PCを買うときに、どんなポイントに注目して製品を選んでいますか? 持ち運びに優れたノートPC? あるいはタブレットとしても使える2in1 PC? それとも拡張性や処理性能に優れたデスクトップPCでしょうか。
世の中にはいろいろな形のPCがあり、自分の用途や好みに合わせて製品を選ぶことができます。日本マイクロソフトの「Surface」シリーズも、当初は2in1 PCの製品としてリリースされましたが、今ではクラムシェルタイプのノートPCや、据え置きのオールインワンなど、豊富なバリエーションが用意されています。
PCを選ぶとき、形やスタイルと同じぐらい重要なのがスペックです。PCにはCPUやメモリ、ストレージなど、使い勝手や処理に直接関係してくる部品が備わっており、PCを使ってやりたいことや予算に合わせて選びます。
今回は、この中でも特に「メモリ」の重要性について紹介しましょう。メモリはCPUが処理しようとしている(すぐ使う)データを一時的に保存する役割を担っている部品です。
よく「メモリ容量の大きさは、作業机の広さ」と例えられますが、まさにこれは言い得て妙で、メモリの容量(机の広さ)が大きいほど、さまざまなアプリケーションを同時に開いてマルチタスクに使ったり、大きなスペースを使いたがる高性能なアプリを快適に動かしたりできるといえます。
例えば、世代を重ねて改良された使い勝手や豊富なカラーバリエーションが魅力の2in1 PC「Surface Pro 9」では、ラインアップとして8GBモデルと16GBモデルが用意されています。現在、店頭やECで販売されている主流のPCの多くも同様ではないでしょうか。
価格差もある中で、お手頃な8GBモデルにするか、上位の16GBモデルを選ぶべきか、迷う人もいるでしょう。確かにPCのスペックは高いことに越したことはありませんが、決して8GBモデルの使い勝手が明らかに劣るということはありません。今のOSは賢く設計されており、搭載するメモリの容量に合わせて、適切な動作をするように設計されているからです。
一般的にメモリを多く搭載した製品を選んだ方がいいケースとして、「画像・動画編集」や「ゲーム」「多くのアプリを同時に起動する」といった用途が挙げられます。メモリを多く必要とするアプリの利用を想定しているなら、16GBモデルを選ぶと快適に使えます。
一方で、WebブラウジングやOffice アプリ(ExcelやWord、PowerPointなど)などの一般的なアプリを単独で使うのであれば、8GBモデルでも十分に使うことができるでしょう。
しかし「今すぐ必要な用途が思い浮かばなかったとしても、16GBモデルの購入を強く推したい!」理由があります。
数年前を振り返ってみましょう。コロナ禍でPCの使い方は一気に変化しました。オンラインの会議や授業が当たり前となり、公私を問わず画面を通じて人とコミュニケーションする機会が大きく増えました。さらにビデオ通話をしながら他のアプリを開いて画面共有をしたり、オンラインを通じていろいろな作業をしたりするようにもなりました。
すると今まで問題なく使えていたPCの動きが急に重くなったり、不安定になったりして困ったという人は少なくないはずです。時代の変化によって、PCに求められる性能も一気に変わったということを表した出来事でした。
他にも、自分のPCを初めて手にする機会となることが多い学生は、購入したPCを大学生活の4年間を通して使い続けたいと考えるのが自然です。
しかし、PCはユーザーの可能性を広げるクリエイティブな製品です。伸びしろしかない学生生活を送る中で、新たな趣味を見つけたり、もっとアクティブにPCを使う事が増えることでしょう。
──つまり、現時点で必要十分だと思っていた性能が、近い将来に不十分となってしまう場合もあるのです。PCの性能に余裕があれば、そういった用途の変化に対応しやすくなり、PCを長く快適に使いやすくなります。
その性能の“余裕”こそが、16GBモデルにはあるといっても過言ではありません。では8GBモデルと比べて、実際にどのような差があるのでしょうか。
今回はSurface Pro 9の8GBモデル(第12世代 Intel Core i5/256GB SSD)と16GBモデル(第12世代 Intel Core i7/256GB SSD)の計2台を用意して、メモリの使われ方がどのように違うのか、アプリなどを複数起動して確認してみましょう。
検証内容
- 工場出荷状態からセットアップした直後の8GBモデルと16GBモデルにて、複数のアプリを起動した際のメモリ使用状況を比較する。
- 検証に使用したアプリ(起動順)
- Office アプリ(Excel、Word、PowerPoint)
- 動画再生「メディア プレーヤー」
- オンライン会議「Microsoft Teams」
- 動画編集「Microsoft Clipchamp」
- ゲーム「Minecraft」
- イラスト&マンガ制作「MediBang Paint Pro」
- Webブラウザ「Microsoft Edge」
以下はWindows 11をセットアップ直後のメモリ8GBモデルでタスクマネージャーを開いた状態です。メモリの項目を確認してみると、有効な7.8GBのうち、4.4GB(56%)が既に使われている状態です。
一方で、同様にメモリ16GBモデルを確認すると、有効な15.8GBのうち、4.6GB(29%)が使われています。
注目していただきたいのは、赤枠で示した中にあるカッコ内のメモリ使用率です。8GBモデルが既に6割近くを利用しているのに対し、16GBモデルは3割程度に収まっています。
さてここから実際にさまざまなアプリをインストール、実行してからメモリ使用率の変化を確認していきます。まずは手始めにOffice アプリのExcel、Word、PowerPointを起動したところ、8GBモデルはメモリ使用率が7割を超えました。16GBモデルは4割程度になっています。
続けてWindows 11に搭載されたメディアプレーヤーを使って4K動画をループ再生してみます。8GBモデルはメモリ使用率が8割を超えました。16GBモデルは5割未満を保っています。
ここからはさらに負荷を高めていきます。Microsoft Teamsでオンライン会議の利用を想定したビデオ通話を開始しつつ、動画編集ソフトのMicrosoft Clipchampでタイムライン上に4K動画を読み込ませます。
8GBモデルはメモリ使用率がついに9割を超えました。16GBモデルはまだ6割を超えたところで余裕があります。
続いてゲームのMinecraftと、イラスト&マンガ制作アプリのMediBang Paint Proを起動し、さらにMicrosoft Edge ブラウザでタブを10枚開いてみます。するとどうでしょうか。8GBモデルはメモリ使用率が先ほどと同じ9割超えのままで、16GBモデルはやっと8割を超えてきました。
一気に重そうなアプリを開いたにもかかわらず、8GBモデルはメモリ使用率が頭打ちしているように見えます。ここで注目してほしいのは、緑枠で囲った「コミット済み」と書かれた項目です。
Windowsは搭載された物理メモリが足りなくなることを見越して、ストレージ(SSDやHDD)の空き容量をメモリ(ページファイルまたはページングファイル)として使えるように確保しておく機能があります。
このページファイルと、搭載している物理メモリが合わさったものを「仮想メモリ」(物理メモリ+ページファイル)と呼びます。
コミット済みと書かれたところにある数字は「使用中の仮想メモリ量/確保している仮想メモリの最大値」を表しています。つまり、使用している仮想メモリ量から赤枠に表示された物理メモリ量を引くと、ページファイル量が割り出せます。
以上を踏まえ、先ほどのタスクマネージャーを再確認してみると、8GBモデルは約7GB分をページファイルで補っており、物理メモリは228MBしか余っていません。一方で、16GBモデルは約2.5GB分をページファイルで補いつつ(※)、物理メモリは3.2GB分も余裕があります。※物理メモリに空きがあっても、ページファイルは多少確保されます
メモリが不足すると、アプリが停止したりフリーズしたりする原因になってしまいます。8GBモデルはページファイルをうまく活用して安定動作するように努めていますが、物理メモリに比べて読み書きする速度がどうしても劣るストレージにアクセスする必要が増えてしまうため、読み込みの待ち時間が増えたり、動作に引っ掛かりを感じたりする場面が増えてしまいます。
特に違いが顕著に出るのは、画像編集アプリや動画編集アプリのような、大きなサイズのファイルを読み込むアプリです。クリエイティブ系の作業を行う機会が多いのであれば、16GBモデルがさらに有利です。
もう1つ、分かりやすい違いがありました。Microsoft Edge ブラウザには一定時間使われていないタブをスリープ状態にする「スリープタブ」というメモリ(リソース)節約機能がついています。メモリの使用状況によってスリープタブが有効になる時間は異なりますが、同じ環境と時間で8GBモデルは10個のうち8個のタブがスリープ(タブがグレーアウト)したのに対し、16GBモデルは1個だけがスリープに入るという差が出ました。
16GBモデルはメモリに余裕があるため、節約せずに済んでいるという状況です。こういった細かなところでも、16GBモデルの“余裕”が現れてきます。
今回の検証にも使ったSurface Pro 9を始めとする日本マイクロソフトのSurfaceシリーズは、PCの製品カテゴリーの中でも、本体の高い質感や世界観が統一された充実のアクセサリなど、使う喜びを感じられるような体験を重視したプレミアムな製品に仕上がっています。箱を開けた瞬間からわくわくするような感覚を得られます。
最新OSのWindows 11との相性もバッチリです。Surafceシリーズはタッチパネルを使った快適なタッチ操作に対応しているのはもちろんのこと、ペン入力もサポートしています。Surface Pro 9ならペンを使った入力もバッチリです。
例えばこんな活用方法が考えられます。オンライン会議でPowerPointの資料を画面共有しているとき、ペンを使って資料に直接文字を書き込めます。相手に注目してほしいポイントや、ディスカッションで生まれたアイデアなどを気軽にメモできるので、より伝わりやすいコミュニケーションが実現します。
さらにSurfaceシリーズには、画面に触れた手を認識せずにペンの書き込みだけを入力するパームリジェクション機能が搭載されています。上の写真のような場面でもしっかりと書き込める実用性を備えています。
多彩な使い方ができるSurfaceシリーズだからこそ、スペックに余裕があるモデルを選んで少しでも長く快適に使うことをおすすめします。
生活を便利にする相棒として、今後もPCは欠かせない製品です。しかし、最近はさまざまな要因によって製品の価格が上昇していることも周知の事実です。また、製品によって価格は大幅に変わってきます。
とはいえ、高価な買い物であることに変わりないPC──だからこそ妥協のない、想定より一歩先の製品選びは、結果的にPCをストレスなく快適に長く使用できることに繋がります。
PCの購入を検討するのであれば、ぜひ細かなスペックについても考えてみてはいかがでしょうか。余裕がある16GBモデルなら、その価格に見合った期待に応えてくれます。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2023年9月19日