「TurboUSB」で限界を突破――バッファローの新技術を検証する(2/2 ページ)

» 2007年10月29日 10時00分 公開
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ハードウェアの性能をフルに引き出す「TurboUSB」

 TurboUSBの導入は非常に簡単だ。TurboUSBに対応した機器に付属しているドライバCDのメニューから「TurboUSB機能を有効にする」を選択し、TurboUSBをインストールするだけでいい。このTurboUSBは機器ごとに用意されており、「TurboUSB for DVSM-X1220U2」や「TurboUSB for HD-HSU2」など、別々のショートカットが登録され、それぞれのプログラムからTurboUSB機能の有効/無効を切り替えることができる(なお、機器によってUSBケーブルの抜き差しや再起動が必要になる)。

TurboUSBの設定は、簡単セットアップの手順に従うだけなので非常に簡単だ。TurboUSBが有効になっていると、タスクバー上に表示されるデバイス名の後ろに「(TurboUSB)」が付く

 それでは実際の効果はどうだろうか。今回はTurboUSBに対応した製品として、外付けHDD「HD-HSU2」と、DVDスーパマルチドライブ「DVSM-X1220U2」を検証した。

 まずはHD-HSU2から見ていこう。ベンチマークにはhiyohiyo氏作のCrystal Disk Mark 1.0.4を使用した。HDDの場合はディスクからの読み出し速度とUSB 2.0の転送速度の両方がボトルネックになりうる。また、ランダムアクセスの場合はヘッダの移動にかかる時間(シークタイム)も増大するため、USB 2.0の転送速度の改善では速度は上がりにくい。実際の結果を見ても、転送時のデータ単位量が大きいほうがより効果が出ており、シーケンシャルリード/ライトでは120%以上に高速化されている。

ランダムアクセス/シーケンシャルリード ベンチマークテスト

 次に、実際の利用シーンにおけるパフォーマンスの参考として、151バイト〜1.12Mバイトまでの5096ファイルを含んだフォルダのコピーにかかる時間を計測した。なお、コピーは内蔵ドライブとHD-HSU2の間で行い、エクスプローラでのドラッグ&ドロップ操作から完了までにかかる時間を手動で計っている。

 結果はグラフのとおりで、コンスタントに良好な値が得られている。転送速度は、コピー相手となるローカルドライブのパフォーマンスも影響してくるが、そういった現実の環境でもTurboUSBによる効果が実証された形だ。

ファイルコピー転送速度 ベンチマークテスト(グラフは5096ファイルの転送速度)

光学ドライブでも書き込み時間を大幅に短縮

 DVSM-X1220U2は、USB接続でDVD-Rの書き込み最大20倍速を実現した初めてのドライブだ。光学ドライブでは内周と外周によって記録速度を変えるPCAV方式が一般的であり、記録開始後からフルスピードでの書き込みは行われず、外周に向うにつれて徐々に速度を増していく。ここではnero CD-Speedを使用して書き込み速度の変化を計測した。

 TurboUSBを無効にしたときのグラフでは、8倍速でスタートし、16倍速までは比較的順調に速度が上がっていくが、3.2Gバイトあたりで16倍速に達したあと、その壁を越えられない様子が見てとれる。結果的には平均12.71倍速相当だ。

 一方、TurboUSBを有効にしたときのグラフは小刻みに速度が変化するユニークな波形を描いている。これは細かく転送速度を調整して最も高いパフォーマンスが出せるセッティングを探る、TurboUSBによるチューニングを示していると思われる。グラフを見ると、4.1Gバイト時点で最大20倍速に達しただけでなく、加速度も向上しており、2.4Gバイト時点ですでに16倍速を超えている。その結果、平均14.81倍速相当となり、書きこみ時間はTurboUSB無効時の5分11秒に対して4分41秒と30秒も短縮された。TurboUSBの効果が非常に大きいことが分かるだろう。

TurboUSB無効時(画面=左)とTurboUSB有効時(画面=右)のDVD-R記録速度比較。TurboUSBがオフの状態では16倍速で頭打ち状態なのに対し、オンにするとドライブ性能の最大20倍まで到達しているのが分かる

これからの常識となるか?

 TurboUSBは、ベアドライブの性能が上がり、USB 2.0ではそれを生かしきれないという局面が出てきた現在だからこそ、求められた機能だという印象が強い。ソフトウェアレベルでの“限界突破”がなければ、USB接続での20倍速DVD-Rドライブは不可能だった、という事実は「あると便利」という域を越え、「なければ成り立たない」という技術であることを示す一例だと言える。

 バッファローからはそのほかにもシリコンディスクやUSBメモリなど、TurboUSBに対応した製品が多数発売されている。特にUSBメモリの場合、採用するメモリセル方式によって価格と速度がかなり異なる。1セル内に複数のビットを記録できるMLC(マルチレベルセル)は、大容量化が容易で安価な半面、転送速度が遅いというデメリットがあり、1ビットしか記録できないSLC(シングルレベルセル)は高価だが高速というのが一般的な特徴だ。つまりいままでは「安いUSBメモリは遅い」が常識だったわけだが、TurboUSBの登場によってその常識を覆す可能性も出てきた。さらに、USBメモリを内部メモリ代わりに使用する事で、システムパフォーマンスを向上させるWindows VistaTM標準搭載の機能であるReadyBoostにも対応している。ハードウェアの限界をソフトウェアで超えるTurboUSB技術は、これからの“新しい常識”になっていくかもしれない。

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提供:株式会社バッファロー
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年11月18日