森氏が、従来のゲーミングノートPCで特に不満に感じていたのが「性能と価格だけで語られている(評価している)」ことだった。CPUがなにでGPUがこれだからいい、という評価は多いが、実際にゲームをしていると、ゲームデータをロードする時間の短さや、プレイをしている途中で“PCが落ちない”ことがとても重要になってくる。
PCゲームのプレイ時間は気がつくと1時間2時間と長くなっていることが多い。そして、ゲームタイトルの多くで、それまで続けてきたゲームの結果を積み重ねてその先に進むことが求められる。ゲームの各ステージをクリアしてアイテムや経験値を上げてきて、いよいよラストのステージとなったとき、長時間の高負荷動作に耐えかねてPCが落ちてしまったら、ゲーマーの怒りと失望は言葉ではいうことができないほどに激しく、そして、深い。
こういう事態を防ぐには、何より安定した動作を確実にすることが求められる。G-GEARシリーズは、搭載するパーツの性能を重視する一方で、データストレージのアクセススピード、そしてなにより、安定した動作を確保する電源ユニットや回路の品質を重要と考えているのは、PCゲーマーとして経験が豊富な森氏だからこそ可能だといえる。
高クロック動作のCPUにGPU、そしてメモリを搭載しているだけあって、安定動作のためにはボディ内部の冷却も重要になってくる。ノートPCの冷却機構では効率と同時に静かであることも必要だ。ただ、常に高効率で冷却しなければならないというわけでなく、Webページの閲覧やメール、SNSの投稿など負荷の軽いときと、最新ゲームのような重い負荷のときとでファンの回転数を意図的に切り替えるために専用ボタンを設けている。
G-GEARシリーズでは性能と価格の関係、そして安定動作とともに“快適”なゲームプレイを意識して搭載パーツを選んでいる。森氏はその中でも特に気を使ったのが液晶ディスプレイと語る。MMORPGやRTSでは比較的小さいキャラクターやユニットを長時間見続けることになるので、目が疲れない見やすい液晶ディスプレイが必要になる。
森氏は、数多くの液晶パネル(20〜30枚)を検証した上で、目に優しい非光沢ながら光沢パネルのように色彩が鮮やかになる(また、ノングレアでは色が正しく表示できずゲームプレイに支障が出る)液晶ディスプレイを採用した。
また、キーボードにも快適に“プレイ”するために工夫を施している。N1561Jの上位モデルになるN1581Jは、FPSやRTSといったキャラクターやユニットの操作が重要になるゲームを対象にしており、N1561Jは、MMORPGといったチームプレイでチャットを駆使するゲームを重視している。そのため、N1581Jでは、確実にユニットを操作するためにキーを押したことがはっきりと認識できる重いタッチのキーボードを採用したのに対して、N1561Jでは文章を打ち続けても疲れない軽いタッチのキーボードを採用している。
2014年になって、ゲーミングノートPCが好調だ。これは、「G-GEAR」シリーズに限らず同種のラインアップを擁するPCベンダーの多くで聞く。森氏も、ノートPCでプレイするPCゲーマーが増えていると述べているが、その理由としてノートPCが搭載するCPUとグラフィックスコアの性能が高くなったおかげでゲーム動作が快適になってきたことや、自宅だけでなく旅先でもいつものゲームがプレイできることを挙げたほか、最近日本でも増えつつある、ゲーマーが集まって実際に顔を合わせてRPGやFPS、RTSなどのチーム戦を行うときに便利というケースも紹介している。「対戦相手の表情が見えるとゲームプレイがより楽しくなりますね」(森氏)
N1561Jは、ユーザーのフィードバックでも特に不満を訴える声がないというが、非常に満足度が高いN1561Jに対しても、森氏はいろいろと進化の方向性を考えている。その詳細はまだ明らかにできないというが、ゲーマーがゲームプレイのことを考えて企画しているG-GEARのゲーミングノートPCだけに、PCゲーマーがさらに満足できる新モデルが登場することだろう。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2014年9月24日