MSIというブランドといえばゲーミングPCの領域で強いイメージがあるが、実はビジネスノートPCでも洗練されたモデルが登場している。今回は2024年11月に登場した「Prestige 13 A13M」シリーズを紹介しよう。
ノートPC選びは難しい──特にビジネスや学業でしっかり使うことを考えたときに、膨大な選択肢から自分の使い方に適した製品の候補をどう絞り込んでいくのかは、非常に骨の折れる作業だ。
さまざまなスペックや仕様をチェックしつつ、価格のバランスを見極めるのは、ある程度PCに詳しい人でも時間がかかる。もし、それが初めての購入だったり、数年ぶりの買い替えであればなおさらだ。
さらに、昨今の物価上昇も無視できない。高性能なプロセッサやグラフィックスを積んで最新機能も盛りだくさん……と欲張ってしまうと、予算はあっという間に青天井になる。一方で、コスパが良いだろうと安易に廉価モデルに飛びつき、使用感にストレスがたまる事態も避けたいものだ。
そこで「手っ取り早く『性能/デザイン/頑丈さ』など、本当に必要な要素がそろった“ちょうど良いビジネスノート”はどこかに無いものか」──そんな風に考える方に紹介したいのが、エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)の「Prestige 13 A13M」シリーズだ。
MSIというメーカーの名前を聞いて、多くの方が真っ先に思い浮かべるのはゲーミングPCのブランドではないだろうか。あるいは自作PCなどを嗜むような人であれば、マザーボードやグラフィックスカードなどのPCパーツのメーカーとしてのイメージが強いかもしれない。
一方で、いま注目しておきたいのは、実はMSIは以前からビジネス向けのノートPCのラインアップも充実させていたということだ。
これらはまさに“分かっている人が買う選択肢”とでもいうべきところで、PCパーツやゲーミングジャンルの製品を扱ってきたノウハウがしっかり生かされたPCは、ビジネスPCの領域でも性能/デザイン/仕様ともに丁寧に練り込まれている。
MSIでは主に次の製品ブランドでビジネス向けのノートPCを展開している。具体的には、1つ目がプレミアムな「Summit」シリーズ、2つ目が携行性の良さとパフォーマンスを両立させた「Prestige」シリーズ、そして3つ目が持ち運びやすく日常的な用途に向けた「Modern」シリーズだ。
このうち、特に日常使用におけるバランス感に長けているのが2つ目に挙げたPrestigeシリーズである。クリエイティブな作業にも耐えられる性能を持ちながら、軽くて持ち運びやすくも丈夫なボディーを採用しているのが最大の魅力だ。
そんなPrestigeシリーズから登場したばかりの新モデルが、今回紹介するPrestige 13 A13Mシリーズというわけだ。早速、どんなモデルなのかチェックしていこう。
Prestige 13 A13Mシリーズは、一般的なPCバッグなどにも収納して携行しやすい13.3型のビジネスノートPCだ。ボディーにはマグネシウム合金を採用しており、薄さ約16.9mmのスリムなデザインや、本体重量が約990gという軽さを実現しつつ、米国防総省が定める物資調達基準「MIL-STD-810G」に準拠する耐久性の高さを持っているのがポイントだ。
製品コンセプト通り、営業や満員電車に揺られての通学など、日常的に連れ歩く相棒としてもうってつけだ。
本体サイズは約299(幅)×210(奥行き)×16.9(高さ)mmで、デザインに関してはエッジを効かせた形状が外観を軽やかに見せており、ビジネスノートPCによくありがちな“やぼったさ”を感じない。
ボディーの表面はマットな印象で、天面のMSIのロゴや、ヒンジに近い奥側面の一部のみにアクセントとして光沢感がある。ビジネスシーンで使いやすい雰囲気ながらも、その意匠には遊び心が感じられる。
ユーザーから見た手前のエッジ──つまり、ディスプレイの上部に相当する部分には、開閉をスムーズに行うために指のとっかかりが用意されている。約990gという軽量さでありながらも、ボディーを浮かせることなく、片手での開閉が行えるのは快適だ。
ディスプレイを開いた際には、ディスプレイの奥側面が机上に接地し、キーボードの奥を持ち上げるリフトアップヒンジとして機能する。
13.3型のディスプレイは1920×1200ピクセルのWUXGA液晶パネルが採用されており、アスペクト比も縦に広い16:10だ。通常のフルHD(1920×1080ピクセル)に比べてさまざまな作業で便利に感じる。
画面占有率は約90%となっており、ディスプレイ面には余計な装飾もない。作業時の外観はスッキリしている印象だ。さらに、ノングレア液晶のため画面への写り込みや反射もかなり少なく、室内の窓辺やカフェの屋外のテラス席などでも作業に集中しやすいだろう。
キーボードについては、コンパクトなボディーを実現するために「Backspace」や「Enter」のある右端の並びが若干詰められた独特の配置にはなっているが、その他はほぼフルサイズで、長い原稿執筆に使っても問題ないほどに使用感は良い。なお、キーのストロークはやや深みがあり、そのキータッチは軽やかだ。
ちなみに、電源ボタンの位置が右端になっているのではなく、使用頻度の高い「delete」キーになっている工夫も、ユーザーの思考をよくリサーチ/分析していると感じる部分である。
性能面もパワフルだ。プロセッサには10コア(Pコア×2基、Eコア×8基)を備える省電力性能に優れた第13世代のIntel Core i7-1355Uを搭載する。グラフィックスは内蔵型のIntel Iris Xeで、メモリは32GBとかなり余裕を持った構成で、ストレージは512GBまたは1TBとなっている。
その処理性能をかみ砕くとすれば、一般的なビジネスシーンで必要とされるオフィススイート中心の事務処理ならマルチタスクを軽やかに行えるレベルである。さらに、写真のRAW現像や画像編集など、グラフィカルな負荷を必要とするクリエイティブタスクにも十分に対応可能だろう。
さすがに長編/高解像度の動画編集や3Dレンダリングなどを日常的に繰り返すような用途には向かないが、そういった特殊な用途を想定しなければ幅広いシーンでストレスのない運用ができるはずだ。
JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver.3.0)に基づくバッテリー駆動時間は、アイドル時で約20時間、動画再生時で約10時間となる。バッテリーを充電する環境がなくても、丸1日携行しながらガッツリ作業したいというニーズにもしっかり応えやすいスタミナだろう。
インタフェースについては、Thunderbolt 4(USB Type-C)ポートを2基、USB 3.2 Gen1のUSB Standard-Aポートを1基、HDMI出力ポート、microSDメモリーカードリーダー、オーディオコンボジャックを備える。つまり、在宅時に外部モニターへ拡張したり、外付けSSDとの接続をしたりする用途などにも対応しやすい。ワイヤレス通信はWi-Fi 6Eをサポートする。
ちなみに、ディスプレイ上部に搭載されたWebカメラの解像度は約207万画素で、要するに「フルHD/1080p」の画質に対応している。内蔵スピーカーは標準的なステレオ2スピーカーだ。Web会議などを頻繁に行う場合でも、十分に高画質な映像を相手に届けられる仕様だ。
さて、せっかくの軽量なビジネスノートPCを場所を問わずに持ち運ぶとなった場合に、少々気になってくるのがセキュリティだ。Prestige 13 A13Mシリーズはこの点にも抜かりがない。
まず、Windows Helloに対応した顔認証機能に加え、電源ボタンには指紋センサーも内蔵している。屋外でマスクを装着するような場面でもスムーズに認証が可能な実用性重視の充実装備だ。
Webカメラのレンズにはプライバシーシャッターが備わっていることも見逃せない。内蔵カメラを悪用した盗撮やハッキングのリスクを低減できる他、Web会議やオンライン講義など以外の場面で物理的にカメラをシャットダウンできる心理的な安心感も地味に大きい。
そして、実は盗み見やのぞき見防止も充実している。ユーザーがPCの前から離れると、自動的に画面をぼかしてくれる機能や、離席と同時にPCにロックをかけるオートロック機能、さらにユーザーがPCを使用中でも、背後から他の人が画面をのぞき見されていると検知した場合、使用者に通知するとともに、自動的に画面をぼかす機能も搭載している。
こうした細やかなセキュリティ機能をしっかり備えているからこそ、テレワークなどオフィス以外での使用を想定しているなら安心して選択肢に加えられるというものだ。
他メーカーの製品を比較検討で見渡したとき、たとえデザインなどがスタイリッシュに見えても、こうしたセキュリティ機能を備えていないことも珍しくない。この差は「まぁいいか」で済ませずに、しっかりこだわっておくのが良いだろう。
ビジネスにも使えるレベルのノートPCを探しており、オフィススイートなどを使った文書作成や事務処理を中心に写真や画像の編集といったクリエイティブツールを活用する用途まで対応したいなら、パフォーマンスと本体のデザイン性、頑丈さを兼ね備えたPrestige 13 A13Mシリーズはきっと良い候補になるだろう。
MSIファンだけでなく、ビジネスパーソンやノートPCを活用する学生など、取り回しのいいノートPCを探している人にとってベストチョイスになるはずだ。
| Prestige-13-A13M-5010JP | Prestige-13-A13M-5009JP | |
|---|---|---|
| OS | Windows 11 Home(MSIはビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします) | Windows 11 Home(MSIはビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします) |
| ディスプレイ | 13.3型、WUXGA(1920×1200)、ノングレア、60Hz | 13.3型、WUXGA(1920×1200)、ノングレア、60Hz |
| CPU | Intel Corei7-1355U 10コア(2P+8E)12スレッド | Intel Corei7-1355U 10コア(2P+8E)12スレッド |
| GPU | Intel Iris Xe グラフィックス | Intel Iris Xe グラフィックス |
| メモリ | 32GB LPDDR5 オンボードメモリ | 32GB LPDDR5 オンボードメモリ |
| SSD | 1TB(M.2 NVMe) | 512GB(M.2 NVMe) |
| 無線LAN | Wi-Fi 6E(11ax)、Bluetooth 5.2 | Wi-Fi 6E(11ax)、Bluetooth 5.2 |
| キーボード | シングルカラーバックライト内蔵テンキーレス日本語キーボード | シングルカラーバックライト内蔵テンキーレス日本語キーボード |
| スピーカー | ステレオ2スピーカー | ステレオ2スピーカー |
| Webカメラ | 207万画素(顔認証機能対応、マイク内蔵)プライバシーシャッター付 | 207万画素(顔認証機能対応、マイク内蔵)プライバシーシャッター付 |
| メモリーカードリーダー | microSDメモリーカードリーダー(microSDXC対応) | microSDメモリーカードリーダー(microSDXC対応) |
| I/Oポート | Thunderbolt4 Type-C(USB PD対応)×2、USB3.2 Gen1 Type-A ×1、HDMI×1、オーディオコンボジャック ×1 | Thunderbolt4 Type-C(USB PD対応)×2、USB3.2 Gen1 Type-A ×1、HDMI×1、オーディオコンボジャック ×1 |
| バッテリー | リチウムイオン、75Whr、4セル | リチウムイオン、75Whr、4セル |
| バッテリー駆動時間 | 最大10時間(JEITA 3.0 動画再生時)、最大20時間(JEITA 3.0 アイドル時)、最大21時間(JEITA 2.0) | 最大10時間(JEITA 3.0 動画再生時)、最大20時間(JEITA 3.0 アイドル時)、最大21時間(JEITA 2.0) |
| セキュリティー機能 | ハードウェア TPM 2.0、指紋認証リーダー、顔認証カメラ | ハードウェア TPM 2.0、指紋認証リーダー、顔認証カメラ |
| 本体サイズ | 約299(幅)×210(奥行き)×16.9(高さ)mm | 約299(幅)×210(奥行き)×16.9(高さ)mm |
| 本体質量 | 約990g | 約990g |
| 本体カラー | ステラグレイ | ステラグレイ |
| 付属品 | 専用ACアダプタ(丸形) | 専用ACアダプタ(丸形) |
| オフィスソフト | - | Microsoft 365 Basic+Office Home & Business 2024 |
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2024年12月20日