省エネも速度も使い勝手も妥協なし!――A3カラーレーザープリンタ「DocuPrint C3350」実力診断富士ゼロックスの“環境配慮”は一味違う

ビジネスで使うカラーレーザープリンタは高性能に加えて、環境への配慮も重視したい。しかし、環境にこだわってプリンタの性能がおろそかになってしまっては本末転倒だ。性能と省エネの両立が理想だが、矛盾する2つの要素を満たすのは難しい。それでは、どのような商品を選べばいいのか? そのヒントは富士ゼロックスにあるかもしれない。

» 2011年02月21日 10時00分 公開
[ITmedia]
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富士ゼロックスが環境に配慮して作り込んだプリンタ

富士ゼロックスの環境配慮型プリンタ「DocuPrint C3350」。A3カラー対応のレーザープリンタだ

 富士ゼロックスといえば、国内屈指のレーザー複合機・プリンタメーカーだ。同社の商品は高速機を中心に、さまざまなビジネスユースで支持が厚い。その理由としては、商品自体の魅力に加えて、保守サービスなどを含めた信頼性の高さも挙げられる。

 事実、調査機関のJ.D. パワー アジア・パシフィックが実施した2010年の顧客満足度調査において、富士ゼロックスはカラーコピー機(大企業/中小企業セグメント)※1、ITソリューション※2、そしてカラーレーザープリンター部門(ビジネスユーザー)※3で1位の座に輝いた。

 そんな同社のカラーレーザープリンタ商品群で特に注目度の高い1台が、A3対応の売れ筋モデル「DocuPrint C3350」だ。やはり、日本のビジネスシーンでは、A3サイズでカラープリントに対応したモデルが幅広い用途で使いやすい。加えてDocuPrint C3350は、環境配慮の観点から省エネをとことん追求しており、内部設計を大幅に見直すことで、低消費電力と出力性能の両立を図っているのが見逃せない。

 さらに、コンパクトで使い勝手のよいボディ、カラーユニバーサルデザインの採用、多彩なセキュリティ機能など、多様化するビジネスニーズに応えるため、同社がこれまで培ってきたノウハウ、技術を結集した商品に仕上がっている。

※1:J.D. パワー アジア・パシフィック2010年日本カラーコピー機顧客満足度調査SM。大企業セグメントは従業員300名以上の企業935社から1102件の回答、中小企業セグメントは従業員30〜299名以下の企業3328社から3640件の回答を得た結果による(1社につき最大2メーカーの評価を取得)。

※2:J.D. パワー アジア・パシフィック2010年日本ITソリューション顧客満足度調査SM。従業員100名以上の企業2639社から3812件の回答を得た結果による(1社につき最大2委託先の評価を取得)。

※3:J.D. パワー アジア・パシフィック2010年日本カラープリンター顧客満足度調査SM。従業員30〜299名以下の企業1474社から1616件の回答を得た結果による(1社につき最大2メーカーの評価を取得)。

www.jdpower.co.jp

30ppm/A3対応カラーレーザープリンタで最高クラスの省エネ性能

 昨今は環境負荷低減への貢献が企業活動のキーワードとなっており、どのようなオフィス機器であっても、省エネを無視した商品は選ばれにくい。

 しかし、プリンタにおいて省エネ化と出力性能を高いレベルで両立させるのは至難の業だ。単純に省エネと性能のバランスを取るだけでは、中途半端な商品になってしまう。かといって、性能を捨ててまで省エネに走れば、ビジネスでの競争力や利便性という点で疑問符が付く。

TEC値で1.29kWhの低消費電力量を実現。従来機「DocuPrint C3050」の3.66kWhに比べて、3分の1に迫る低消費電力量化だ

 このような状況にあってDocuPrint C3350は、山積する難題を見事にクリアした貴重な存在といえる。モノクロ/カラーとも毎分30枚(30ppm)の出力速度を確保しつつ、TEC(Typical Electricity Consumption)値は1.29キロワットアワー(kWh)に抑えており、この出力速度のA3カラーレーザープリンタでは最高クラスの省エネ性能を実現したのだ。

 TEC値とは、オフィス機器における1週間の標準的な消費電力量の目安で、財団法人省エネルギーセンターが定めた基準だ。プリンタの場合は平日5日(稼働時間とスリープ/オフが繰り返される)と休日2日(スリープ/オフ状態)の消費電力量を算出し、TEC値が基準値以下の場合に「国際エネルギースタープログラム」の適合商品として認定が受けられる。もちろん、DocuPrint C3350は同プログラムの適合商品だ。

 もともと、富士ゼロックスの商品はTEC値が低いが、その中にあっても30ppmで1.29kWhというスコアは群を抜いている。また、厳格な第三者認証環境ラベルのエコマークも取得し、グリーン購入法に適合、RoHS指令に対応するなど、環境負荷の低減に余念がない。

一から設計を見直し、徹底的に消費電力を削減しながら性能も確保

 いかにして、DocuPrint C3350はこれだけの低消費電力を実現したのか。それこそありとあらゆる工夫をしているが、第一にはレーザープリンタの核である定着ユニットの大幅な改良が挙げられる。

 レーザープリンタは熱によってトナーを紙に定着させるが、この熱を生み出す過程で大量の電力を消費する。つまり、定着ユニットの熱効率を向上すれば消費電力は低減できるが、プリンタの重要パーツとして既に練り込まれている部分でもあり、従来の部材を使用していては飛躍的な向上は望めない。そこで、DocuPrint C3350では従来よりも厚みを25%削減した新型ヒートローラーを開発するとともに、ハロゲンランプもより熱効率のよいものに切り替えている。

 さらに、トナーも融点の低いEA-Ecoトナーを新たに採用した。こちらも優れモノで、従来より20度も低い温度で定着する。これに低電圧コントローラなどの省エネ設計を積み重ねることで、消費電力を抑えつつ、起動やスリープモードからの復帰も高速化したというわけだ。

融点の低いEA-Ecoトナーを新たに採用。トナーカートリッジ自体もコンパクトでボディ天面から手軽に交換できる

 秀逸なのが、そのスリープモードの挙動だ。昨今はレーザープリンタの省電力化が進んでいるが、DocuPrint C3350のスリープモードはわずか「0.9ワット」と、1ワット未満の低消費電力で動作する。

 先ほどのTEC値でも触れたように、一般的なオフィスでレーザープリンタが常時稼働していることはまずない。多くの時間が待機状態であることがほとんどだ。であれば、スリープモード時の消費電力を低減するのは効果が高く、理にかなっている。

 ところで、カタログスペックで見るスリープモード時の消費電力が低い商品であっても、実際に使ってみるとネットワーク接続ではジョブを見落としてしまったり、USB接続時に消費電力が上がったりと、実際はもっと高い消費電力で利用することになるものも少なくない。

 しかし、DocuPrint C3350のスリープモードはネットワーク接続であってもUSB接続であっても0.9ワットがきちんと維持される。もちろん、USBやネットワーク経由でジョブが伝送されれば、即座に復帰して印刷が可能だ。これは汎用ASIC(特定用途向けの集積回路)ではなく、独自に開発したASICとCPUを1チップに統合したSoC(System on a Chip)によって実現している。

ワットチェッカーPlusで測定したスリープモード時の消費電力は1ワットを切り、表示が0ワットとなった。電源投入時は約980ワット、印刷時は約1080ワットまで上昇し、処理後はすぐにスリープへ移行する

 試しに手持ちの「ワットチェッカーPlus」(サンワサプライ)でスリープモード時の状態を測定したところ、ネットワーク接続時もUSB接続時も消費電力が低すぎて測定不可という予想外の結果となった。ワットチェッカーPlusが小数点以下の電力を表示しない仕様のため、0ワットで表示が固定されたままとなったのだ。とはいえ、C3350のスリープモードが1ワットにも満たない消費電力で動作できていることが確認できた。

 しかし、いくら消費電力が抑えられるからといっても、スリープからの復帰が遅ければ快適さは損なわれてしまう。そこで実測したところ、11秒弱でスリープからの復帰が完了した。送ったプリントジョブのファーストプリントを含めても、19秒4(A4横)という速さだ。電源を落としてからのウォームアップ時間も測定したところ、こちらも14秒弱という優秀な測定値で印刷準備が完了した。メーカー公称値は、スリープからの復帰が12秒以下、ウォームアップが15秒以下なので、いずれも実測値のほうがわずかに高速という好結果だ。

30ppmのスピードをテストで実証、給紙容量もハイスペック

 このように、起動や復帰の反応速度に関しては何ら問題なく、30ppmクラスのプリンタとして実に快適だ。場合によっては速度よりも気になる点だけに、しっかりと対応できているのは安心できる。では、肝心の出力速度についてはどうだろうか。こちらもざっと測定を行なったところ、下記のような結果が出た。

DocuPrint C3350の印刷速度
印刷した文書データ 部数 用紙 カラー/モノクロ 印刷時間(データ転送時間含む)
カラーのグラフと表が入ったWord文書(JEITA J6) 1部 A4横 カラー 9秒7
5部 カラー 17秒8
1部 モノクロ 8秒2
5部 モノクロ 15秒9
テストに使用したPCのスペック CPU:Core 2 Duo E8400(3.0GHz)、チップセット:Intel G31 Express、グラフィックス:Intel GMA 3100、メモリ:3Gバイト、HDD:500Gバイト/7200rpm、OS:Windows XP Professional(SP3)、100BASE-TX Ethernet

 原稿はJEITA(社団法人電子情報技術産業協会)のプリンタテストパターン「J6」(カラーのグラフと表が入ったWord文書の例)を用いた。用紙はA4サイズで、給紙方向は横配置としている。1部の印刷はファーストプリントの速度を知るため、5部の印刷はエンジンスピードを知るための測定だ。5部印刷にかかった時間から1部印刷にかかった時間を引いて、4枚印刷の平均を出せば、複数枚印刷時における1枚あたりの出力速度が分かる。この場合、カラー/モノクロとも1枚あたり大体2秒ほどになり、公称値の30ppmとほぼ合致した。標準的なA4カラー文書の出力でこの速さは頼もしい。

 高速印刷を支える給紙容量も余裕がある。何しろ標準トレイは305枚、手差しトレイでも190枚の容量が可能だ。しかも、オプションとして容量670枚のトレイモジュールも用意しており、これを3段まで重ねられる。合計すると2505枚もの大容量給紙が行なえる計算だ。ちょっとしたオフィスならば、基幹プリンタとしても運用できるスペックといえる。

 なお、同社のネットワークドキュメントスキャナ「DocuScan C4260」と「DocuScan C3210」との接続にも対応しており、増設することでカラーコピー機としても運用できるため、購入後にしばらくしてコピー機としても使いたくなった場合、複合機を買い足すより低コストで済む。

標準トレイは305枚(写真=左)、手差しトレイでも190枚(写真=右)の給紙が可能。長尺や非定形など、さまざまな用紙にも対応する

印刷機能もエコに配慮、もちろん画質も良好

 印刷機能もエコにこだわっている。プリンタドライバには「トナーセーブ」モードを用意しており、使用目的に応じてトナーの消費を抑制できるのがありがたい。モードは「しない」「ややうすい」「うすい」「かなりうすい」の4種類から選択可能だ。トナーを一番節約する「かなりうすい」モードでもモノクロテキストの判読ができ、カラーテキストや色分けされたグラフやチャートでも「うすい」モードならば社内配布用などで使えるという印象を受けた。

 ここで、定着ユニットなどの省電力化が画質に影響を及ぼさないのか、という疑問も浮かんだが、これは杞憂(きゆう)だった。掲載したプリントサンプルの通り、写真の出力にも十分に耐えられる安定した発色や階調性を見せており、ICCプロファイルを用いた色再現性重視のプリントにも対応している。無論、かすれや余剰な線が発生するなど、基本的な印字性能にも欠点は見られない。


トナーセーブモードによる印刷の違い。「しない」(左上)、「ややうすい」(右上)、「うすい」(左下)、「かなりうすい」(右下)を見比べると、「かなりうすい」でもモノクロテキストはかなり細かい文字まで判読できる

エコを意識してプリントしたかどうか、リーフの数で示してくれる機能も持つ

 さらにDocuPrint C3350は、エコに配慮したプリントをユーザーに促す機能も備えているのが面白い。同社はプリンタ情報をリアルタイムで表示するユーティリティソフト「ドキュメントモニター」を提供している。ユーザーが印刷した際にどれくらいエコを意識してプリントできたかを画面上に5枚のリーフで示してくれるのだ。

 リーフの数は印刷設定によって変わる仕組みで、両面印刷や2アップ/4アップ、トナーセーブモードなどを組み合わせると、リーフの数が増えていく。リーフの数が4枚以下の場合は印刷結果に「環境にやさしいプリントをするには」というヘルプ画面へのリンクも表示されるため、ユーザー視点では面倒に感じることなく、ちょっとしたゲーム感覚でエコに配慮したプリントが行なえる。これなら、ユーザーのプリンタ利用状況を厳しく管理しなくても、自然とオフィスでの無駄なプリントが減るのではないだろうか。

 印刷機能では「カラーユニバーサルプリント」機能にも注目したい。これは文書内の赤文字に網かけや下線を施すことで、赤字が見えにくい人でも強調部分を認識しやすくする機能だ。また、コスト削減のため、カラー原稿をモノクロ印刷するような場合にも元データの赤字部分を目立たせることができ、何かと役に立つ。

視認性を向上するカラーユニバーサルプリントの例。赤文字に網掛け(左)、モノクロ印刷で赤文字だった部分に網掛け(中央)、モノクロ印刷で赤文字だった部分に下線(右)などの処理がプリンタ側で行なえる

コンパクト化やデザイン、セキュリティにもこだわり

 省エネやスピードについては申し分ないことが分かった。残る要件は省スペースだが、これに関しても手堅くまとまっている。大幅なアップグレードを実現していながら、ボディサイズはかつてコンパクトカラーレーザー機として名をはせた「DocuPrint C3050」とほぼ同じだ。本体サイズは499.5(幅)×538(奥行き)×406(高さ)ミリ、重量は44キロ以下で、デスクサイドや会議室の長机などに置いても無理なく扱える。

 このボディを実現するため、高速かつ小型のタンデムエンジンや、前述したASICとCPUを統合したSoCによる小型のメイン基板まで新開発したというのだから、力の入れようがうかがい知れる。もちろん、こうした新開発の小型パーツは、DocuPrint C3350最大の売りである省電力にも貢献している。

 ボディカラーは清潔感あるホワイトを基調とし、トップカバーの排紙トレイ部分だけがブルーになっている。これはデザインのアクセントとしてだけではなく、遠くからでも一目で排紙状況が分かるようにとのこと。さりげないデザインだが、さすがに老舗らしい細かい心配りだ。

ボディの前面、側面、背面。ボックス型のフォルムで余計な突起などはない。有線LANやUSBポートは側面の奥に、電源端子は背面に用意している。A3用紙を標準トレイにセットすると、後部が少しはみ出す

 操作パネルやメンテナンスドアはすべて正面側に集約している。トナーや定着ユニット、紙づまりの対処など、通常必要な作業はフロントから行なえるので、設置の際に背面や側面のスペースを気にする必要がないのは、手狭になりがちな日本のオフィス環境で重宝するだろう。

 なお、昨今はオフィス機器選定でセキュリティ対策も求められるシーンが増えているが、DocuPrint C3350はオプションでICカードによる認証に対応しており、IPv6+IPSec、IEEE802.1X認証、SNMPv3通信プロトコル暗号化もサポートする。コピー時に地紋が浮き上がる隠し文字の印刷機能(ペーパーセキュリティ機能)も搭載済みだ。

トップカバーの排紙トレイ部分はブルーで塗られており、排紙の様子が確認しやすい(写真=左)。トナーやドラムなど消耗品の交換、紙づまりの処理など、メンテナンス作業は前方からすべて行なえる(写真=右)

コントロールパネルにはかな漢字表示に対応した2行構成の液晶モニタを採用。写真のように液晶モニタはバックライト付きで見やすいが、これを消灯し、消費電力をより減らすことも可能だ(写真=左)。植物由来成分を多く含み、従来のABS樹脂より二酸化炭素排出量を約20%減らせるバイオマスプラスチックを清掃棒パーツに採用し、細かいところでも環境に配慮している(写真=右)

環境配慮型プリンタのあるべき姿を具現化

 DocuPrint C3350を導入した際、“環境配慮”という特徴に着目して使い始めたが、運用しているうちにカラーレーザープリンタとしての出力性能やメンテナンスのしやすさが目立ち、ついつい省エネという特徴を忘れてしまった。これは環境配慮型プリンタとして、あるべき姿ではないだろうか。快適さを犠牲にしたエコやユーザーに負担を強いるエコは、ビジネスの現場でなかなか受け入れられないからだ。

 その点でDocuPrint C3350は、ユーザーが普通に使っているだけで、消費電力が減り、環境負荷も低減されるほか、ドキュメントモニターのリーフ表示機能によって、さりげなくユーザーの意識向上も促す。エコと実用がうまく両立したビジネスプリンタの好例といえる。カラーレーザープリンタ選びで、環境配慮も出力性能も使い勝手も妥協したくないという欲張りなユーザーも、これなら納得ではないだろうか。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年3月20日