あまりキーボード入力を行わないiPadやiPhoneとの直接ペアリングは解除し、AERO DROP経由で切り替えた方がフットワークは軽くなるはずだ。空いたペアリングのチャンネルは、他の必須デバイスのために温存しておきたい。

AERO DROPのキーボードマウス共有機能を使って、iPadのメモに入力しているところ。濁点/半濁点、JIS配列キーボードの右端付近に位置するキーと対応する文字がイレギュラーではあるが、慣れれば何とかなりそうだ

 使っていないiPadを液晶ペンタブレット(液タブ)として再利用できるのもAERO DROPの強みだ。安価な液タブでも2万円以上はするが、AERO DROPであればAmazonで7255円で手に入る。これだけでiPadを有効活用できると考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いといえる。

 もっとも、「それならiPad単体でイラストを描いて、クラウドなどにアップロードすれば済むのでは」という意見もあるだろう。確かにそれも一理ある。

 しかし、iPadの液タブ化が役立つのはクリエイティブ用途に限らない。例えばWeb会議中、言葉だけでは伝わりにくい“概念やイメージ”を即座に図示したいシーンで威力を発揮する。

 もちろんマウスでの描画も可能だが、社外の相手にいびつな図形を見せるのは少々気恥ずかしいものだ。

 AERO DROPがあれば、リンクさせたiPadを液タブとしてそのまま活用できる。Apple Pencilなどで手書き入力ができるiPadなら、イメージ通りの図形や概念をスムーズに描画できるはずだ。


Web会議中にホワイトボードを使う。今回は撮影のために立てかけた状態だが、通常のタブレットのように手に持てば、書きやすいだろう

 ノートPC内蔵のキーボードをiPadと共有できるのも見逃せないポイントだ。外付けキーボードならBluetoothや有線接続で使い回せるが、内蔵キーボードではそうはいかない。AERO DROPがあれば、愛用のノートPCのキーボードをそのままiPadやiPhoneの入力に生かせるようになる。

ノートPCのキーボードをiPadと共有。ポメラ DM250のキーボード共有に近いタイピング感覚を味わえた

 Wi-Fi接続時は映像データが無線LANルーターを経由する仕様上、マウスポインターがカクつくことや、遅延により「iPad本来のスムーズな描画ができない」といった点には注意したい。

 とはいえ、フィギュアのような外観は所有欲を満たし、OSの壁を越えてデバイス間をシームレスに連携できる利便性は高い。外出先で使えば目を引き、話のネタにもなるだろう。GIGAスクール構想などで配布され、使われなくなって眠っているiPadを復活させる用途にもうってつけだ。

 AERO DROPは、その愛らしい見た目に反して、実用性に優れたプロ仕様のワイヤレスリンクドングルだった。

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