MF8380Cdwのプリント部は最大印刷解像度が600×600dpi(ソフトウェア処理により9600dpi相当×600dpi)、スキャナ部の読み取り方式はCISを採用し、スキャン時の光学解像度が600×600dpi(原稿台)、300×300dpi(ADF)、コピー時は600×600dpi(256階調)となる。複写方式はコピー機に用いられる間接静電転写方式で、印刷も同方式が使われる。
MF6780dwのスペックは、最大印刷解像度(600×600dpi、ソフトウェア処理により1200dpi相当×600dpi)が異なるだけで、ほかはMF8380Cdwに準じている。印刷およびコピー速度に関してはMF8380Cdwがモノクロ/カラーとも毎分20枚、MF6780dwが毎分33枚となっている。
そこでJEITA(電子情報技術産業協会)によるプリント用標準テストパターン(JEITA J1)を使った速度計測で、実際の出力スピードを計測してみた。計測した時間は、JEITA J1を開いた印刷画面で「OK」をクリックした瞬間から、最後の用紙が排出されるまでだ。プリンタドライバの設定は、ソートや拡大/縮小機能をオフ、両面印刷以外の機能は標準のままとした。
コピーのテストには、プリントテストで出力した原稿をそのままコピー原稿に利用している。計測時間は、本体のスタートボタンを押した瞬間から最後の用紙が排出されるまでだ(テストはストップウォッチによる手動計測)。
結果は下表の通りだ。
MF8380Cdwのテスト結果 | |
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1枚目の印刷 | |
テスト内容 | 計測時間 |
プリント(モノクロ) | 15.45秒 |
プリント(カラー) | 16.23秒 |
両面プリント(モノクロ) | 27.75秒 |
コピー(原稿台使用:モノクロ) | 8.24秒 |
コピー(ADF使用:モノクロ) | 13.66秒 |
両面コピー(ADF両面:カラー) | 40.25秒 |
両面プリント(カラー) | 29.75秒 |
コピー(原稿台使用:カラー) | 9.24秒 |
コピー(ADF使用:カラー) | 15.66秒 |
両面コピー(ADF両面:カラー) | 42.16秒 |
20部の印刷とコピー | |
テスト内容 | 計測時間 |
20部プリント | 69.80秒 |
20部プリント(1枚目を除く) | 59.66秒 |
20部コピー | 65.47秒 |
20部コピー(1枚目を除く) | 59.48秒 |
両面印刷とコピー | |
テスト内容 | 計測時間 |
両面プリント(10枚) | 120.00秒 |
両面コピー(10枚原稿台) | 120.03秒 |
両面コピー(10枚両面ADF) | 128.46秒 |
MF6780dwのテスト結果 | |
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1枚目の印刷 | |
テスト内容 | 計測時間 |
プリント | 5.51秒 |
両面プリント | 13.52秒 |
コピー(原稿台使用) | 5.96秒 |
コピー(ADF使用) | 12.66秒 |
両面コピー(ADF両面) | 23.25秒 |
33部の印刷とコピー | |
テスト内容 | 計測時間 |
33部プリント | 64.80秒 |
33部プリント(1枚目を除く) | 56.23秒 |
33部コピー | 65.47秒 |
33部コピー(1枚目を除く) | 64.94秒 |
両面印刷とコピー | |
テスト内容 | 計測時間 |
両面プリント(16枚) | 115.42秒 |
両面コピー(16枚原稿台) | 128.96秒 |
両面コピー(16枚両面ADF) | 128.87秒 |
※テストに使用したPCのスペック CPU:Core i7-2600(3.4GHz/最大3.8GHz)、メモリ:8Gバイト、HDD:1Tバイト/7200rpm、OS:64ビット版Windows 7 Home Premium
MF8380Cdw/MF6780dwの高速性は実機でも確認できた。ファーストプリントとコピー(原稿台使用)の速度は、メーカーの公称値通り(MF8380Cdwはカラーが17秒以下、モノクロが15秒以下。MF6780dwはコピーが8秒以下、プリントが6秒以下)で、待たされることなく出力できた。
ファーストプリントとファーストコピーの時間を含めないプリント/コピーエンジン本来の速度は、テストパターンが図版のないモノクロテキスト文書だったこともあり、公称値を大きく上回った。両面コピーについては、原稿読み取り時の表裏および出力時の表裏を2回反転させる必要があるため、速度が1/4程度になる。
MF8380CdwとMF6780dwの印刷品質もチェックした。用意したテストパターンを普通紙に印刷してその品質をチェックしてみると、十分なクオリティが得られた。
これはテキスト部分や図版の輪郭部がギザギザにならないよう自動で判別してスムージング処理を行ってくれるためだ。そのおかげで小さな文字でもかすれない。グラフィックスの印刷もシャドウが急激につぶれたり、明度が飛び気味になることもなく、階調がかなりリニアで自然に見える。
またMF8380Cdwでは、入出力時に色補正を行うことで、色再現性を高める「デュアルダイレクトマッピング」、カラー原稿でもテキスト部分を自動判別してブラックトナーだけでクッキリ印刷する「黒文字処理技術」といった技術も高画質に貢献している。
MF8380CdwとMF6780dwは、プリンタの設定変更などを意識することなく、初期設定のまま印刷するだけで、こうした満足度の高い品質で出力される。
MF8380CdwとMF6780dwを一通り使ってみると、カラー機とモノクロ機の違いはあるが、どちらもSOHO/SMB向けA4複合機として、高いパフォーマンスと、ビジネスの効率アップを促進する多彩な機能を両立していることが実感できた。
独自の定着方式をはじめとする数々の工夫により、性能の割に消費電力が低い点も好印象だ。10万円以下で複合機を検討する場合、トータルバランスのよさと、そこから導き出されるコストパフォーマンスの優秀さに改めて気付かされる。
主にSOHO/SMB環境において、高品位で高速なカラー印刷を中心に、複合機として豊富な機能も求めるならば、MF8380Cdwが最適な選択肢になるだろう。一方、テキスト文書の扱いが多く、ハードに大量部数の印刷やコピーを繰り返すのであれば、MF6780dwがその期待に十分応えてくれるはずだ。
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