Intelは3月30日、モバイル(ノートPC)向け独立GPU「Intel Arc Aシリーズ」を発表した。エントリークラス製品を皮切りとして、搭載するノートPCは4月から順次登場する予定だ。
Arc Aシリーズは、Intelが提唱するGPUアーキテクチャ「Xe(エックスイー)」の一角をなすゲーミング向けアーキテクチャ「Xe-HPG」(開発コード名:Alchemist)をベースに作られたモバイル向けGPUだ。プロセスルールは6nmを採用している。
Xe-HPGアーキテクチャでは、GPUとしての処理性能を「レンダースライス」と呼ばれる処理ユニットの数で調整している。レンダースライス1基に搭載される主な要素は以下の通りだ。
Xe-Coreには16基のベクトルエンジン(XVE)、16基のマトリックスエンジン(XMX)、L1キャッシュメモリなどが搭載されている。ベクトルエンジンは1基当たり256bit、マトリックスエンジンは1基当たり1024bitの演算に対応する。
Xe-HPGアーキテクチャでは、レンダースライスとは別に「メディアエンジン」も搭載している。このメディアエンジンは、以下のコーデックのデコード(最大8K/60fps、12bitカラー、HDR)とエンコード(最大8K、10bitカラー、HDR)をサポートしている。中でもAV1のハードウェアエンコードサポートは業界初対応だという。
映像出力(パイプ)は最大4つで、うち1つは低消費電力に最適化されているという。物理的にはHDMI 2.0b出力とDisplay Port 1.4a/2.0(10Gbps)に対応している。表示同期機能(アダプティブシンク、スピードシンク、スムースシンク)にも対応する。
グラフィックスメモリはGDDR6規格に対応している。Arc 3 Graphics(ACM-G11)は96bit、Arc 5 GraphicsとArc 7 Graphics(ACM-G10)は256bitとなる。接続バスはPCI Express 4.0で、Arc 3 Graphicsは8レーン、Arc 5 GraphicsとArc 7 Graphicsは16レーンでの接続に対応する
Arc Aシリーズは、第11/12世代Coreプロセッサと協調動作する「Intel Deep Link Technology」に対応している。主な仕様は「Iris Xe MAX Graphics」におけるDeep Linkと同様で、以下の機能を利用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.