スイス発のオンラインストレージサービス「pCloud」は、他社のクラウドストレージサービスにはない数々の強みがある。
PCやスマートフォンを使っていて、日々増え続ける写真や動画などの保管先に頭を悩ませているユーザーは少なくない。外付けHDDやNASといった製品はこうした課題の解決策として筆頭に挙がる候補だが、容量で優れている一方で故障や破損のような運用面や、盗難や紛失といったトラブルに対しては弱い。
そして近年はクラウドサービスにデータをアップロードして保管するという選択肢も珍しいものではなくなった。しかし、その多くがサブスクリプションで提供されているため、利用におけるランニングコストがネックとなる。さらに容量に応じてコストが跳ね上がる上に、ネットワークでデータをやりとりするため、セキュリティ面が気になるという人も多いだろう。
もっとも、最近はこうした問題を解決した、新世代のオンラインストレージが登場しつつある。今回はその1つであり、日本への進出にも積極的なスイス製のオンラインストレージサービス「pCloud」(ピークラウド)について、本サービスを実際に数年間使い続けてきた筆者の経験も踏まえつつ、個人ユーザー向けのおすすめポイントを解説していく。ページの最後には、期間限定で最大54%オフとなるお得なセール情報も紹介している。
pCloudはスイス発のオンラインストレージサービスだ。提供開始から既に10年という歴史を持つサービスで、全世界に2000万人超のユーザーがおり、海外では大企業への導入例も多い。
そんなpCloudは2020年に日本へ本格進出として、UI(ユーザーインタフェース)や問い合わせ窓口が日本語化され、ますます使いやすくなった。筆者はそれ以前からpCloudを個人的に利用しているが、この日本語化によって利用のハードルが格段に下がった印象だ。
基本的な機能については、他社のオンラインストレージにあるものは一通りそろっていると考えてよい。無料版でも最大30日のリビジョン(履歴)機能が使える他、他ユーザーとの共有機能も充実している。また、スマホで撮影した写真を自動バックアップする機能など、個人向けオンラインストレージとしてのトレンドもしっかり押さえている。
一方で、pCloudは他社のオンラインストレージサービスではあまり見られないユニークな特徴をいくつも備えている。
まず料金面では、買い切りで永遠に使えるという大きな特徴が挙げられる。一般的なオンラインストレージは月額もしくは年額のサブスクリプションで提供されているが、pCloudは年払いに加えて、最大99年もしくはアカウントの所有者が亡くなるまで利用できる、買い切りの「Lifetimeプラン」を用意している。
一般的なサブスクリプションの場合、将来に渡り値上げの可能性もあるが、支払いが1回のみのLifetimeプランではそうした問題も回避できる。競合のオンラインストレージサービスにはない強みだ。
機能面では、エンドツーエンドの暗号化領域を、通常の領域とは別に用意しているのが目玉といえるだろう。暗号化に対応したオンラインストレージでは、領域全体が暗号化されているせいで転送速度が低下することがたまにあるが、pCloudは通常の領域とは別に専用の暗号化領域を用意し、使い分けられるようにすることで、セキュアさと使い勝手のバランスを取っている。
また、通常のストレージ領域もサーバ側の256bit AES暗号化を使用し、データ転送中のセキュリティを確保している。より念入りに、アップロードの工程から全ての経路を暗号化したければ、専用の暗号化領域を用いれば、よりセキュアに扱えるようになるというわけだ。
ちなみに同社は過去に、クライアント側の暗号化ソフトウェアをハッキングした人に10万ドルを提供するというハッカーコンテストを実施しているが、6カ月の開催期間中に2860人ものハッカーがチャレンジしたものの、誰も成功できなかったという記録がある。
こうしたハッカーコンテストによって思いもしなかったセキュリティホールが見つかり、サービスとしての信頼性をかえって下げてしまうことはよくあるだけに、この結果は注目に値するといえるだろう。
筆者はこのpCloudを過去数年に渡って使い続けているが、ここまで紹介していない機能および仕様の中から、個人的に面白いと感じたものをいくつか紹介しておこう。
1つは、専用ソフトをインストールすることで、pCloudの領域をPCのローカルドライブのように扱える「pCloud Drive」だ。pCloudの領域がPCの仮想ドライブとして扱われ、エクスプローラ上でCドライブなどと並んでPドライブとして表示できる機能である。
これならば、マウスのドラッグでローカルドライブにデータをコピーするのと同じ感覚で、pCloudにデータをコピーしたり取り出したりと、シームレスに利用できる。他社のオンラインストレージにはあまりない機能だ。
この他、ローカルにある特定のフォルダをpCloudにバックアップする機能も用意されている。単一方向のバックアップはもちろんのこと、フォルダの内容を同一に保つ双方向の同期機能も用意されているので、目的に応じて使い分けられる。
GoogleドライブやOneDrive、Dropboxなど他社のオンラインストレージサービスに接続し、それらのデータを丸ごとバックアップできる機能も面白い。30日単位で実行できるので、他のオンラインストレージサービスがダウンしたときの備えになる。また、他のオンラインストレージサービスから本サービスへの移行にあたり、ローカルを経由せずに引っ越せることにもなるので非常に簡単だ。
さらに最近加わった新しい機能として、パスワードマネージャー機能である「pCloud Pass」が挙げられる。
オンラインでパスワードをセキュアに管理するパスワードマネージャー機能は、Webブラウザはもちろん、AppleやGoogle、Microsoftなどさまざまな事業者が進出してきているが、使えるWebブラウザが限られていたり、別のOSでは使えなかったりと、特定環境下でしか利用できない場合も多い。
pCloudの場合は、そうしたプラットフォームを問わず、さまざまな環境で利用できるのはもちろん、クライアント側で暗号化されることから安全性も高い。インポートツールも充実しているので、既に利用中のパスワードマネージャーからの移行もスムーズだ。
pCloud社は日本国内において「社会インフラの一環として責任ある企業になることを目指す」とかねてより公言しており、実際に日本のオフィシャルパートナーであるノイテックスを通じて「ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示認定制度」(ASPIC)の認定を取得するなど、前向きな活動を行っている。また日本赤十字社への寄付にも取り組むなど、日本社会に根ざした活動を続けている。
海外のベンダーが日本市場に参入してくるケースはよくあるが、同社のそれは単なるUIの日本語化だけといったうわべだけのものではなく、長期的な視点に立ってのものであることが分かる。そうした意味で、冒頭で紹介したLifetimeプランも、信頼性は高いと考えられる。長期的に使えるオンラインストレージを探しているなら、まずは試してみるべきだろう。
いちユーザーとして見た時にやや分かりにくいと思ったのは、有料プランが機能別に細分化されていることだろうか。メインのプランに加えて暗号化やパスワードマネージャーのpCloud Passはそれぞれ別の有料プランに分かれており、「これを契約すれば全ての機能が使える」というオールインワンのプランはない。
もっともこれは割高になるのを防ぐための措置ともいえる。暗号化にしても、パスワードマネージャーであるpCloud Passにしても、万人が必要とする機能ではない。これらの中から必要な機能だけを契約できるのは、むしろコストダウンには効果的だ。アドオンのようなイメージで考えておけばよいだろう。
pCloudは、2GBから使える無料版も用意されているので、シンプルに試しやすい。また、2024年7月4日から11日まで、各種プランが最大54%オフで提供されるセールも実施されている。「試してみてよかったら有料版に申し込む」というタイミングにはうってつけのタイミングだ。
これまでpCloudを知らなかった人はもちろん、知っていたけれども使う機会がなかった人、さらに日本語化されて以降は使っていない人は、本稿を参考に、気になる機能の使い勝手を、この機会に試してみてはいかがだろうか。
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提供:pCloud AG, LTD
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2024年7月10日