“省スペース×外部GPUパワー”の新世代スタンダード、エプソンダイレクトの「Endeavor SG150」を徹底検証する

ビジネス用途のデスクトップPCでニーズが高まる省スペース、省エネと高性能の両軸を追求した最新モデル「Endeavor SG150」を徹底検証する。過去モデルから何が進化した?

» 2024年03月12日 10時00分 公開
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 エプソンダイレクトから省スペースな高性能デスクトップPC「Endeavor SG150」が登場した。近年、ビジネス用途のデスクトップPCでニーズが高まる省スペース、省エネと高性能の両軸を追求した最新モデルで、「Endeavor SG100E」の後継モデルでもある。

 約2.8Lサイズの縦置きボディーは、一般的なミドルタワーの25〜30Lサイズと比べて事務机の上でも専有面積が小さい。それでいてグラフィックスボード(GPU)を搭載しているという拡張性も備えているのが強みだ。

photo 省スペース、省エネと高性能の両軸を追求した最新モデル「Endeavor SG150」

拡張ユニットによって製造業からクリエイティブまで広いニーズに対応

 Endeavor SG150のボディーは約2.8Lサイズだが、リットル(体積)単位は分かりづらいのでミリ単位で記載すると約74(幅)×207(奥行き)×177(高さ)mm(スタンドを除く)となる。

 奥行きと高さは成人男性がじゃんけんのパーをした時の親指の先から中指の先くらいで、幅は中指の指先から付け根までくらいと捉えればよい。「NUC」と呼ばれるミニPCよりは大きいが、それでもスリムタワーより一回り小さいサイズに収まっている。

photo フルサイズのキーボードやマウスと比較すると、そのサイズ感が分かるはずだ

 では、ミニPCより少しだけ大きいEndeavor SG150が持つアドバンテージとは何か。それは「拡張ユニットを搭載できる」点だ。

 スロット仕様は標準がPCI Express 3.0 x16となっている。搭載できるのは厚みが2スロット以内、幅がロープロファイル規格、長さが17cm以内とはなるが、GPUも搭載できることになる。標準ではGeForce GT 1030、GTX 1650、Radeon RX 6400といった一般向けGPU、NVIDIA T400/T1000/A2000といったプロフェッショナル向けGPUを選択できる。さらにシリアルポートやLANポート(計2ポート)の増設・拡張オプションも用意されている。

 グラフィックスボードが搭載できることで、NUCサイズのミニPCよりも幅広いニーズに対応できることになる。ビジネス用途で外付けGPUクラスの性能が必要となる場面といえば、まず思い当たるのが映像などを扱うクリエイティブ分野だろう。

 実際にこれまでのエプソンダイレクト製品では、プロジェクションマッピングなどサイネージや空間演出のための制御端末で採用例がある。

 そして製造業では「CAD」「CAM」「BIM」といった設計開発やカメラ映像を用いたライン監視、医療ではレントゲン画像の管理、教育現場ではデータ分析やプログラミングなど高負荷な作業を伴う授業など、さまざまな用途での採用例が多い。エプソンダイレクトが追求する製品品質によって、長期間にわたり安定稼働できるという信頼性や過去実績も評価されているようだ。

photo さまざまな業種、現場で省スペースPCが活躍している

 さらに今後の成長分野としてGPUのパワーを活用した「AI」が挙げられる。先ほどのライン監視や品質管理に、端末で処理するAI解析(エッジAI)を活用する場面が増えれば、GPUを搭載できる小型PCのニーズはさらに高まるはずだ。

 もちろん、事務机の上に置いて使うビジネスPCとしてのニーズも高いだろう。Endeavor SG100Eで訴求されていたプリントサーバといった用途も引き続きニーズが高いとみられる。

旧モデルからインタフェースを強化、いずれも高速に

 続いて各種インタフェースを確認しよう。本体の前面にはUSB Type-C(10Gbps)×2基、USB Type-A(10Gbps)×1基、USB Type-A(5Gbps)×1基、電源ボタンおよびオーディオ出力を備える。

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 背面には有線LAN(2.5GbE)端子×1基、Thunderbolt™ 4(USB Type-C)×1基、USB Type-A(10Gbps)×1基、USB Type-A(5Gbps)×2基、DisplayPort出力×1基、HDMI出力×1基、ACアダプター用ジャックが備わっている。この他、Wi-Fi 6E(Bluetooth 5.3含む)のオプションも用意されている。

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 特に重要なのは、2.5GbEの有線LANに対応したことだ。現状の一般的なオフィスでは1GbEが主流と思われるが、映像スタジオなどでは2.5GbEの導入も進んでいる。また、40GbpsのThunderbolt™ 4もクリエイティブ分野では必須の高速インタフェースになりつつある。その他、豊富な10Gbps対応のUSBポートは、小型のPCにおける拡張性を補うものとしても利用できる。

 一方で、Endeavor SG100EにあったSDカードスロットは廃止された。あればあったで便利ではあるが、特にビジネス用途では使われるメモリーカードはさまざまで、転送速度などをふまえると外付けリーダーが選ばれる傾向にある。本製品は高速なUSBポートも充実している点からも、SDカードスロット廃止による影響は小さいだろう。

 他には、ACアダプターを利用する点が本体サイズを小さくできた要因となっている。ACアダプターは定格230Wで、MTPが106Wの「Core i9-13900T」を組み合わせた場合や、GPU搭載時にも余裕ある。

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小さくても優れたメンテナンス性 小さくても高性能

 続いてEndeavor SG150の本体内部を確認してみよう。よく知られるところだが、エプソンダイレクト製品の本体はメンテナンス性の高さで知られている。

 本体カバーを止めているのは背面の2本のネジのみ。カバーを開いた内部にはCPU側のトレーと拡張ユニットスペース側のトレーに分かれており、それぞれ3つのネジで固定されている。ドライバーこそ必要だが、メンテナンスを行う際の工数は少なく、それでいて剛性は高い。

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 先に拡張ユニット側のトレーを見ていこう。拡張ユニットのスペースが縦である通り、まずマザーボードのx16スロットからトレー側のライザーを経由して拡張ユニットを挿す格好となる。

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 ストレージはマザーボード上にある2基のM.2スロットのみ。インタフェースはPCI Express 4.0 x4で、容量は256GB、512GB、1TB、2TBが用意されている。

 2枚を搭載する場合はRAID構成も可能だ。そして拡張ユニットにM.2スロット増設カード「DT-120」を取り付けることで最大3基、オプションのPCI Express x8×2枚対応のライザーを介してこのカードを2枚搭載すれば、最大4基といった見かけを大きく上回るストレージスペックも実現できてしまう。

 CPU側のトレーにはファンが2つ並んでおり、CPU上のものはよくあるプロペラファンで排気向き、メモリースロット上のものはシロッコファンで吸気向きに配置されていた。

 吸気で取り込んだ冷えた外気をすぐ横のCPU側へと導くエアフローを生み出している。また、これらファンの上部にはやや大きな、何もないスペースが設けられている。2.5インチSSD/HDDを搭載できそうなくらいのスペースだが、これはファンの吸気を効率的にするための設計のようだ。

 CPUは「Core i9-13900T(24コア32スレッド)」「Core i7-13700T(16コア24スレッド)」「Core i5-13500T(14コア20スレッド)」「Core i3-13100T(4コア8スレッド)」から選択できる。いずれもプロセッサベースパワー(PBP)が35Wの低消費電力モデルだが、24コア32スレッドの「Core i9-13900T」ともなると、強力なマルチスレッド性能を実現できる。

 CPUクーラーはナロータイプのトップフロー型として、スリムPC用クーラーでもよく見られる構造だ。CPU接触面が奪った熱をヒートパイプが上部のヒートシンクに伝えてファンの風で放熱する。違うとすれば、色からして銅製とみられる点と、ファンが排気向きである点くらいだ。

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 メモリースロットはSO-DIMM×2基で、デュアルチャネルにも対応している。DDR5メモリーを採用しているが、Core i7以上はDDR5-5200、Core i5以下はDDR5-4800動作となる。容量は8GB〜64GBで、ユーザーによる増設は不可とされている。

Core i7の高いマルチスレッド性能にGPUの性能をプラス

 それでは今回試用している評価機をベースに、Endeavor SG150の実力を計測してみよう。評価機のCPUはCore i7-13700T、メモリーは32GB、ストレージはPCI Express 4.0 x4接続の1TBモデル×2基、GPUはGeForce GT 1030という構成だ。

 PCMark 10(Extendedテスト)ではOverallが5008ポイント。シナリオ別の内訳はホーム用途のEssentialsが1万1086ポイント、ビジネス用途のProductivityが9927ポイント、クリエイティブ用途のDigital Content Creationが5755ポイント、Gamingが2684ポイントだった。

 GeForce GT 1030はEndeavor SG150に用意されているGPUオプションの中でもっとも安価で、通常は統合GPUを搭載していないCPUと組み合わせて最小限の映像出力機能を提供するものだ。Gamingスコアが示すように、GPU性能はミニマムとなる。

 しかし、CPUの統合GPUのスコアと比較すると、主にProductivityスコアが向上している。GeForce GT 1030というミニマルなオプションを選ぶだけでも、一般オフィス用途での業務効率アップにつながるだろう。

 続いてはCPU性能をCINEBENCH R23で計測した。Core i7-13700Tは16コア24スレッドで、SG150に搭載できる最上位のCPU「Core i9-13900T」の24コア32スレッドには及ばないものの、Multi Coreスコアで1万88ポイントを記録した。

 低消費電力版のCPUとはいえ、コア数が多いのでマルチスレッド性能は高い。クリエイティブ分野で用いられる、マルチスレッド対応のソフトウェアのパフォーマンスを引き上げたいなら、Core i7-13700TやCore i9-13900Tを組み合わせるとよい。また、Single Coreスコアも1892ポイントと高かった。

photo CINEBENCH R23の結果(クリックで拡大)

 そして、Handbrake 1.7.3による「4K H.264 60fps→フルHD H.265 30fps」へのトランスコード時のフレームレートも計測した。Core i7-13700Tはコア数も多くマルチスレッド性能も高いが、CPUやGPUに統合されているハードウェア・エンコーダーを利用することで高速に処理できる(GeForce GT 1030はNVENC非搭載なので注意)。もちろんハードウェア・エンコーダーはそれぞれ画質も異なる。クオリティー重視、速度重視で必要に応じて使い分けるといいだろう。

 なお、今回試したGeForce GT 1030搭載のEndeavor SG150は、デフォルトで統合GPU機能が無効化されており、ビデオカード側のみ利用できる状態だった。おそらく統合GPU側の映像出力端子にHDMIやDisplay Portのケーブルを挿してしまって、せっかくのビデオカード性能を引き出せないといった現場のミスを防ぐ目的だろう。

 現在の状態を確認するには、デバイスマネージャーのディスプレイアダプター欄を見ると分かりやすい。そこにビデオカード名(今回ならGeForce GT 1030)のみが表示されているなら、統合GPU機能が無効化された状態だ。

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 そのため、(マルチモニター用途などで)「統合GPUも利用したい」「統合GPUのQuick Sync Videoを利用したい」といった場合は、BIOS設定から統合GPU機能をオンにする必要がある。

 具体的には再起動時に「Delete」キーを押してBIOS設定画面を開き、I/O Interfaceタブ内のGraphicsの項目で「Auto」となっている部分を「PCIE*16+iGPU」に切り替えて保存、再起動する。

 統合GPUのドライバがロードされる(Windows Updateなどを行う)のを待ち、再びデバイスマネージャーのディスプレイアダプター欄を開けばGeForce GT 1030とともにiGPUが並んで表示されているはずだ。

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高負荷時でもCPUクーラーはしっかり冷却、内部エアフローも不安なし

 Endeavor SG150の小さなボディーで内部がしっかり冷却されているかもチェックしておこう。以下の図はPCMark 10 Extendedを実行中の各部の温度をグラフ化したものだが、もっとも発熱の大きいCPU温度で最大88度と、サーマルスロットリングは生じておらず、おおむね60〜70度を中心に推移していた。

 GPUについては、そもそも省電力なローエンドGPUなので最大でも54.4度とGamingシナリオ以外は40度未満で推移していた。ビデオカードの横、比較的窮屈な場所にある2枚のSSDも37度までしか上昇しなかった。

 もう一つ、CPUクロックログでは所々で4.2GHz付近までクロックが上がっていることが確認できた。CPUの最大ターボクロックは4.9GHzだが、ここまで引き上がるのはシングルスレッド時で、PCMark 10のようにマルチスレッド動作ではおおむねこのくらいのクロックで推移するようだ。極端にクロックが引き下げられているような印象もない。

ビジネス領域で活躍できる範囲がさらに広がった省スペースPC

 ここまでで確認できたように、Endeavor SG150の内部は強力なスペックかつ拡張性も備える省スペースな高性能デスクトップPCだ。旧モデルのEndeavor SG100Eを単にアップグレードしたのではなく、インタフェースを最新に、拡張カードを活用するオプションも増えて一層幅広いニーズに対応できるようになった。

 企業が導入するビジネスPCという観点では、環境配慮もポイントだ。Endeavor SG150はスペックが最新世代へとアップデートされたことにより電力性能が向上、消費電力が約20%削減されている。

 消費電力はイコールCO2でもあり、ライフサイクルでのCO2排出量はスリムタワーのMR5シリーズ比で約41%削減(※SG100Eによる計測、自社調べ)できている。また、Endeavor SG150はフロントベゼル部にリサイクル材を使用し、ここでも資源消費を抑えている。

 さらにEndeavor SG150の発売を記念して、税込み22万円以上の構成で購入すると3万3000円引きになるキャンペーンも実施する(2024年6月3日午後5時まで)。お得に製品を購入できるチャンスだ。

 性能と拡張性をアップしながら環境負荷を抑えた、小さなEndeavor SG150の大きな進化に注目だ。

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提供:エプソンダイレクト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2024年4月4日