出荷400万台突破!! 開発者が語る「ScanSnapが支持される理由」(1/5 ページ)

オフィスのペーパーレス化やデジタルデバイスの普及により、幅広いシーンで使われるようになったドキュメントスキャナ。なかでもBCN 6年連続No.1を獲得しているPFUの「ScanSnap」シリーズは、多くのユーザから支持される、ドキュメントスキャナのトップブランドだ。そんなScanSnapがユーザーに支持される理由は何だろうか。同社執行役員イメージビジネス担当の宮内康範氏と、商品企画部長の大窪伸幸氏に、その秘密を聞いた。

» 2016年11月30日 10時00分 公開
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「ScanSnap」シリーズは累計400万台出荷を数えるドキュメントスキャナのトップブランドだ

「できるだけ簡単に」=ScanSnapというブランド名へ

 出荷台数が全世界で400万台を突破した「ScanSnap」。2001年に登場したこの製品は、身近にあるさまざまな書類を手軽にデータ化できる個人向けのドキュメントスキャナとして、誕生から15年が経過した現在、日本のみならず世界においても定番のモデルとなっている。この「ScanSnap」の出発点となったのは、当時同社が開発していた業務用ドキュメントスキャナだった。

 「それまでは業務用のドキュメントスキャナを開発していたのですが、これだけ便利な製品が世の中にあるのだから、オフィスで発生する会議資料や、家庭で身の回りにある書類など、もっといろいろなものを電子化して活用してほしい。そのような想いから、身近に置いて使ってもらえるスキャナとして、ScanSnapの開発を始めました。当時はインターネットも普及しつつあり、紙をデータ化して使うことが現実的になり始めていたのも、後押しになりました」(宮内氏)

PFU執行役員イメージビジネス担当 宮内康範氏

 そんなScanSnapシリーズのこだわりの1つが、ボタンを押すだけの簡単操作だ。これは業務用ドキュメントスキャナとの大きな違いであり、ScanSnapの最大の特徴とも言える。

 「業務用スキャナは、プロが業務の一環として紙を電子化するための装置ですので、スキャナの特性をよく知っている人が使いやすいと感じる操作性を重視しています。しかしスキャナに詳しくない一般の人が使うには、難しい設定ができることはむしろじゃまになります。何も考えなくても、サイズや種類の違うさまざまな用紙をカンタンに電子化することを実現するために、たどり着いたのがボタン1つワンプッシュ操作でした。」(宮内氏)

 もっとも、このコンセプトが当初から存在したかというと、そうではないのだという。実はScanSnapの前には、鳴かず飛ばずだった幻の“先代モデル”がある。

 「最初はPragma(プラグマ)という製品を出したのですが、これがまったくの不評だったのです(笑)」(宮内氏)

 そこで開発チームが行ったのは、製品の使い勝手に関する徹底的な調査だった。社内に同製品を配布して使ってもらい、どこがマイナスなのか、利用者目線での意見を募った。その結果浮かび上がったのは、多機能すぎて使いにくい、もっと簡単なものがほしいという、まさに現在のScanSnapにつながる方向性だった。

 「ヒアリングの結果、我々が良かれと思って多めに搭載したボタンや、あれもこれもできる多機能なドライバといったPragmaの特徴が、まったく受け入れられていないことが分かりました。社員に言わせると、そんな分かりにくい操作方法を覚えてまで、紙を電子化する必要がないと。そこで簡単シンプルで、何も考えずにワンプッシュで操作が完結するというコンセプトに生まれ変わり、ブランド名も新しく“ScanSnap”に改めました」(宮内氏)

 “簡単シンプル”というコンセプトは、ワンプッシュ操作だけにとどまらない。もう1つ、歴代モデルの変遷で顕著なのが、原稿台と排紙トレイが折りたたみ式になったことだ。

 「ドキュメントスキャナは、業務ワークフローの1つとして定められていない場合、プリンタほど高い頻度で使われるものではなく、せいぜい一日のうちに一回か二回使われる程度です。原稿台が固定されていると場所を取るばかりか、オフィスのデザインにもマッチしません。そのため、使わない時はなるべくコンパクトになるよう、折りたたみ構造を採用することになりました」(宮内氏)

ボタンの数を減らし、ADFを収納式にすることで、簡単操作と省スペースを追求。現在のScanSnapの原型ともいえる形ができあがっていった

 現在のモデルではこれがさらに進化し、原稿台と本体電源が連動することにより、原稿台を開けるだけでが電源がオンになって使えるようになる。ボディサイズを大きくせずに折りたたみ方式を採用するにあたっては、内部のメカを小さくしなくてはならず、専用の光学レンズを新たに開発するなど、その苦労は並大抵のものではなかったそうだ。「業務用スキャナを作るよりも難しい作業でした」と、宮内氏は当時を振り返る。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2016年12月6日