Windows 10の導入や運用で企業が考えるべきこと――リコージャパンと日本HPが解説「Windows 10 時代への対策」集中セミナーレポート(2/2 ページ)

» 2017年11月17日 10時00分 公開
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Windows 10=WaaS時代に企業はどう対応すべきか

リコージャパンの豊里竜二氏(同社ICT技術本部マネージド推進部リーダー)

 リコージャパンの豊里竜二氏が行なった講演「Windows 10の付き合い方」では、Windows 10の運用時の注意点と、それに対して同社が提供するソリューションが紹介された。

 同氏が強調したのは「Windows 10への移行は、WaaS(Windows as a Service)への移行である」ということ。WaaSにおいては、これまでのように数年に1回、システムの入れ替え/アップデートをすればそれでよいものではない。サポート期間は18カ月だが、やはりWaaSのメリットを生かし、スムーズに運用していくには常に最新のアップデートを検証し、展開していくサイクルを確立することが重要だと主張した。

 さらに、WaaSへの移行準備として、8つのチェックポイントを提示。このチェックポイントがすべてクリアできれば、Windows 10およびWaaSへスムーズに移行、運用できるというわけだ。

WaaSへの移行準備として提示された8つのチェックポイント。これをクリアできればWaaSへの移行準備は万全だという

WaaSによる継続的なアップデートを制御するには、インフラ環境の整備が不可欠

管理台数別の推奨インフラ環境。100台以上ならば、Active Directory、グループポリシーに加えて、WSUSサーバを構築することが望ましいという

 とはいえ、この8つのチェックポイントをクリアするのは簡単なことではない。WSUSサーバの構築など、インフラ環境の準備含め、従来の企業の体制では対応が難しいことが予想される。こうした事情をふまえ、リコーはWindows 10、WaaS時代に企業が抱える課題を解決するためのソリューションをさまざま用意しており、講演の後半ではその一部が紹介された。

Windows 10への移行にはこのような14ステップが必要だという

 同社では、前出の14ステップを4フェーズへと分類し、それぞれに対して、課題を解決できるソリューションを用意している。例えば、「導入準備」フェーズにおいては、Windows 10の機能概要やWaaSにおける更新の仕組みからデモンストレーションを交えて解説するワークショップ「Windows 10導入WS」や、展開における課題や疑問点について技術員が対処方法や実装についてのアドバイスを行なう「移行計画アドバイザリー」といったサービスがある。

管理台数別の推奨インフラ環境。100台以上ならば、Active Directory、グループポリシーに加えて、WSUSサーバを構築することが望ましいという

「導入準備」フェーズにおいては、Windows 10の機能概要をデモンストレーションを交えて解説する「Windows 10導入WS」や移行計画をアドバイスする「移行計画アドバイザリー」といったサービスを用意する

 同社はWindowsXPのサポート終了に伴うWindows 7への移行対応の経験があり、ノウハウを蓄積しているという。それを基に「業務に支障のないような更新管理環境の設計・構築に注力しており、効果的でスムーズな移行を支援できる」とアピールした。

 同様に、導入設計、導入、運用の各フェーズについても、それぞれソリューションを用意し、WaaSで推奨される更新手法を実現するための運用を見据えたインフラ構築、マスターPC作成やクライアント展開、新しい更新プログラムに対応した運用代行など、運用管理にかかる負荷を軽減するサービスを提供しているという。

各フェーズ/ステップに対するサービス内容

 Windows 10/WaaSへの移行は、今後のビジネスを円滑に進めるうえで欠かせないが、それに伴い、システム担当者の負担が大きく増えることは避けられない。その対応として、自社で人員や設備の増強をして体制を整えていくのか、あるいはリコージャパンが提供しているような支援サービスを利用して社内担当者の負担を軽減するのか。いずれにしても、これからはこれまでとはWindowsとの付き合い方の意識を変えて、取り組んでいく必要があるだろう。

働き方改革のキーワードはモビリティとセキュリティ

日本HPの島崎さくら氏(同社プロダクトプロモーションマネージャー)

 日本HPからは島崎さくら氏が来場し、Windows 10、および働き方改革時代におけるデバイス選びについて講演した。

 同氏は、働き方改革は日本が抱えている社会問題解決に欠かせない課題であることに言及。同社の取り組み例を紹介しつつ、働き方改革のキーワードとして、「モビリティ」と「セキュリティ」を挙げ、特に「クライアントセキュリティ=ユーザーデバイスのセキュリティ」が重要になると強調した。

 セキュリティに関して、現代のサイバー攻撃は愉快犯的なものではなく、組織化されて攻撃力も強化されていること、対象がサーバからユーザーデバイスになっていることなどを紹介。機密ファイルが存在しなくとも加害者になってしまう危険性があるため、「守らなくて良いデバイスはもはやない」と話した。さらに具体的な6つの脅威の例と、それに対して必要な対策を紹介。6つのうち、物理的な固定以外の5つに対して、HPが提供しているソリューションを示した。

身の回りには6つのセキュリティリスクが潜んでいると指摘

セキュリティリスクに対する対策。物理的な固定以外の5つのリスクについて、HPはそれぞれソリューションを提供している

 具体的には、ブラウザをOSから隔離された仮想エリアで実行することでマルウェアを排除できる「HP Sure Click」、画面ののぞき見対策としてディスプレイ内蔵型のプライバシースクリーン「HP Sure View」、多要素認証ができる「HP Client Security」、侵入検知機能を持つ自己回復BIOS「HP Sure Start」、マルウェアで破壊されたMBR/GPTを復旧する「HP BIOSphere gen3」、スマートフォンとの距離検出による自動ロック/アンロック認証ができる「HP Workwise」といった機能を紹介している。同社の調査結果によると、こうした機能のほとんどは他社製品には搭載されておらず、HP製品のみが搭載しているという。

「HP Sure View」は、ディスプレイ内蔵型のプライバシースクリーン。ワンタッチで白濁化し、斜め45度より外側からの覗き見を防止できる
「HP Sure Click」はブラウザのマルウェア感染対策機能。危険な可能性のあるサイトへのアクセス前に警告を表示するほか、ブラウザを仮想領域の中で実行し、タブ単位で隔離。万一マルウェアに感染してしまった場合でも、プロセスを破棄することで排除できる

サイバー攻撃の脅威からユーザーデバイスを守るHPのソリューション

 また、Windows 10環境への移行をスムーズに行うための機能として、マスターイメージ作成を支援したり、Windows OS上からBIOS設定やTPM設定を変更できるツールを用意しているほか、Microsoft SCCM(System Center Configuration Manager)でHP独自機能も含めた高度な管理ができるプラグイン「HP Manageability Integration Kit(MIK)」も提供していることに触れた。

Windows 10への効率的な移行と運用を可能にするため、マスターイメージ作成、Windows OS上からのBIOS設定やTPM設定を変更するツールを用意している

Microsoft SCCM用のプラグインも提供しており、HP独自のセキュリティ機能を含めた高度な管理を行なえる

セキュリティ機能のカバー範囲。HP Sure Clickは今後、PRO 400シリーズ以上のモデルには順次導入予定。ミドルレンジのモデルでも強固なセキュリティ機能を搭載している

 最後に同氏は、前出のセキュリティ機能をすべて搭載したコンバーチブルノートPC「HP Elite Book x360 1030 G2」を紹介した。タブレットとしてもノートPCとしても使えること、米軍調達基準をクリアする高い堅牢性を備えていること、専用の特別に手厚いサポートが受けられる「Premiumサポート」が付帯していることに加えて、Bang & Olufsenブランドのスピーカーやノイズキャンセル機能により聞き取りやすいクリアな音声でオンライン会議が行えること、Skype for Businessの起動や画面共有ができるハードウェアキーを搭載していることなど、働き方改革、テレワーク、モバイルワークとの相性の良さもアピールした。

前出のセキュリティ機能をすべて搭載したコンバーチブルノートPC「HP Elite Book x360」。Bang & Olufsenブランドのスピーカーやノイズキャンセル機能により、聞き取りやすいクリアな音声でオンライン会議が行えること、Skype for Businessに対応するハードウェアキーを搭載していることなど、働き方改革との相性も良いことをアピールした
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提供:株式会社日本HP
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2017年11月28日