K70 RGB TKLも、K60 PRO TKLと同じくフルサイズキーボードからテンキー部分を取り除いたテンキーレスキーボードである。ただし、こちらはプロゲーマーのニーズに応えるスペックを満たす「CHANPION SERIES(チャンピオンシリーズ)」に属している。
本体サイズは約360(幅)×164(奥行き)×40(高さ)mmで、重量は約900gとなる。カラーはブラックのみで、US配列と日本語配列が用意されている。先述の通り、キースイッチは3種類から好みに応じて選べる。税込みの実売価格は1万9000円前後だ。
今回は日本語配列で、Cherry MX スピードシルバースイッチ(いわゆる「銀軸」)を搭載するモデルをチェックしていく。
パッと見では、先に紹介したK60 PRO TKLと同じキー配列で、かな印字がないことも同様……なのだが、よくよく見てみると、ファンクションキーの段と文字キーの最上段との間隔が少し狭められている。タイトルにもよるが、ゲームでは意外とファンクションキーを使う機会も多い。間隔を狭めることで、ファンクションキーへのアクセスを素早く行えるのだ。
裏面には滑り止めのラバーとチルトスタンドを備えている。ラバーは四隅にあり、激しい動きでもキーボードがブレないように固定してくれる。プロゲーマーの利用も想定していることもあって、ラバーはかなり面積が大きい。
約900gの自重と合わせて、激しい動きにもブレずにいられることは心強い。
加えて、K70 RGB TKLには「メディアキー」と「ボリュームホイール」も備えている。地味かもしれないが、メディアと音量のコントロールをキーボードから“手を離さず”に行うことには一定のニーズがある。Fnキーとの組み合わせでこれらを実装しているキーボードもあるが、単一のキー(あるいはボリューム)で操作できるに超したことはない。
ボリュームホイールの左側には、スピーカーのミュートボタンも並んでいる。ワンタッチでミュートできるのは、PCを使ってライブ配信する際はもちろん、ビデオ(Web)会議に参加する際の不用意な音の混入抑止の観点からも役立つだろう。
背面には「トーナメントスイッチ」を備えている。その名の通り、このスイッチはオンラインゲームのトーナメント(選手権大会)のために設けられており、オンにすると一般的なトーナメントで求められる「キーボードマクロの無効化」と、集中力を高めるための「RGBライトの単色化」を一括して設定可能だ。
このスイッチには、跳ね上げ式のロックカバーも用意されており、不用意に触れてしまったりしても、スイッチがオフに戻ることも防げる。地味かもしれないが、プロゲーマーなら「これは欲しい」と思えるスイッチなのである。
キートップは、K60 PRO TKLと同様にPBT素材のダブルショットとなっている。ブラックカラーであるK67 PRO TKLの場合、この素材は汗や皮脂の汚れが目立ちにくいというメリットもある。
さらに、K70 PRO TKLには、FPSゲームやMOBA(マルチプレイオンラインバトルアリーナ)ゲーム向けに最適化された特殊形状のキーが10個付属している。他のキーと明確に異なる形状なので、キーの「誤爆」を防ぐ上で非常に役立つ。
K70 PRO TKLは、キースイッチとして「CORSAIR OPXスイッチ」「Cherry MX Redスイッチ」「Cherry MX Speed Silverスイッチ」の3種類から選べる。
今回は「銀軸」とも呼ばれるCherry Speed Silverスイッチを搭載するモデルをレビューしている。銀軸は押し下げた際にクリック感のない「リニアスイッチ」で、主なスペックは以下の通りとなる。
Cherry MXシリーズで標準とされるRedスイッチ(赤軸)と比べると、キーストロークは約0.6mm、アクチュエーションポイントは約0.8mm短い。そのため、物理式のメカニカルスイッチとしては高速な入力を実現している。ストローク耐久性も約1億回となっているので、長期の使用でも安心だ。
ちなみに、このK70 PRO TKLもポーリングレートを最大8000Hzまで引き上げられる。より高速なキーレスポンスを実現したい場合は、iCUEで設定すると良いだろう(設定に当たっての注意点はK60 PRO TKLと同様)。
肝心の打ち心地だが、タイプ音はK60 PRO TKLより小さい。とはいえ、耳をそばだてなくても聞こえるレベルの大きさではある。底打ち時は「キーン」という金属が響くような音も鳴る。タイプ音を静かにしたい場合は、Cherry MX Redスイッチを搭載するモデルを検討すると良いだろう。
K70 RGB TKLも、CORSAIR iCUEでのカスタマイズに対応している。設定できる項目はK60 RGB TKLと同様だが、メディアキーやボリュームホイールも設定対象に含まれている。
プロゲーマーの意見を取り入れただけあって、K70 RGB TKLは非常にハイスペックかつ使いやすいキーボードに仕上がっている。
iCUEでは、メディアキーやボリュームホイールも(ハードウェア)キー割り当てやマクロ設定の対象に含まれるので、うまく設定すれば動画/音楽編集アプリでの作業効率も飛躍的に向上する。個人的には、ボリュームホイールにはものすごく“グッと”来ている。
設定を極めることでまさに自分仕様のキーボードにできるだけでなく、これらのカスタマイズを一発で無効化できる「トーナメントスイッチ」というユニークな機能にも注目したい。
高速な応答を実現し、さまざまなカスタマイズも可能なK70 RGB TKLは、FPS/MOBAゲーマーだけでなく、MMORPGプレーヤーや動画/音楽編集をするクリエイターなど、幅広いユーザーにお勧めしたい。
K60 PRO TKLとK70 RGB TKLは、どちらも高品質なゲーミングキーボードで基本的なスペックは共通している。「どっちがいいの?」と迷う人もいるだろう。
まず、K60 PRO TKLは以下のようなユーザーにお勧めしたい。
一方で、K70 PRO TKLは以下のようなユーザーにお勧めする。
自分のニーズや好みに合わせて、ピッタリなモデルを選ぶようにしたい。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2023年6月14日