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» 2007年08月31日 10時00分 公開

MPエンジンで圧倒的な動画性能を獲得――三菱電機「VISEO MDT241WG」の実力 (1/3)

三菱電機の24.1インチワイド液晶ディスプレイ「VISEO MDT241WG」は、PCやAV機器はもちろん、ハイビジョン対応のゲーム機もまとめて接続して映像美を堪能できることが最大の魅力だ。VISEO MDT241WGがなぜゲームに強い液晶ディスプレイなのか、その秘密に迫ってみた。

[PR/ITmedia]
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AV入力対応の大画面液晶ディスプレイ人気を先導する「VISEO MDT241WG」

三菱電機「VISEO MDT241WG」。プレイステーション 3とのマッチングを考慮したという光沢ブラックのボディが印象的だ

 この夏は、豊富なAV入力端子を備え、フルHD(1920×1080ドット)の等倍表示に対応した大画面ワイド液晶ディスプレイが、幅広いユーザーの人気を集めている。店頭でも大々的に展示され、ディスプレイ売り場をいっそう活気づけている印象だ。このトレンドに先鞭をつけたのが、三菱電機から6月1日に発売された24.1インチワイド液晶ディスプレイの「VISEO MDT241WG」である。

 同社は比較的早い時期から液晶ディスプレイのAV入力やHDCP(デジタル接続時の著作権保護技術)対応に注力してきたが、MDT241WGでは他社に先駆け、2系統のHDMI端子とD5端子を搭載し、1080i/pの等倍表示が可能なWUXGA(1920×1200ドット)対応の24.1インチワイド液晶パネルを採用した。これにより、家族みんなで共有するリビングのTVを占有することなく、自室など好きな場所でPC、AV機器、ゲーム機のHD映像コンテンツを思う存分楽しめる画期的な液晶ディスプレイが完成したわけだ。

 本記事では2回に分けて、MDT241WGの持つ魅力を余すことなくお伝えしていく。まずは、MDT241WGのアイデンティティとも言える圧倒的な動画性能をチェックする。

VISEO MDT241WGはデュアルヒンジ機構により、チルト角度と高さを同時に調整できるほか、スイベル調整も可能だ(写真=左)。背面の端子はカバーで覆われ、美しい外観を維持している(写真=右)

「MPエンジン」が液晶の弱点である動画特性を徹底的にカバー

 AV入力に対応した大画面液晶ディスプレイは複数販売されているが、MDT241WGはとくにHD対応ゲーム機との高い親和性をウリにしている。数ある映像コンテンツの中でも、一番シビアな応答速度を求められるのはゲームだ。液晶ディスプレイは構造上、CRTやプラズマディスプレイより動画の応答性が不利な表示デバイスになるため、一般的にゲーム画面の表示は得意ではないとされてきた。

 単に高速で移動する動画ならDVDやBlu-ray Discの映像コンテンツにも数多く見られるが、ゲームの場合はプレイヤーが画面情報を凝視したままリアルタイムでさまざまな操作を行わなければならないため、わずかな映像のブレやぼやけでもプレイ中に違和感を感じる原因となってしまう。また、一部のアクションゲームでは、1/60秒単位の高速かつ高精度な操作を求められるため、応答速度が遅い液晶ディスプレイではまともにプレイすることすらままならないのだ。

 このように、液晶ディスプレイが最も苦手とする「ゲーム」に対して、MDT241WGは大胆不敵にも得意だと言い切る。ここまでゲーム用途を前面に押し出したモデルは、同社の液晶ディスプレイでは過去に類を見ない。その絶対的な自信を裏付けるのが、独自の動画ブレ抑制技術「MPエンジン」である。MPエンジンとは、「オーバードライブ回路」「黒挿入」「バックライトスキャニング」の3つの技術を組み合わせ、最適化したものだ。

 1つめのオーバードライブ回路だが、これは同社の従来機種でもおなじみの技術だ。液晶の応答速度は、白黒の表示切り替えに対して、中間階調の表示切り替えが遅れる傾向にある。とくにMDT241WGが採用するVA系の液晶パネルでは、その傾向が顕著だ。オーバードライブ回路は、液晶画素への電圧を一時的に高くかけることで、中間階調の応答速度を向上させる技術だ。これにより、白黒の表示だけでなく、すべての階調で応答速度が均一的に高速化され、動画のぼやけ感やブレを低減できる。

オーバードライブ回路は、液晶画素への電圧を一時的に高くかけることで、中間階調の応答速度を向上させる。オーバードライブなしの場合と比較して、オーバードライブありの場合では、すべての階調が均一的に高速化しているのが分かる

 とはいえ、オーバードライブ回路を搭載した液晶ディスプレイは他社製品も含めて昨今では珍しくない。MDT241WGの真骨頂は、これに黒挿入とバックライトスキャニングを組み合わせた点にある。この2つの技術を語る前に、まずはCRTと液晶ディスプレイの表示方法の違いを知っておく必要があるだろう。

 動画特性が優秀とされているCRTは、光線を画面の上から下まで順次高速に移動(走査)させることで画面表示を行う。つまり、画面が一瞬強く発光した後に消え、次の表示が行われるまでは黒画面の状態が続くことになるのだ。CRTはこのように画面表示が明滅する「インパルス型」の表示デバイスであり、人間の目には網膜の残像効果によって動画が滑らかに見えるという特徴がある。

 一方の液晶は、表示が切り替わるまで以前の画像を保持し続ける「ホールド型」(輝度保持型)の表示デバイスとなっている。このため、CRTのようなチラツキは原理的に発生しないが、人間の目には網膜の残像効果によって動画にブレやぼやけが発生しているように映ってしまう場合があるのだ。この表示特性は、いくら液晶の応答速度を上げたところで、解消されない根本的な問題である。

 そこで、この問題の対抗策となるのが、前述の黒挿入技術だ。黒挿入技術では、映像の書き込みと同時に、画像1フレームの一部に黒画像のデータを挿入することで、擬似的なインパルス表示を行い、動画のブレやぼやけを抑制する。これにより、オーバードライブ回路だけを搭載した製品と比較して、動画特性の高さはワンランク上を行く。

黒挿入技術では、映像の書き込みと同時に、画像1フレームの一部に黒画像を挿入する。黒画像は1フレームのうち1/3画面程度挿入される

 このように、CRTに近い表示特性が得られる黒挿入技術だが、これも万全ではない。黒挿入技術では、黒い画像を1フレーム内の一部に表示しているため、通常の表示から黒表示に切り替える短時間に余計な色が発生したり、黒表示とはいえCRTと異なり、バックライトの光がわずかにもれてしまうといった課題があるのだ。

 これに対して、同社が最後の一押しとして実装しているのが、バックライトスキャニング技術となる。これは、黒い画像を画面に表示するタイミングに合わせて、バックライトを点灯または消灯することで、黒挿入とともに目に感じる残像感を減らす技術だ。黒挿入と同期した瞬間的なバックライトの消灯により、通常の表示から黒表示に切り替わる際に発生する余計な色の影響を極力排除し、光もれによる黒浮きも抑えることができる。

 また、バックライト部に流れる電流を制御し、バックライトの消灯による輝度の低下も抑えた。同社は黒挿入技術、バックライトスキャニング技術、オーバードライブ技術を融合させることで、競合機種に対する差別化を図っている。

バックライトスキャニング技術の概要。CCFLバックライトは6本搭載されており、黒挿入時の黒画像データと同期するようにバックライトの一部を点滅させる。バックライトスキャニングの点灯/消灯の割合を変えることによりレベルをコントロールしている

 従来のオーバードライブ回路に加えて、黒挿入とバックライトスキャニングの技術を融合させたMPエンジンだが、単にこれらを組み合わせただけでは効果は最大限に発揮できない。MDT241WGの開発陣は、これら3つの技術をどのように制御して最適化するかに最も苦労したという。こうして完成したMPエンジンのおかげで、MDT241WGは液晶ディスプレイとしては飛び抜けた動画特性を手に入れることとなった。動画のぼやけ感やブレの指標として標準化および普及が期待されるVESAの「MPRT」(Moving Picture Response Time)規格にもとづいた測定値では、10msのスコアを記録している。

 MPRTは、カタログスペックの「応答速度」と同じ単位「ms」(ミリ秒=1/1000秒)で示され、どちらも値が小さければ小さいほど高性能であることを意味するが、測定方法がまったく違う別の指標だ。参考までに、MPエンジンを搭載していない同種の液晶ディスプレイでは、MPRTが23msというデータもあり、この例からもMPエンジンの絶大な効果がうかがえる。

 ちなみに、黒挿入とバックライトスキャニングは、CRTの表示特性を擬似的に再現することから、CRTと同じような画面のチラツキと最大輝度の低下も発生するが、黒挿入とバックライトスキャニングのレベルは機能オフも含めて4段階に調整可能だ。コンテンツに合わせて最適なレベルを選択すればよいだろう。

 実際に試したところ、レベル1やレベル2でもMPエンジンの効果は絶大で、高速な応答性を求められるFPSや3D格闘ゲームでも、従来機種との動画特性の差を体感できた。加えて、MDT241WGは最高輝度が500カンデラ/平方メートルと明るいため、MPエンジン利用時に画面が暗すぎて困ることはないだろう。これなら「ゲームが得意」と言うのも納得だ。

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