これが自作PCの未来か ケーブル1本でPCパーツを制御できるCorsair「iCUE LINK」を試す(2/3 ページ)

» 2023年12月06日 10時00分 公開
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ホントにラク? キレイ? iCUE LINKデバイスを実際に組んで検証

 今回は実際にiCUE LINKを組み込んで、本当にかんたんキレイに仕上がるのか確かめてみた。使用した機材は以下の通り。ホワイトのiCUE LINK対応デバイスに合わせ、ホワイトのパーツを中心に組んでみた。

【使用機材】

部品 型番
CPU Intel Core i9-14900K
マザーボード ASUSTeK ROG MAXIMUS Z790 FORMULA(Intel Z790)
メモリ Corsair DOMINATOR PLATINUM RGB(DDR5-5600、16GB×2枚、CMT32GX5M2B5600C36W)
ストレージ Corsair MP600 PRO LPX White PCIe Gen4 x4 NVMe M.2 SSD 1TB
グラフィックスカード ASUS Dual GeForce RTX™ 4070 White OC Edition 12GB GDDR6X
電源 Corsair RM850x Shift(850W、80PLUS Gold)
ケース Corsair 4000D Airflow Tempered Glass White(E-ATX対応、ミドルタワー)
ケースファン Corsair iCUE LINK システムハブ付き iCUE LINK QX120 RGB 120mm PWM PC ファン スターターキット(12cm角×3)
CPUクーラー Corsair iCUE LINK H150i RGB(36cmラジエーター)

CPU

photo Intel最新のCoreプロセッサ(第14世代)で、フラグシップとなる「Core i9-14900K」。Pコア8基、Eコア16基の計24コア32スレッドで、ターボブースト時の最大周波数は6GHzといったスペック。当然、パフォーマンスを引き出すには高性能CPUクーラーやケース内では適切なエアフローが必要だ

マザーボード

photo 最新のCoreプロセッサ(第14世代)に合わせたIntel Z790リフレッシュモデルで、フラグシップといえるASUS JAPANの「ROG MAXIMUS」。非常に重厚な作りで、空冷/本格水冷対応のハイブリッドなVRMヒートシンクを採用している

メモリ

photo Corsairメモリの中でもハイエンドに位置する「DOMINATOR PLATINUM」。今回はCore i9-14900Kがサポートする上限のDDR5-5600対応、容量はスタンダードな16GB×2枚とした。ヒートスプレッダ上部の12ゾーンLEDであでやかな演出を実現する。

ストレージ(SSD)

photo CorsairはSSDでも常に最新規格、高速モデルを展開している。今回の製品はPCI Express Gen 4 x4接続対応のヒートシンク付きモデルでPS5対応かつもちろんPCでも利用できる。ホワイトヒートシンクは意外とめずらしい

グラフィックスカード

photo GeForce RTX 4070を搭載しつつ、OCモデルでありホワイトモデルでもある。高いパフォーマンスをコンパクトなサイズに収めたバランスの良い製品だ。なお、後述のケースが最大360mm対応に対し、本製品のカード長は267mm。

電源ユニット

photo 定格850Wで、フルプラグイン方式を採用した電源ユニット「RM850x SHIFT」。そのプラグインコネクターを側面にもってきたのが特徴だ。電源搭載スペースが狭い場合、電源を装着した後にケーブルを接続する場合でもラクに済む。変換効率では80PLUS Gold認証を取得している

PCケース

photo Corsair 4000シリーズのエアフロー強化&左側板に強化ガラスを用いたモデルとなる「4000D AIRFLOW」搭載可能ファンは前面12cm角×3または14cm角×2、上面12cm角または14cm角×2、背面12cm角×1で、12cm角の場合は最大6基搭載可能だ

iCUE LINKによって、確かに組み立てはラクになる

 今回試用したケース「4000D AIRFLOW」はミドルタワーだが、上位の5000Dシリーズと比べると奥行きが短い。ファンの搭載数は最大6基で、このサイズでは標準的だが36cmクラスのラジエーターを搭載できるのは前面のみだ。

 iCUE LINK H150i RGBを前面に、iCUE LINK システムハブ付き iCUE LINK QX120 RGB 120mm PWM PC ファン スターターキットの3基のファンは、上面2基、背面1基といったレイアウトを採用した。4000D AIRFLOWには標準で前面1基、背面1基の12cm角ファンを搭載しているが、これは置き換える形になる。

 背面ファン1基と上面ファン2基については、付属する2本のiCUE LINKケーブルのうち短い135mmのケーブル(両端90度アングル)で接続した。やや固めのケーブルなので角の部分にうまく沿い、側面からはほとんど露出しなかった。そして、上面ファンの反対側の端にあるiCUE LINKポートにもう一つの600mmケーブル(片側90度アングル)を接続し、ケースのケーブルホールから裏面に引き込み、iCUE LINK システムハブと接続した。

photo 背面ファンと上面ファンを135mm iCUE LINKケーブルで接続した。少し固めのケーブルがうまいこと角に沿ってくれる(垂れ下がらない)

 簡易水冷CPUクーラーの「iCUE LINK H150i RGB」は、4000D AIRFLOWと組み合わせる場合、多少手間がかかる。本旨とは関係ない、かつ一つは36cmクラスの簡易水冷全般にいえることだが少しだけ触れておこう。

 まずiCUE LINK H150i RGBは標準でラジエーターにファンが搭載された形で出荷される製品だ。標準では排気方向に装着されているので、例えば上面に装着する場合はそのまま、ファンを装着する手間なく搭載できる。ただ、今回は前面に置いて吸気として利用したいので、ファンを装着し直している。

 次に、iCUE LINK H150i RGBの前面部は36cmクラスの簡易水冷CPUクーラーに対応しているのだが、装着手順がある。36cmクラスの簡易水冷CPUクーラーを装着する場合、まず電源カバー部に装着されている小さなパネルを外す。前面パネルと電源カバーの間のスペースが広がるので、ラジエーターとファンを搭載可能になる仕組みだ。そしてここが肝心だが、「ラジエーターにファンを搭載した状態では組み込めないことがある」。ただ、ここで説明する手順で行えば装着できるようになる。

photo パネルを外してラジエーター+ファン分のスペースを作る仕組みだが、このスペースはけっこうキツキツだ。組み込みの順番を守らないと入らないので気をつけよう

 4000D AIRFLOWにiCUE LINK H150i RGBを組み込む場合、あらかじめ3.5インチシャドーベイをケージごと取り外しておく。ケージは後部側のネジを外し、前方にスライドさせることで取り外し可能だ。続いてファンを装着していない状態のラジエーターを前面パネルに装着、固定する。ファンを外した状態ならば、先ほど作ったスペースで問題なく挿し込める。

 この状態からファンを挿し込み、固定して完成だ。参考までにiCUE LINK H150i RGBのラジエーターは長さ397mm、厚み27mmなので、特に大きすぎたり厚すぎたりはしない標準的なサイズである。

 上位の5000Dシリーズは電源カバーがもう少し大きく取り外せる仕様かつ、上面も36cmクラス対応なので苦労しないと思われる。コンパクトな4000D AIRFLOWで組みたいという方向けのTipsだ。多少めんどうだが、組み上がってしまえばiCUE LINK H150i RGBと電源カバーの間のスペースも最小の1cmほどで、これにより一体感が生まれて美しく見える。

 さて、iCUE LINK H150i RGBのiCUE LINKケーブルの配線について説明しよう。iCUE LINK H150i RGBのラジエーター上端(フィッティングがある側)には、iCUE LINKポート×2とUSB Type-Cポート(このポートは将来出る製品のためのようだ)がある。

 iCUE LINKポートのうち1つはiCUE LINK システムハブや、他にiCUE LINKデバイスがある場合に使うアップリンクポートだ。今回は600mmケーブルを用いてiCUE LINK システムハブに接続した。もう1ポートはラジエーター上のファンに接続する。

photo ラジエーター上の2つあるiCUE LINKポートは、1つがアップ、もう1つはファン側へのダウンポートとして使う

 この際、ファンの向き(吸気排気の向きではなく180度、360度の向き)に注意したい。向きによってはフィッティングによってポートが隠れてしまうからだ。

 スターターキットのiCUE LINK QX120 RGB 120mm PWM PC ファンのフレームをよく見てほしい。片側が接点のあるポート、もう片側はただのダミーである。ファンを連結した状態でも、その時のポートが右にあるなら末端まで右側にポートが並ぶ。左だったら末端まで左側がポートになる。ラジエーターにファンを当ててみた時、フィッティングによってポートが隠れてしまうようなら、ファンの向きを180度回転すれば、先ほどまで右にあったポートが左に来るので問題なく接続可能になる。

photo
photo 上記の2枚の写真にあるように、端子としてはジグザグではなくストレートだ。ここを頭に入れておくとよい

 多少、手順説明が入ったが、一つは4000D AIRFLOW固有の作法、もう一つは製品をよく見れば気付くことだ。今回の作例の4000D AIRFLOW+iCUE LINK H150i RGBという組み合わせを気に入ったとして、もし万が一、行き詰まった時は本稿を思い出していただければ幸いだ。

iCUE LINKで左側面からの見た目がUP 裏面配線もスッキリ

 ケース左側から見た際の見え方、右側の裏面配線の見栄えも写真でご覧いただこう。左側板側から見た内部の様子はかなりスッキリしている。ほぼ真横、水平状態での写真なので、背面、上面ファンを接続するiCUE LINKケーブルも若干見えるが、本当に若干だ。これがPWMケーブル、ARGB LEDケーブルの2本だったら、例えホワイトケーブルでももう少し目立ってしまったはずだ。

photo ファンやCPUクーラーの配線はほぼ露出なしのため、非常にスッキリとしている

 iCUE LINK H150i RGB側も、配線ケーブルはほとんど見えていない。チラッと見える白いヒラヒラは紙タグで、実際に購入した方は取り外して構わないものだ。むしろその上の黒いフロント端子用ケーブルの方が目立っているだろう。

 そしてiCUE LINK H150i RGBについてはもう一つ“推し”がある。水冷ヘッド部分をよく見ていただきたい。通常ならポンプ用の電源ケーブルやARGB LED用ケーブルがあるのだが、iCUE LINK H150i RGBはチューブを通じてラジエーター側に通しているため、この部分にケーブルがなくとてもスッキリしている。

photo 水冷ヘッド周辺もスッキリ

 右側板側、裏面配線スペースは下の写真の通りだ。通常のファンやLEDで用いられるフラットとはいえ、曲がりグセの付きやすい、バラけやすいケーブルと比べればスッキリ配線できているように感じる。

photo もしケーブルの配線を考慮しないと、気付けばこんな有様に……(写真はイメージ)
photo iCUE LINKを活用すれば配線すっきり。今回の場合でも左右から計2本をiCUE LINK システムハブに挿し込むだけ。まとめやすさは通常のファンと比べものにならない。電源、USBの配線も必要ではあるが、一般的なハブを用いる場合は同様であるし手間はない

 先の通り、今回は背面+上面ファン、iCUE LINK H150i RGBで2系統に分けて配線した。iCUE LINK システムハブをどこに装着するかで悩んだが、比較的広い面積があるのは2.5インチシャドーベイ(1基取り外す必要がある)部分か、前方のフレーム部分、あるいは3.5インチシャドーベイケージを外した場合はそこになると思われる。今回は外すということを避け、製品標準に近い場所として前方フレーム部に装着してみた。

 ハブの向きに制約が生じたのでCorsairロゴが左を向いているが、そこは大目に見ていただきたい。いくつかフレームに穴があるのでそこにケーブルタイを通してケーブルをまとめられ、折返しがあるのでケーブルをうまく収納できている。

 一応、気づいた点を挙げておくと、iCUE LINK システムハブが電源としてPCI Express 6ピン補助電源端子を用いている点を考慮しておくべきと感じた。

 PCI Express 6/8ピンの数は組み合わせる電源次第で決まる。今回のRM850x Shiftの場合、プラグインコネクターはCPU(EPS12V)とPCI Express 6/8ピン共有で5ポート、そのうちCPUが2ポートを使用し、仮にグラフィックスカードを搭載するとさらに2ポート、残り1ポートをiCUE LINK システムハブで使用するイメージだ。

 しかし、実はマザーボードのROG MAXIMUS Z790 FORMULA上には、グラフィックスカードをより安定動作させるためのPCI Express 8ピン端子が備わっている。ハイエンドマザーボードでよく見られるものだ。仮にこれを接続するとなると、RM850x Shiftの5ポートでは足りなくなる。仮に同様の状況になった際は、「SATA(ペリフェラル)→PCI Express 6ピン変換ケーブル」などを利用するのがいいだろう。

 消費電力が大きいグラフィックスカード用にこうした変換ケーブルを利用するのはリスキーだが、iCUE LINK システムハブはポンプや最大でも14基のファンとLEDを制御する程度なので電力的なリスクはないはずだ。

 もう一つ、ケースにファンを固定する際、連結した全体の対角2箇所を止めるだけで位置決めができて簡単だった。一つ一つを装着していくと、仮止めだけで6箇所あるというだけで手間だし、本締め時にわずかなゆがみが生じた際、そこが気になってまた矯正の手間がかかることもある。ここも連結できるファンが「よかった」と感じた点だ。

photo 2つのファンがカチッと組み合わさるため、対角2箇所を止めてしまえばファンの位置決めができる。ここもiCUE LINKのラクなところ

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提供:Corsair Inc.
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2023年12月14日