レイトレ×ゲームエンジンで働き方改革! サードウェーブが仕掛ける新サービス「Offima」とは(1/2 ページ)

PCショップ「ドスパラ」、「GALLERIA」や「THIRDWAVE Pro」といったPCシリーズでおなじみのサードウェーブが、持ち味を存分に生かした新たなサービスに取り組んでいる。その「Offima」(オフィマ)とは何か、その革新的な取り組みの詳細を聞いた。

» 2020年02月17日 10時00分 公開
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 サードウェーブグループは、PCショップ「ドスパラ」や「上海問屋」の全国展開、さらにeスポーツの支援などを積極的に行っていることで知られている。

 グループの一角を占めるサードウェーブソリューションズが開発した「Offima」(オフィマ)は、オフィスなど部屋の間取りのレイアウトを3D/VRで再現できるツールだ。

 リアルタイムレイトレーシングを活用し、リアリティーの高いグラフィックスやCAD図面の出力、椅子や机などの衝突判定まで行える正確さを兼ね備えており、オフィス家具や内装工事業界の業務を一変させるポテンシャルを持つと期待されている。

 ゲーミングPCブランド「GALLERIA」といったハードウェアやゲームのイメージが強いサードウェーブグループが、なぜオフィス家具/内装工事向けのソフトウェアを開発したのか、どのような活用が考えられるのか。気になる開発背景や将来の展望などをサードウェーブソリューションズの担当者に伺った。

offima サードウェーブソリューションズが手がける「Offima」

測ったのに洗濯機が入らない!? トラブルから始まったその開発

――サードウェーブグループというと、ハードウェア販売やゲームのイメージが強いのですが?

江幡氏 実はOffimaの開発もゲームとは密接な関係があります。2017年から、我々はUnreal Engineの技術者教育事業をしていたんですね。Unreal Engineは高いハードウェア性能が要求されるのですが、とてもきれいなリアルタイム映像が作れますし、サードウェーブグループのPC事業とも相性が良いということで、可能性を感じていました。

 ただ、当時は専門学校もなく、講師もいない、(一般の学校では)ハイスペックPCを用意するのも大変ということで、ならば我々で始めたらどうかと手がけました。ただ、事業としてはうまくいっていませんでした。

offima Offima事業を統括するサードウェーブソリューションズ XR部の江幡泰輔部長。製品開発の経緯やコンセプトなどをお話しいただいた

――そこから、どうしてオフィス家具や内装工事に?

江幡氏 開発のきっかけは、当社の室谷が自宅で購入した洗濯機なんですよ(笑)。購入前にきちんと寸法は測ったというのですが、部屋の搬入経路に通れないところがあって、洗濯機が設置できなかったというんです。

 そこで、現実の部屋の形状や設置する製品の大きさを反映したものを作って、衝突判定ができるものがあったら、こういうことがなくなって、役に立つんじゃないかって。さらにUnreal Engineを使えば、よりリアルにできるだろうと考えました。

――教育事業で見ていた技術と、それを生かす方法のイメージがつながったわけですね

江幡氏 前職は建設業界に対してのIT営業をしていた関係で、家具屋さんや内装工事屋さんとお取引をさせていただいていました。そこで、教育部隊でOffimaの簡単なプロトタイプを作ってもらって、以前の取引先さんに見てもらって相談したら「いけるんじゃない?」と。かなり良い反応をもらいまして、ならば進めてみようということになりました。

offima サードウェーブソリューションズ XR部 室谷将之課長。Offimaの機能やその具体的なメリットなど丁寧に教えていただいた。購入した洗濯機が入らなかった経験がOffimaのきっかけになったという

リアルタイムレイトレーシングで光の反射を再現

――Offimaにはどんな機能があるのでしょうか?

室谷氏 3Dでオフィスの間取りを再現できて、床や壁の色、素材を変えることができます。Offima CADというソフトも付属しており、そこで書いたCADの間取り図面をOffimaに取り込んで3D化、Offimaでレイアウトしたものを図面へ返すといった連携もできます。

 その他にも、レイアウトした空間をVR観覧鑑賞で確認したり、パース図出力や配置した家具類の見積もり出力をしたりといったことまで可能です。

offima パース図をリアルタイムで作成できるのがOffimaの特徴の1つ

――その中でも、特筆できる機能としてはどんなものがありますか?

江幡氏 光の反射の再現ができるというのが、一番大きいのではないかと思います。内装工事屋さんに伺いますと、追加工事で一番多いのが照明関係で、季節や陽光の角度、壁や床の色によって変わってきたりもしますし、照度計と人間の感じ方のギャップというのもあるようです。実際、我々のオフィスでも後になって「暗い」ということでスポットライトを足している会議室がいくつかあります。

――光の反射というのはいわゆるレイトレーシングですよね

室谷氏 そうです。本来、こうした光の反射を反映したグラフィックスのレンダリングには非常に時間がかかり、ちょっと配置を変えただけでまたやり直して2〜3時間と待つといったことになってしまうのですが、Unreal Engineと当社が用意したハイスペックPCの組み合わせにより、ほぼリアルタイムでできるというのもポイントです。

――照明だけでなく日照のシミュレートもできるのですか?

室谷氏 もちろんです。朝晩の違いだけでなく、季節の違いによる太陽の高さの違いなどにも対応しています。地形データを入れることで、高層ビルなど回りの建物による採光への影響も調査することが可能です。

offima リアルな表現が可能なUnreal Engineを使うことで、より現実に近いイメージ図を表現可能だ

――競合で同様の機能をもったソフトは、これまでにありますか?

室谷氏 大きなくくりで見るといくつかありますが、我々のリサーチした範囲内では、リアルなグラフィックスなものは図面的な部分が弱く、図面的にしっかりしたものはグラフィックスが弱いといったような印象を受けました。ですので、我々はその両立を目指しました。リアルタイムレイトレーシングによる光の再現もそうですが、イメージしやすいよう、質感などの表現もこだわっているところです。

――家具についてはどうでしょう?

江幡氏 オフィス家具大手のオカムラさんにご協力いただきまして、標準でデータを登録させていただいています。オカムラさんの商品でしたら正確な寸法とリアルなグラフィックスで衝突判定などをシミュレーションでき、見積もりも実際の金額で出せます。他にも、GALLERIAシリーズのPCなども標準で登録しています。アイテムの金額はカスタムできますので、標準価格がない商品でも任意に指定した金額でサッと計算できます。

offima 実際に導入しないと分かりづらい、アイテム同士の衝突判定も細かくシミュレーションできる
offima パース図のデータから詳細な見積もりデータも一発で作成してくれる

――標準で登録されていない製品はどうなのでしょうか?

室谷氏 登録されていないアイテムでも、こちらで作成してOffimaで使うことができます。その場合、BIMや3D DXF、FBXなどのデータと、色合いや質感などを再現するためにカタログをご提供していただいています。もしBIMなどのデータがない場合でも、アイテムの写真を6方向から撮影していただければデータの作成が可能です。

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提供:株式会社サードウェーブ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2020年3月1日