ここからは、HP ZBook Ultra G1a 14の評価機のベンチマークテストの結果を見てみよう。
特に言及がない限り、今回はグラフィックスメモリを64GB(標準設定)、ユーティリティーアプリ「myHP」で選べるパフォーマンス制御を「ハイパフォーマンス」、Windows 11の電源設定を「最適なパフォーマンス」として計測している。
まず、CPUパフォーマンスは圧巻だ。「CINEBENCH 2024」(最低実行時間10分)のCPUスコアは1598ポイントと、通常のビジネスノートPC(ミドルクラスで600ポイント前後、最速クラスでも1000ポイント前後が相場)とは格の違いを見せつけている。
GPUのパフォーマンスも、CPU内蔵GPUのイメージを大きく覆す。「3DMark」では全てのスコアで「NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU」搭載機の平均値(3DMark公式サイトの統計値)を上回るスコアをマークした。
ゲームベースのベンチマークテストである「FINAL FANTASY XIV:黄金のレガシーベンチマーク」(スクウェア・エニックス)や「モンスターハンターワイルズベンチマーク」も、快適にプレイできるスコアだ。
バッテリー駆動時間も優秀だ。myHPのシステム制御は「SmartSense」、Windows 11の電源設定は「バランス」、画面輝度は最大でPCMark 10のバッテリー駆動時間テストを「Modern Office Battery Life」シナリオで実行したところ、バッテリー残量が100%から5%(強制休止状態)になるまでの時間は10時間43分だった。
先述の通り、HP ZBook Ultra G1a 14を128GB構成にするとグラフィックスメモリを最大96GB確保できる。クリエイティブ作業やAIの利用時、とりわけ生成AIを使う場合はグラフィックスメモリの“容量”もパフォーマンスを左右する。大容量のグラフィックスメモリがあれば、より大規模なAIモデルを安定して動作させることができるからだ。
例えば文章の創作において、より規模の大きいLLMは深い文脈理解/豊かな比喩表現/美しい文構造的を備える傾向にあり、より精緻で詩的な出力を得られる。
そこで今回はそのメリットを可視化すべく、「LM Studio」上で稼働するLLMの1つである「Qwen」シリーズで、複数のパラメーター数を持つモデルを用いて「詩的生成」を比較してみた。利用したモデルは以下の通りだ(括弧内はグラフィックスメモリの設定容量)。
全てのモデルは、量子化形式を「Q5_K_M」で統一している。グラフィックスメモリの容量は、それぞれのモデルにおける推奨容量に合わせて割り当てた。なお、32B(320億パラメーター)モデルについては、Qwen3のInstruct対応版が入手困難であったため、同等の規模と創作適性を持つ「Qwen2.5-32B-Instruct-CFT」を代替として使用している。
出力結果は以下の通りだ。結果を「Microsoft Copilot」で分析させたところ、「32Bは14Bより構文が滑らかで、より深みのある表現になっている一方、72Bになると言語表現の限界に挑戦するような、実験的な試みが強く表れている」とのことだ。
どれが良いかは好みによると思うが、モデルの規模が創造性に大きく影響しているのは明らかだ。このように、大容量グラフィックスメモリの搭載は、パラメーター数や量子化形式の制限を取り払い、より自由度の高い生成AIの運用が可能になる。良い出力を得る目的以外でも、このようにパラメーターや量子化形式別に出力を比較して、分析/評価して開発に生かす用途でも有効といえる。
さて、読者の中には「クラウドで生成AIを利用するなら、高性能なGPUや大容量のグラフィックスメモリは不要では?」と感じる方がいるかもしれない。しかし、クラウドでの生成AI利用は情報漏えいを始めとするセキュリティリスクが大きな課題となっている。
しかし、手元のマシン(ローカル)で直接AIモデルを実用面はもちろん、創造面でも大きなメリットがある。主な利点をまとめると、以下の通りだ。
ローカル実行以外の選択肢としては「社内に専用のデータセンター(サーバ)を構築する」といった方法もあるが、個人はもちろん中小企業については運用のコストや負荷を考えると現実的でない。
その点、HP ZBook Ultra G1a 14のようなパワフルなGPUと大容量のグラフィックスメモリを確保できるモバイルワークステーションなら、個人開発者や中小企業でもAIを効果的に運用/分析/開発するための現実的かつ有効な選択肢となる。
これまで見てきたように、HP ZBook Ultra G1a 14は従来のビジネスノートPCやモバイルワークステーションの常識を覆す特徴を備えている。
そのパワーの源はRyzen AI MAX/MAX PRO 300シリーズだが、それに14型の持ち運びやすいフォームファクターを採用することで、ポテンシャルを最大限生かせる、隙のない使い勝手を実現している。特に生成AIの運用/開発という観点では、これまでにない革新的なソリューションといえる。
また、本製品はAI以外にもコンテンツ制作やゲーミング方面の性能も優れている。「コンパクトかつシックな外観のゲーミングPC(ゲーミングPC)が欲しい」という人にも響くだろう。
なお、日本HPのPC直販サイト「HP Directplus」の法人/個人事業主向けサイトでは、本製品の新色発売を記念したセールが行われている。セール期間中は、評価機と同等の構成を59万9830円(12万8170円引き)の特価(限定300台)で購入できる。
セール価格でも通常のノートPCの感覚からすると高価だが、APUのスペックやメモリやSSDの容量を考えると、かなり“お買い得”だ。さらに特典として、本体の持ち運びに便利な「HP 3WAY トート型バックパック」も贈呈される。
なお、HP ZBook Ultra G1a 14自体は、用途や必要なスペックに応じて広いバリエーションを取りそろえており、最安値だと約26万円から購入可能だ。300台の台数限定セールは、Ryzen AI MAX 385/32GBメモリ/512GB SSD/日本語キーボード構成でも行っている(25万9600円:通常価格から10万8900円引き)。興味のある人はぜひ確認してみてほしい。
「ここまでスペックは必要ないんだよな……」という人は、本製品の兄弟モデル「HP ZBook 8 G1a 14 inch」の台数限定セールをチェックしてみてほしい。このセールは11月30日まで実施されており、最安構成だと10万2300円から購入できる上、購入者の先着100人には3000円分の「Amazonギフト券」が贈呈される。こちらも要チェックだ。
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提供:株式会社日本HP
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2025年12月10日
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