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» 2006年07月11日 14時00分 公開

ワイド液晶ディスプレイの普及に全力を注ぐBenQ (1/2)

液晶ディスプレイやプロジェクターでおなじみのBenQ。今回は本社のある台湾におもむき、同社幹部に今後の液晶ディスプレイの取り組みや方向性を聞いた。

[PR/ITmedia]
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 BenQといえば、日本では液晶ディスプレイおよびプロジェクター、光学ドライブ、キーボードやマウスといった周辺機器ベンダーとしてなじみ深い。しかし、海外では携帯電話の世界シェアが第6位に位置するほか、「Joybook」というオリジナルのPCを手がけていたり、大画面液晶TVも販売している、“フルデジタル”のITベンダーだ。つまり日本でのBenQは、その実力の一端しか垣間見ていないことになる。そこで、台湾は台北市にある本社を訪れ、BenQの実態に迫った。

世界有数の液晶パネル生産ベンダーでもあるBenQ

台北市内にあるBenQ本社

 まずはBenQの歴史を簡単に見ていこう。

 BenQこと明基電通(Mingji Diantong)の設立自体は2001年と新しいが、もともとは1984年に設立されたAcer Peripheralsに端を発する。OEMおよびODM工場として長い間力を蓄えて、満を持してBenQブランドを立ち上げた格好だ。

 現在、BenQブランドとしてグローバルに展開しており、グループは10を超える会社で構成される。製造拠点は台湾や中国のほか、ドイツ、ブラジルやメキシコ、マレーシアにある。また、2005年度の売り上げはグループ全体で約1兆3600億円、グループ社員数は約5万4000人を数える。

 著名なところでは、2005年にドイツSiemensの携帯電話事業部を買収して設立されたBenQ Mobileや、ストレージ関連のPhilips BenQ Digital Storage、世界第3位の液晶パネルシェアを誇るAU Optronics(2001年にAcer Display TechnologyがUnipac Optoelectronicsを吸収合併して誕生)がグループ会社として挙げられる。同社が液晶ディスプレイ分野で強みを発揮しているのも、このAU Optronicsの存在を抜きには語れない。ちなみに、台湾でBenQといえば携帯電話のメーカーとしての認知度がとくに高いという。

BenQグループの構成図を示したもの。液晶部門のAU Optronicsの存在が大きいのが分かる
Computing/Consumer Electronics/Communicationsという3つのCで事業が構成される
世界各国でのBenQ液晶ディスプレイの市場シェア。多くの国でベスト3に入っている

BenQが誇る先進的テクノロジーの数々

BenQが誇る画像補整技術のSenseye(センスアイ)

 OEMおよびODMで豊富な製造実績を持つBenQだが(実際に、日本の著名メーカーの製品も数多く手がけている)、技術面でも2つのテクノロジーに磨きをかけている。

 1つはSenseye(センスアイ)と呼ばれる同社独自の画像補正技術だ。詳細は下図に譲るが、液晶ディスプレイに組み込まれたSenseye IPU(イメージ・プロセッシング・ユニット)は3つの処理エンジンで構成される。イメージ信号を変換して、個別の色を自動的に最適化するカラー管理エンジン(CME:Color Management Engine)と、RGBの色信号から輝度信号(Y)だけを抽出してより自然なコントラストを実現するコントラスト強化エンジン(CEE:Color Enhancement Engine)、そしてジャギーを軽減するシャープネス強化エンジン(SEE:Sharpness Enhancement Engine)だ。これらの処理を組み合わせることで、より手軽に鮮明な画像を得られるわけだ。

Senseyeテクノロジーの模式図。3つの画像処理エンジンを組み合わせることで、鮮明な画像を実現している

 もう1つはAMA(Advanced Motion Accelerator)テクノロジーだ。同社は従来から液晶ディスプレイの応答速度の高速化に積極的に取り組んでおり、すでにGray to Grayで2msという製品もリリースしている。ただ、液晶ディスプレイでは応答速度が0msになっても残像感をゼロにすることは原理的に難しい。そこで、BenQは前述のAMAに加え、表示フレームを倍増してフレーム間に黒画面を挿入するBFI(Black Frame Instruction)を採用することで、より残像感を減らしたAMA Z(アメーズ)テクノロジー搭載機を今年中に投入する予定だ。COMPUTEX TAIPEI 2006のBenQブースでは、AMA搭載機とAMA Z搭載機の比較が行われ、実際に残像感の軽減をアピールしていた。

 これらの技術はPC用の液晶ディスプレイだけでなく、液晶TVやプロジェクター製品などにも導入されており、同社製品の特徴形成に大いに貢献している。

液晶ディスプレイのようなホールド型表示デバイスでは、応答速度を0msにしてもどうしても残像感が残ってしまう
そこで、フレーム間に黒画面を挿入(Black Frame Instructionすることで、CRTのようなインパルス型に近づけて残像感を軽減する
これまでのオーバードライブ機能(AMA)にBFIを加えた「AMA Z」テクノロジーで滑らかな動画再生を目指す

「ワイド画面でさまざまなコンテンツを楽しんでほしい」BenQ幹部が語る

 これまでは、BenQの生産面や技術面のアドバンテージを見てきたが、これらを使ってどのような製品を投入していくのだろうか。同社Executive Vice President兼Chief Marketing OfficerのJerry Wang氏に話を聞いた。

 「BenQでは、昨年から17、19、23インチと積極的にワイド液晶ディスプレイシリーズを充実させてきました。今後は、デザイナーを中心としたプロユース向けの製品と、ワイド液晶ディスプレイ自体のメリットをプロユース/一般ユースに届けていきたいと考えています。」

 「とくにプロユースには、ハードウェアのキャリブレーション機能を内蔵したFP91Rという製品を投入します。これは1280×1024ドット表示に対応した19インチ液晶ディスプレイで、付属のキャリブレーションコントローラを使うことで、手軽に正しい色表現(色温度やガンマ)を実現できます。」

 「コンシューマー用途では、近々発売する24インチワイド液晶のFP241Wがおすすめです。FP241Wは1920×1200ドットのフルHD表示に対応するだけでなく、標準でHDMI端子を備えているのが大きな特徴です。我が社のSenseyeやAMA(AMA Z)テクノロジーを生かした液晶ディスプレイを使って、映画やゲームといったコンテンツを楽しんでほしいですね。」

左の画面は液晶ディスプレイのロードマップ。ワイド液晶に注力するほか、HDMI端子の装備も積極的に行うという。右の写真はCOMPUTEX TAIPEI 2006での同社ブースで、ワイド液晶ディスプレイのBenQを強くアピール
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