ビジネスノートに高級ブランドのスピーカーは必要なの?AMD×Bang&Olufsen(1/2 ページ)

日本HPの「Elitebook 725G3」は、税別7万円台から購入できる高コスパを実現しつつ、老舗オーディオビジュアルメーカーのBang&Olufsenが手がけたプレミアムスピーカーを内蔵する12.5型ビジネスモバイルノートPCだ。でも実際のところ、ビジネスマシンにそのスピーカーは必要なの……?

» 2016年03月01日 10時00分 公開
[ITmedia]
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 高級/老舗オーディオビジュアルメーカーとコラボしたノートPCが増えている。従来、そうしたスピーカーを採用する製品は、AVを志向するハイエンドの個人向けノートPCがほとんどだったが、最近HPは、他社に先駆けて法人向けビジネスPCでも採用を始めている。

 ここで浮かぶ疑問は、「ビジネスPCで音質にこだわる必要があるのか」という点だ。ビジネスPC「Elitebook 725G3」にプレミアムスピーカーを供給するデンマークの高級オーディオビジュアルブランド、Bang&Olufsen Japanで代表取締役社長を務める甲斐ラース氏と、同じくElitebook 725G3にAPUプロセッサーを供給している日本AMDコマーシャル事業部事業部長の林淳二氏に話を聞いた。

90年の歴史を持つ高級オーディオビジュアルメーカー、Bang&Olufsenが手がけるプレミアムスピーカーを搭載した日本HPの12.5型ビジネスモバイルPC「Elitebook 725G3」

90年の伝統が生んだ音作りがビジネスを変える

―― HPからBang&Olufsenブランドのスピーカーを搭載したビジネスノートPCが販売されています。また、昨年は創業90周年を記念した2in1ノート「HP Spectre 13 x360 Limited Edition」も製品化されていますね。これ以前からBang&Olufsenでは、PC内蔵用スピーカーへの取り組みはあったのでしょうか。

Bang&Olufsen日本法人の甲斐ラース代表取締役社長

甲斐ラース氏(以下、甲斐氏) 実はありません。大昔、2000年代初頭にはASUSTeKにアンプ技術を提供した歴史がありますが、今回のような形でPC内蔵スピーカーをプロデュースしたのは初めてのことです。

 PCやプリンティング事業をグローバルでリードするHPに認められた、という点に大きな自負を感じますし、デンマーク本社でこのコラボレーションに大きなメリットがあると判断した結果でしょう。これまで価格よりも質で勝負してきた私たちの製品ですが、非常に手ごろなビジネスノートからも当社のサウンドを体験して頂けるようになりました。もちろん、それはHPのノートPCであって、私たちが提供するスピーカーではありませんが、体験できる裾野を広げたという意味において大きな意味があると考えています。

 お客さまがBang&Olufsenブランドのロゴが入ったノートPCを購入して、そのサウンドに触れたとき、ノートなのに意外と音がいいな、と思って頂ければうれしいです。

―― そもそも、HPのノートPCに搭載されている、いわゆる“共同開発したプレミアムスピーカー”は何が違うのでしょうか。

甲斐氏 ハードウェアを提供しているわけではなく、音のチューニングによる技術協力が中心です。とはいえ、私たちの名前が記載される以上、最低基準というものがあります。それには一般的なノートPCに求められる音質よりも高い期待値を満たす必要があります。

 少し話はそれますが、デンマーク本社で音作りに関わる人物は大きく3つに分類できます。1人目はトーンマイスター。彼は“音の通訳者”と呼ばれますが、音の違いを実際にコーディングする技術者が分かる言葉に翻訳してあげる人です。例えば、「78Hz辺りで位相のズレが気になるので補正して」といったように。

 2人目がリスニングパネルと呼ばれる人たちで、音を聞いて複数の項目を評価しています。テストは複数人で行いますが、評価項目がほぼ一致するくらい正確な耳を持っています。彼らは少し広めの会議室にがやがやと雑談をする人たちがいても、目をつぶったままそこに何人の人がいるのか正確に見抜くほどです。そして3人目がサウンドエンジニア。トーンマイスターの意見を実際の音作りに生かしていきます。

 こうしたBang&Olufsenが長年培ってきた音作りのノウハウやチューニングを反映したのがHPに搭載されたプレミアムスピーカーです。もちろん、ノートPCに搭載される小さなスピーカーでは限界があって、高級スピーカーとはまったく異なりますし、これをもって「Bang&Olufsenのスピーカー」というわけではありませんが、一般的なノートPCに比べれば高い音質を実現しました。

Bang&Olufsenが培ってきたオーディオ技術をソフトウェアチューニングで取り入れたプレミアムスピーカーは、通常のノートPCを超える高音質を実現。さらにそのチューニング技術はヘッドフォンを通しても生かされる

―― なるほど、ノートPCでもいい音がする、ノートPCなのにいい音がする、という点は分かりました。ただ、Elitebook 725G3のようなビジネスで使うノートPCにも音質は重要なのでしょうか?

甲斐氏 とても重要だと思います。Bang&Olufsenはどうしても“オーディオ”のイメージが強いかもしれませんが、90年間ずっとスピーカーだけを作り続けてきたかと言われるとそうではなく、テレビも作っていますし、2010年までは電話機も作っていました。

 電話機のようなコミュニケーションデバイスを作る中で重要なのは、会話で相手の声がはっきりと聞こえることです。つまり私たちは、心地よい音作りのほかに、どうしたら相手に伝わるか、音(言葉)を理解するとはどういうことかといった研究もしています。これはおそらく、ほかのオーディオメーカーにはない特徴の1つでしょう。

 ビジネスノートPCの利用シーンを想像すると、例えば、会議室で動画つきのプレゼンをする際、中規模の会議室でも参加者全員にきちんと音声が届くレベルのスピーカーが求められます。仮にプロジェクターを使う場合でも、ビジネスプロジェクターの内蔵スピーカーがモノラルだったり、そもそも内蔵していないものも多いので、PCから音を出したいと思う場面は多いはずです。そんなとき、音質が悪く、よく聞き取れないノートPCのスピーカーで音を出したいプレゼンターはいないはずです。

 コミュニケーションではっきりと音が聞こえるための技術を持つBang&Olufsenブランドのスピーカーであれば、しっかりとした音量を確保し、明瞭で臨場感のある音を伝えることができます。

B&Oの甲斐氏(左)と日本AMDの林氏(右)

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2016年3月31日

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