地方の中小企業に業務の効率化を――テックウインドが注力する法人ビジネス3分野とは?

テックウインドといえば、インテルやASUSをはじめとする名だたるITベンダーの販売代理店として、PC自作市場に大きな影響力を持つ企業の1つだが、その同社が自社ブランドで7型タブレットの販売を開始した。狙いは何か。テックウインド執行役員営業本部長の仲谷淳氏に話を聞いた。※記事末尾に100人に当たる読者プレゼントあり

» 2013年09月24日 10時00分 公開
[ITmedia]
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SMB市場に注力するテックウインド

―― インテルプロセッサー搭載テックウインドタブレットが発売されました。テックウインドはこれまで、主に自作PC向けのパーツを取り扱う販売代理店としてのイメージが強かったのですが、今回自社でタブレット端末を扱うことになった経緯を教えてください。

テックウインド執行役員営業本部長の仲谷淳氏

仲谷氏 大きく理由は2つあります。実は昨年から、我々テックウインドは事業戦略の大きな柱として法人ビジネスに注力しているのですが、その1つであるSMB向けコンパクトサーバ(NOWing SERVER)のマーケティング活動を行っていく中で、導入・または検討されているお客様から「タブレットも一緒に購入したい」という声を非常に多く頂いていました。このニーズの高まりがまず1つ。

 そしてもう1つは、ちょうど同じ時期に、インテルがグローバルで展開しているインテル(R) チャネル・アクセス・プログラムで、インテル製CPUを搭載するタブレットが対象になっていたことです。通常、こうした製品をODM生産する場合は非常に高いMOQ(Minimum Order Quantity:最低発注数量)で取引をしなければなりませんが、今回このアクセスプログラムによって、つまりインテルがいわゆる取りまとめ役を担うことで、MOQの問題はクリアできることになります。こうした条件が重なって、それならウチでタブレットを販売しようか、ということになりました。

 弊社のサーバを導入したお客様が、それによって情報を集約・共有するだけでなく、情報を活用するために、例えば出先の営業ツールとしてタブレットを連携させたい、資料を確認したい、承認作業を済ませたいと考えたとき、そうしたニーズにこのタブレットで応えられると思います。

―― 昨年から法人ビジネスに注力してきた、というお話ですが、具体的にはどういった分野をターゲットにしていますか?

仲谷氏 社内的に法人ビジネスへ1歩踏み出したのは、実は2年前になります。テックウインドはもともと、シネックスとユニティという会社が1つになってできたのですが、両社ともどちらかといえばDIY市場での認知が高かったわけです。もちろん、リテールマーケット以外の取り組みも行ってはいましたが、まだ規模は小さかった。その後、2社が1つになったときに、今後企業がこれまで以上に成長し続けるためにはもう1つ大きな柱が必要だろうということで、ほぼ1年間、さまざまな第三者機関を通して法人マーケットを調査してきました。

 その結果、テックウインドは大きく3つに絞った分野で法人ビジネスを展開するという結論に至っています。まず1つはSMB市場。特に99名以下の企業を対象としたサーバです。2つ目がデータセンター向けの事業。我々はHDDの代理店を長くやっており、こうした分野でのビックデータというトレンドをいち早くつかんでいました。このため、データセンターにからむビジネスを立ち上げています。3つ目はややニッチな分野ですが、大学の研究機関や企業の開発部署といった、非常に高い処理性能を必要とするHPCの分野です。

 これまでの売り上げ構成比は、6割がリテール、4割が法人ですが、これまで同様、リテールを伸ばしつつ、さらに法人ビジネスに注力することで、法人の売り上げ構成を全体の6割まで持っていきたいと考えています。

―― 先ほど挙げた3つの分野に対応する御社の製品ラインアップを教えてください。

キューブ型コンパクトサーバ「NOWing SERVER for SMB Gen 2」

仲谷氏 まず99名以下の企業をターゲットにした製品ですが、我々が最初に製品化したのはそれよりもさらに小規模な25名以下を対象にした小型サーバです。このクラスでは、これまでサーバを未導入で、かつ導入へ意欲的な企業が数多くあります。そこで我々は、企業で一般的に使われるラックマウント型のサーバではなく、より導入へのハードルが低い製品として、ちょうど25名以下のユーザーを対象とするWindows Small Serverをプリインストールした、非常にコンパクトでRAID構築にも対応するキューブ型の「NOWing SERVER for SMB Gen 2」を用意しました。

 ただ、NOWing SERVERを実際に販売してみて面白いと思ったのは、25名以下の事業主という本来のターゲットを超えて、さまざまなニーズがあったことです。特に多いのは、医療機関や企業で部署ごとに導入したいというものですね。ほかには震災をきっかけとして、オフィスに行かなくてもリモートで作業をするために、NASではなくサーバを導入したいという声が増えているようです。少し話はそれますが、医療機関など向けにはWindows 8のタッチ機能に対応した23型のオールインワンデスクトップなども販売しています。

 もう1つ面白いと思ったのは保守についてです。保守に関してお客様から頂いた意見の多くは「保守をしてもらえないと困る」ではなく、「保守費用が高すぎて導入に踏み出せない」というものでした。このため我々は保守をオプションにして無理に勧めることはせず、電話サポートと、さらに障害が発生したときには同じシステムを先出しで交換して頂くというサービスを前面に押し出しています。これならば導入コストをぐっと引き下げられますので、多くのお客様のニーズにマッチした提案が可能です。これに加えて、付属するマニュアルはできるだけ分かりやすい記述とビジュアルを多用し、「専門の管理者がいなくても導入できる」ことを目指しているのがポイントですね。

 一方、データセンター向けに製品化したのは、ストレージサーバと呼ばれるもので、1Uのサーバに12ベイのHDDが格納できるタイプの「Object Storage Server」です。現在4TバイトのHDDが出ているので、1Uに最大48Tバイトを搭載できるビックデータ向けのモデルとなっており、1つのサーバラックに1Pバイトを超えるストレージを用意することも可能です。実はこの製品は、インテルがデータセンター事業者のフィードバックを受けて規定したコンセプトに沿ったもので、営業活動もインテルと協業しつつ行っています。

 最後のHPC市場向け製品は、インテルのXeon Phiを搭載したシステムです。高度な並列処理を要求するアプリケーションで性能を飛躍的にアップできるコプロセッサですが、こうしたシステムは、大学の研究機関など、特定用途かつ導入のハードルが高いために市場が限定されていました。そこでスターターキットという形で、導入のハードルを下げ、まずは使って頂くための製品ラインアップを用意しています。一般の民間企業でも採用を検討しているところが増えるなど、手応えを感じています。

データセンター向け1Uストレージサーバ「Object Storage Server」(写真=左)。

地域のリセラーやSIerと「WIN−WIN」の関係を築く

―― 最後に、今後の法人ビジネスに向けた展開を教えてください。

仲谷氏 今後タブレット製品は、7型だけでなく、10.1型や11.6型とラインアップを法人向け製品で、拡充していきます。また、タブレットだけでなくサーバビジネスにおいて、25名以下の企業をターゲットにしたビジネスニーズで、特に地方にある企業は、都市圏から離れるほどサーバを導入していないという調査データがあり、潜在的なニーズは非常に大きいと考えていますので、このセグメントの製品も引き続き拡充していきます。

 ただ、こうした企業の多くは、地域に根付いているリセラーやシステムインテグレーターとの長い付き合いがあり、信頼関係があります。また、我々も地方に事業所を持っているわけではないので、こうした地方のお客様にきめ細かく対応していくのは簡単ではありません。重要なのは、我々がこれまで培ってきた経験や、ITベンダーとの緊密な関係という価値を、こうした地方のリセラーやシステムインテグレーターに提供し、互いに協力して隠れたニーズを掘り起こすこと。WIN−WINの関係を築くことです。

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提供:インテル株式会社 テックウインド株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2013年10月21日