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AIの導入から“成果”へ デル新社長のジョン・ロボトム氏が掲げる「日本への貢献」と実行力(3/5 ページ)

デル・テクノロジーズの新社長に就任したジョン・ロボトム氏が記者会見を開催。AI活用における信頼性や人材不足、インフラ整備といった課題に対し、包括的な支援とパートナーとの協力によって日本の経済成長に貢献する方針を示した。

「Dell AI Factory」でデバイスからデータセンターまで支援

 これらの課題に対し、デルが強みとして打ち出すのが、PCなどのデバイスからエッジ、データセンター、クラウドまでをカバーする製品・サービス群だ。その中核に据えるのが「Dell AI Factory」である。


デル・テクノロジーズは、AI ReadyのModernシステムをワンストップで提供している。市場シェアが高いこともあり、顧客からの期待値も高い

 Dell AI Factoryは、AIの導入・展開に必要なインフラ、ソリューション、サービスとパートナーの技術を組み合わせて提供する取り組みだ。企業ごとに異なるデータや用途に合わせ、AIを動かす環境作りを支援する。

 会見では、IDCの市場調査に基づく同社の実績として、AIインフラストラクチャ、外付けストレージ、サーバの世界市場で首位にあることや、日本でもサーバと外付けストレージで首位にあることが紹介された。ロボトム氏は、国内にこうした事業基盤があるからこそユーザーからの期待も高く、日本のAI変革を支える責任を感じていると語った。

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 ただし、新しい機器への置き換えだけを提案しているわけではない。同氏が重視するのは、既存のデータやアプリケーションを生かしながら、AIをビジネスに貢献させることだ。

 保存先のストレージを用意するだけでなく、データの使い方や保存形式、アクセスの仕組みまで含めて考える。その過程で必要になる既存インフラの刷新も含め、AIの活用と基盤の整備を一体で進める考えである。

構想、人材、基盤、協力関係をそろえる

 デルは、AIによる成果創出を支える要素として、「Vision」「Talent」「Infrastructure」「Partnership」の4つを掲げる。目指す姿を定め、それを実行する人材とインフラ、協力関係をそろえるという考え方だ。


AIの導入である程度の時短を実現したところで満足せず、利益を生み出す成果につなげるには、4つの要素が必要だという

 人材育成では、「Next Generation Leaders Program(NGLP)」などの取り組みを進めている。NGLPは、企業の次世代リーダー候補が自治体の課題に向き合い、デザイン思考とデジタル技術を使った解決策を検討、提案するプログラムだ。これとは別に、IT初心者向けの「ITインフラストラクチャ基礎講座」や、IT中堅技術者向けの「AI講座」も展開している。

 構想を具体的な検証につなげる場が、東京・大手町の本社にある「Executive Briefing and Solution Center(EBSC)」である。

 ロボトム氏によると、EBSCは米国、アイルランド、日本の世界3拠点に設けられているという。同氏は、日本にその1つが置かれていることを挙げ、創業者のマイケル・デル氏にとっても日本は重要な市場だと説明した。

 EBSCでは、顧客企業の経営層とデルの担当者が、経営課題や目指す姿を共有する。同じフロアにある「AI Innovation Lab」では、AIソリューションの実践や検証を行える。経営上の議論を、その場で技術的な検討につなげられる体制だ。AI Innovation Labは2024年9月に開設されており、こうした既存の拠点も活用して企業の変革を支援する。

 とはいえ、PoCそのものは避けるべきものではない。実際のデータや用途に即した検証は、本格導入を判断する材料になる。課題は、検証の実施そのものをゴールにせず、業務での活用や成果の評価につなげることにある。

パートナーへの高い期待に「協力」で応える

 支援をデルだけで完結させず、パートナーと共同で進めることも、日本市場戦略の柱となる。


ロボトム氏は「競争ではなく、協力することで前進できる」と、会見の中で幾度も強調していた

 同社の調査では、日本企業の92%が、変革目標の達成に向けて既存パートナーによるさらなる支援を期待している。一方、ビジネス成果の実現に向けた長期的なロードマップをパートナーとともに推進していると回答した割合は70%だった。

 高い期待が寄せられているからこそ、パートナーにもAI領域での提案力や実行力が求められる。ロボトム氏は、顧客の業務やシステムを支えてきたシステムインテグレーター(SIer)や、ソフトウェアを開発する独立系ソフトウェアベンダー(ISV)などと協力し、その能力をともに高めていく方針を示した。

 「日本のAI変革は『競争』ではなく『協力』によって築かれる」(ロボトム氏)

 インフラを提供するデルと、顧客の業務や用途に詳しいパートナーが、それぞれの知見を持ち寄る。顧客、パートナー、ISVをつなぐことで、製品の供給から一歩踏み込んだ支援を目指すという。

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