NEC Directの“硬派”なマイクロタワーPC「VALUESTAR GタイプR Luiモデル」は、その高い性能を外出先から呼び出せるPCオンデマンド機能(遠隔操作機能)に対応する。クアッドコアCPUの性能をいつでもどこでも利用できるのだ。
前回の記事で、NECが久々に投入した高性能マイクロタワーPC「VALUESTAR GタイプM」と「VALUESTAR GタイプR Luiモデル」の魅力をお伝えしたが、後者のVALUESTAR GタイプR Luiモデルには、その高い性能をさらに徹底活用できるユニークな機能が用意されている。それが「PCオンデマンド」と名付けられたホームサーバ・クライアント・ソリューション機能だ。
「PCオンデマンド」の仕組みを簡単に解説しておくと、VALUESTAR GタイプR LuiモデルなどのデスクトップPCに組み込まれたサーバボードがデスクトップPCの画面を取り込んで転送し、携帯性に優れたPCリモーター側で画面を復元して表示するというものだ。もちろん、キーボードやマウスの操作はPCリモーターからサーバ側に転送されて反映される。つまり、実際にPCとしてさまざまな処理を行うのはサーバ側であり、PCリモーターは画面表示と操作だけを担当するので、デスクトップPCの処理能力をそのままPCリモーターで利用できるのだ。
NEC DirectのマイクロタワーPC「VALUESTAR GタイプM」にこのPCオンデマンド機能(遠隔操作)を付加したVALUESTAR GタイプR Luiモデルであれば、クアッドコアCPUも搭載できる高性能なPCを、非常にコンパクトなPCリモーターによって、まさに手のひらで操作できるというわけだ。
PCリモーターには、2つのタイプが用意されている。1つはノートPC型の「Lui RN」で、1280×768ドットの10.6型ワイド液晶を搭載しつつ、重量がわずか約649グラム、厚さは約15.8ミリ(最薄部)の超軽量かつスリムなボディを実現している。一般的なノートPCに比べると“常識はずれ”とも言える携帯性だが、無理のない17ミリピッチのキーボードを搭載しており、使い勝手は今時のB5ノートPCそのものだ。このような軽量・薄型の端末で、強力なCPUや大容量のHDDを活用したPC利用環境が実現できる――これがPCオンデマンドのメリットだと言えるだろう。
もう1つのPCリモーター「Lui RP」は、横幅A6サイズで約249グラムのPDA感覚で使えるモデルだ。4.1型の800×480ドット液晶ディスプレイを搭載し、スライド式で必要な時だけディスプレイ部を跳ね上げて使えるQWERTYキーボードを採用している。タッチタイプには向かないものの、しっかりと割り切った分、両手の親指タイプは快適だし、スタイラスによる操作が可能なため、単なるビューワーに留まらない使い方もできる。
自宅のPCを遠隔操作すると聞くとなにやら難しそうなイメージがあるが、このLuiはセットアップが非常に簡単なのも特徴だ。まず、PCリモーターをLANに接続するための設定を行い、サーバとなるVALUESTAR GタイプR LuiモデルとPCリモーターをLANに接続する。あとはウィザードに従うだけ。PCをLANに接続する知識さえあればなんら問題はない。
ここまでの設定が完了すれば、基本的にほかの作業は必要ない。サーバ側がユニバーサルPnP機能を用いて外部からの接続を受け付けるからだ。いわゆる自宅サーバの導入で必要なポートフォアードといったルーターの設定も必要ない。このようにセットアップは極めて容易なのだ。
それでは、2つのPCリモーターの使い勝手を見てみよう。ノートPC型のLui RNは、すでに触れたように一般的なB5ノートPCと変わらない使い勝手を実現している。ポインティングデバイスはスティックタイプでセンターボタンを押しながら操作するとスクローラーとしても機能する。17ミリピッチのキーボードは柔らかめのタッチでストロークもしっかり確保されており、方向キーも逆T字型で1段手前に引き出すなど、操作性に十分配慮したレイアウトだ。また、USBマウスを接続して利用することもできる。
実際に屋外に持ち出して、無線LANスポットで試用してみたところ、サーバとの接続操作を開始して、転送されてきたデスクトップ画面がPCリモーターに表示されるまでに要した時間は2分程度だった。これはメールを使ってサーバのIPアドレスなどを調べるといった処理を行っているためだが、そもそも2分というのは一般的なノートPCの起動時間を考えればそれほど長い待ち時間ではない。
もちろん、処理性能は折り紙付きで、Windows Vistaの利用は極めて快適だ。実際に処理を行っているのは自宅に設置したクアッドコアのVALUESTAR GタイプR Luiモデルであり、ブラウザでのレンダリングも一瞬で終わってしまう。エクセルなどを利用してスクロールを行ってみても画面描画が遅れる感じはないし、ハイビジョン解像度の動画再生もまったく問題はなかった。
なお、PCリモーター共通の機能となるが、PC利用向け/動画再生向けの画面表示として、画質優先/動き優先といった画質の切り替えをリアルタイムで行えるのも親切だ。レスポンスを上げるために動きのある部分の画質を優先すると、画面全体が少しぼやけぎみで見づらいと感じるかもしれないが、“動き”にはマウスカーソルも含まれるのでカーソルを移動させるだけでその部分の表示は鮮明になる。実際のところ、初期設定のままでも画質のバランスは十分で、こまめに画質の切り替えを行う必要性を感じることは少ないはずだ。
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企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年9月30日