―― 生産について重視しているのはどんなことですか?
池上氏 当社の強みとして、4億通りのBTOと短納期というものがあります。生産においては、この千差万別のBTOを実現しながら、短納期、高品質を両立するということを最も重視しています。Webからの注文につきましては、最短2日で出荷する体制を確立しています。
―― 「最短」というのが気になるのですが、どのくらいの割合で2日で出荷されるのでしょうか?
池上氏 最短到着を希望される方にはほぼ100%、2日で出荷できています。配送も含めて3日ですので、極端な悪天候ですとか、配送の事情の可能性を考慮して「最短」という表現とさせていただいています。
―― たくさんのオーダーがある中で、BTOで2日出荷というのはかなり早いと思うのですが、どのように実現しているのでしょうか。
池上氏 生産ラインとプログラムを連動し、徹底的に効率化しています。生産ラインでは、部品組み立てとOS/ソフトウェアのコピー、アクセサリキットの用意を並行して行ない、最終段階でこれらをマージすることで作業時間を短縮しています。タワー型以外はPCケースとマザーボード、電源が組み込まれたベアボーンの状態で仕入れることで組み立て工程を短縮していますが、BTOで電源も選べるタワー型PCの場合は、組み立ての前に「前組み」という工程を付け加えています。
―― BTOでかなり柔軟に構成を変更できるPCもありますが、短期間で大量のPCをオーダー通りに間違いなく生産できるのですか?
池上氏 BTOの構成については、受注した時点でシリアル番号を発行してプログラムで管理します。このシリアルはサポートにも利用しますが、組み立ての際にはこれを利用した「デジタルピッキングシステム」を導入しています。作業者がリストを見て部品を選ぶのではなく、バーコードをかざすだけでどの部品を使えばよいか分かるようになっています。さらに、部品から情報を取得して照合する「コンフィグチェック」というプログラムを導入しておりまして、組み立て後にオーダーと相違がないか自動でチェックすることができるようになっています。
―― 繁忙期に注文が殺到した場合も2日出荷は可能なのでしょうか?
池上氏 可能です。需要が集中する時期は予測ができますし、それに合わせてスタッフを用意することができます。もともとWebからの注文で最短納期を希望される方の割合は全生産量の3割程ですので、余裕があります。法人さまですと、1週間後なり2週間後なりの日付の指定をされて、その日に何台確実に届けてくれというご要望が多いです。その納期を順守することを厳命しております。
―― 生産の品質管理についてはどうでしょうか。
池上氏 品質管理という点では、組み立て工程の段階で不具合が見つかるということがないように、生産の上流である部品の生産段階での管理を徹底しています。さきほど藤森が申し上げたように、開発段階から入念な検証を行いながら海外の工場と綿密にやりとりして品質を確保することに加えて、量産段階でも塗装の色あい、キズなどの品質を厳しくチェックしています。我々が定期的に現地を訪問し、品質会議、工場監査をして、品質の向上、歩留まりの改善をしています。
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