日本の教育/研究機関で買い切り型ストレージ「pCloud」が注目されている。サブスクの手間やコストを排し、強固なセキュリティと大容量を永続確保できる点が研究者から高く支持される理由だ。
PCやスマートフォンでのデータ保存において、クラウドストレージは不可欠なインフラといえる。しかし、多くのユーザーを悩ませているのが、サブスクリプションによる終わりのないコスト負担と、サービスの仕様変更などによる使い勝手の急な変化だ。
こうした中、日本の教育/研究機関で注目を集めているサービスがある。スイス発のオンラインストレージ「pCloud」(ピークラウド)だ。新たに日本で提供が開始された「pCloud 大学生協版(買切版)」が現場から好評を博している。なぜ今、大学の教員や研究者の間でpCloudが選ばれているのだろうか。
pCloudは、オンラインストレージサービスとしては珍しい「買い切りプラン」を採用しているのが特徴だ。一般的なサービスが月額や年額のサブスクリプションを採用しているのに対し、pCloudは一度の支払いで最大99年もしくはアカウント所有者が亡くなるまで利用を継続できる。
買い切りであれば、毎月の為替レート変動や将来的な料金の値上げを気にすることなく、長期的なコストを固定できる。
例えばpCloudの2TBプラン(一般向け)の場合、他社のサブスクサービス(月額約1500円想定)を3年4カ月程度利用し続けるのと同等の金額(約6万円)であるため、利用がその期間を超えれば、以降は実質的なコスト負担なしで利用できる計算だ。
使い勝手やセキュリティ面も極めて堅実だ。もともと法的観点や暗号化技術などからセキュリティ大国として名高いスイスで誕生したpCloudは、提供開始から10年以上の実績を誇る。世界で2200万人を超えるユーザーを抱えており、詳細は後述するが一般的なオンラインストレージサービスと遜色ない充実の機能性を備えている点も高く評価されている。
pCloudの信頼性を物語るエピソードがある。かつて同社は同サービスの暗号化ソフトウェアをハッキングした者に10万ドル(約1540万円)を提供するというセキュリティコンテストを実施した。6カ月間の期間中にバークレー、MIT、ボストン大学などの専門家ら2860人が挑戦したが、誰一人として成功できなかったという記録が残っている。この圧倒的な強固さがユーザーに安心感を与えている。
pCloudは一般向けに500GB、2TB、10TBといった容量別のプランを用意しているが、2025年10月には日本独自のパッケージとしてpCloud 大学生協版(買切版)の提供が始まった。発売から4カ月で78校以上(※2026年1月25日時点)の大学から購入されており、中には医学部などの研究者を中心に根強い「12TB超の大容量ストレージを確実に、かつ永続的に確保したい」という切実なニーズを抱えたユーザーの期待にも応えているという。
pCloud 大学生協版の取り扱いを担った大学生協の担当者によれば、宣伝が十分に行き届く前から「将来的に20〜30TB以上のプランは検討されているか」といった、従来のクラウドストレージサービスの常識を覆すようなニーズの問い合わせもあったという。
なぜこうした期待の声が集まっているのか。これまで大学におけるストレージ環境は、大学が契約するクラウドストレージサービスの包括ライセンスや、研究室ごとに設置されたNAS(Network Attached Storage)、あるいはそれぞれが所有するPC内のストレージや外付けストレージが主流だった。しかし近年、現場ではストレージに関する問題が発生している。
例えば、主要なクラウドサービスにおける容量制限の厳格化が挙げられる。これまで大学が契約していたライセンスにおいて、さまざまな理由で契約変更を余儀なくされ、現場が利用できるストレージの容量が縮小されてしまったというケースが起きているという。これは、膨大な研究データを抱える現場では切実な問題だ。
他にも、研究室単位で設置したNASは機器メンテナンスの手間がかかり、災害時のデータ消失リスクも完全に払拭できないという不安もある。
さらに公費精算という事情もある。研究費(公費)で物品を購入する場合、毎年の支払いが発生するサブスクリプションは、その都度手続きが必要になり、事務的な負担が重い。
大学生協の担当者は「購入時のみの手続きで済むpCloudの買い切り版は、事務手続きの回数が減り、非常に時間対効果(タイパ)に優れる」と語る。医学系の手術動画や芸術系の高解像度素材など、大容量データを生涯保持したいニーズに対し、5TBや12TBという容量を一度の手続きで永続所有できる点が、研究者や教授陣の心に響いている。
物理的なストレージからの乗り換え先として考えた場合は、圧倒的な優位性が光る。これまで研究データの持ち出しや一時保管には、USB接続のポータブルSSDが多用されてきた。しかし、大容量の4TBモデルともなれば、安価なもので5万円前後、信頼性の高い標準的な機種では7万円程度の導入コストがかかる。その上、物理デバイスには数年(一般に5年程度)という寿命があり、故障によるデータ消失のリスクや定期的な買い替えコストが避けられない。
対して、pCloud 大学生協版の5TBプランは9万9800円だ。一見するとSSDより高価に感じるかもしれないが、数年おきの買い替えが不要な“一生モノ”であり、容量も4TBを上回る。物理的な破損の心配がなく、メンテナンスフリーでNASのような運用ができる点、バックアップ機能やSSD単体では不可能な共有機能まで備えていることを考えれば、その実質的なコストパフォーマンスは極めて高い。
さらにpCloudの価格設定自体が、大学特有の事情に合致している。多くの大学における公費の精算では、10万円未満の支出であれば面倒な稟議(りんぎ)や複雑な手続きを必要とせず、教員個人の判断で購入できるケースが多いからだ。
物理的なポータブルSSDのようなストレージでは難しい共有機能が利用でき、NASのような維持管理の手間もかからない。そして10万円の壁を越えずに、一生使える大容量が手に入る──この絶妙なパッケージングも人気を集める理由だ。
pCloudは、単に「買い切り」という料金体系のみが評価されているわけではない。主要なクラウドストレージサービスと同様の充実した機能が用意されており、オンラインストレージならではの利便性が徹底して追求されている。
PCに専用ソフト「pCloud Drive」をインストールすれば、クラウド上のストレージをPCのローカルドライブと同様に扱える。Windows環境では「Pドライブ」として認識され、合計サイズや空き領域もエクスプローラー上で直接確認できる。
さらにファイルをクラウドに置いたままエクスプローラー上で直接編集できる点も特徴だ。PCの空き容量が少ない状態でも、キャッシュを介さず大容量ファイルを直接アップロードできるため、物理的なストレージ残量に縛られることがない。
大学生協版では有料オプションの「pCloud Encryption」が標準で付帯されている。運営元であるpCloud側も保存されたデータの中身を見られない「ゼロ知識暗号化」と呼ばれる技術によるもので、機密性の高い研究データを守るために鉄壁のセキュリティを構築できる。
利便性と安全性を高めるアドオン機能も、pCloudの大きな魅力だ。例えば、パスワードマネージャー「pCloud Pass」に加え、メールアドレスの流出を確認する「データ侵害チェッカー」などのツールが無償で提供されている。
共有/収集機能においても、利便性の高いツール群がシームレスに統合されている。
相手がアカウントを持っていなくても指定フォルダーへ直接アップロードを依頼できる資料収集に便利な「ファイルリクエスト」、画像やリンクを配置するだけで手軽にポートフォリオサイトを構築/公開できる「パブリックフォルダ」、ダウンロード期限の設定と自動削除によりストレージ容量を浪費せずに大容量ファイルを送れる「pCloud Transfer」などだ。
誤って上書き/削除したファイルも、最大30日間までさかのぼって過去の状態へ戻せるが、有料オプションの「Extended File History」を活用すれば、最大365日間までさかのぼれる。
既に他社のクラウドストレージサービスを利用している場合、保存データをpCloudへ丸ごとコピー(同期)できる機能もある。データの集約や「バックアップのバックアップ」としても極めて有効な手段となる。
大学生協の担当者は、特にファイルの共有機能やファイルリクエスト機能などが教育/研究の現場で役立つと考え、ウェビナーなどの開催を通じて積極的に情報提供を行っていきたいと考えているという。大学生協のWebサイトには、実際にpCloudを採用したユーザーの声が掲載されており、次のような評価が寄せられている。
「研究データの保存や共有に使用しています。職場と職場外でも同様にデータが扱えるため、職場外でも作業が進めやすく重宝しています。共同研究者とのデータ共有も可能であり、情報/研究の進ちょくの共有に便利です」
「ローカル容量を気にせず大容量データを扱えて、共有やバージョン管理もできるので共同研究にも便利です。一見高く感じますが、学生のうちに購入しておけば卒業後も長く使えるため、結果的にコスパが非常に高いと思います」
「同期する速度が遅いという口コミを見かけましたが、今のところ他の大手のクラウドストレージと同じように使えており、ストレスはありません」
このように、pCloudは単なる「安価なデータの置き場」ではなく、研究やクリエイティブ活動の生産性を引き上げるための多機能な「デジタルワークスペース」として進化を続けている。
pCloudの日本総代理店であるノイテックスは、この大学生協版を実現するためにスイス本社と深夜まで協議を重ねた。日本独自の教育環境や公費精算の仕組みを理解してもらうため、CEOのトゥニオ・ザファー氏に直談判を行い、特別なパッケージを認めてもらったという。
スイス本社とノイテックスの間では「日本での必要不可欠な社会的インフラと呼ばれるようになるまで、絶対に手を引かないと約束する。それがわれわれの最大で、最終の目標だ」という意志を取り交わしており、今回のpCloud 大学生協版についても「大学でも研究/学習に必要不可欠なインフラ、日本の科学研究にとっての大動脈と呼ばれるようになるまで、精いっぱい普及を目指したい」という熱い思いがある。
現在も教育/研究の現場でどのような使われ方をしているかを日々調査しており、その中で強化できそうなサービスなどがあれば、本国へ提案していきたいという。また、別の分野/業界でも同様のパッケージを検討中だ。
「日本に上陸して5年が過ぎました。この間、pCloudは総務省の指針に基づく『ASP・SaaSの安全、信頼性に係る情報開示認定』を取得したり、日本赤十字社と協力した福祉活動に従事したり、日本社会に根付く活動を続けてきました。そうした準備が2025年に整ったため、2026年以降は一気に日本市場での普及拡大を目指していきたいと考えています」(ノイテックス・担当者)
このように、pCloudは大学でも浸透しつつある。クラウドストレージを活用したいと考える教育/研究機関に携わる方は検討してみてはいかがだろうか。pCloud 大学生協版は、500GB分のオンラインストレージを3カ月間試せる無料トライアルも用意されている。
また、一般/法人ユーザー向けのプランにおいては、2月5日から17日まで特別な「バレンタインセール」を開催中だ。プランによっては最大58%引きで購入できるため、生涯使えるクラウドストレージをお得に手に入れられるチャンスだ。興味がある方は公式サイトをチェックしてみてはいかがだろうか。
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提供:pCloud AG, LTD
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2026年2月28日