> ニュース 2003年5月27日 10:00 PM 更新

4800dpi対応で1万円前後――レックスマーク、プリンタと複合機


 レックスマーク インターナショナルは5月27日、A4カラーインクジェットプリンタ「Lexmark Z605」「同Z705」と、インクジェット複合機「同X1150」を発表した。価格は、Z605が1万7800円、Z705が2万2800円、X1150が2万4800円。Z605とX1150が6月14日から、Z705が7月下旬から発売する。

 同社は昨年8月に、実売1万円前後のA4カラーインクジェットプリンタ「Lexmark Z25」と「同Z35」を発表。また、今年2月には、インクジェット複合機で実売2万円を切る普及価格を実現した「同X5150」をリリースするなど、コストパフォーマンスの高い製品群を市場に投入してきた。

 今回の新製品も、注目はその“価格”だ。

 店頭での実売は、Z605が1万円以下、Z705が1万3000円前後、X1150が1万5000円前後になる見込みだが、3機種ともに最高4800×1200dpiの高解像度印刷印刷が可能になっている。低価格ながらも基本性能はしっかり押さえるという同社プリンタの特徴は、今回の新製品群でも健在だ。

実売1万円以下の普及機「Z605」と、フチなし・6色印刷の実力機「Z705」

 エントリーユーザー向けのZ605は、「実売1万円を切る普及機では業界最高解像度」(同社)の4800×1200dpiを実現。印字速度はモノクロ出力時が最大毎分14枚、カラー出力時が最大毎分8枚という高速印刷を可能にした。サイズは403.9(幅)×215.9(奥行き)×134.6(高さ)ミリと、同社プリンタとしてはコンパクト設計になっている。独自の用紙送り機構「Accu-Feed」を搭載。


実売1万円以下で4800×1200dpiの普及機「Z605」

 上位モデルのZ705は、同社初の「フチなしプリント」に対応。L版からA4サイズまで、さまざまな用紙で四辺フチなし印刷を可能にした。また、オプションのフォトインクカートリッジ(#90)とスタンダードカラーカートリッジ(#20)を組み合わせることで、6色印刷にも対応する。


フチなしプリントと6色印刷に対応したZ705

 また、Z705独自のソフトウェアとして、マニュアルなしでも簡単に利用できるデジタルフォトソフト「Lexmark フォトセンタ」を標準添付。印刷だけでなく、画像の編集/保存/検索から、メールへの添付、スライドショーといった機能が、統一されたユーザーインタフェース上で利用できる。


デジタルフォトソフト「Lexmark フォトセンタ」

 そのほか、プリンタにセットされた用紙の種類を自動判別する「用紙タイプセンサー」や、独自の用紙送り機構「Accu-Feed」、カートリッジ交換時の手間を省く「自動アライメント機能」など印刷設定が簡単に行える各種機能を装備。フォト編集ソフト「Lexmarkフォトエディタ」、OCRソフト、FAXソフトなども同梱される。 モノクロ出力時が最大毎分17枚、カラー出力時が最大毎分10枚と高速印字も実現した。

コンパクトサイズのインクジェット複合機「X1150」

 昨年8月に発表したX75の後継機種となる「X1150」は、インクジェットプリンタにスキャナとカラーコピー機能を備えたインクジェット複合機。今年2月に発表した複合機「X5150」は実売2万円を切る価格で注目を集めたが、X1150は実売で1万5000円前後とさらにコストダウンを図っている。他社のインクジェットプリンタ普及機と同じ価格帯で、複合機が手に入るというわけだ。


実売1万5000円前後のインクジェット複合機「X1150」

 前モデルのX75は印刷解像度が2400×1200dpiで、高解像度化が進むプリンタ専用機と比べると画質面での見劣りは否めなかった。今回のX1150は、印刷解像度が4800×1200dpiとなるなどプリンタとしての基本性能を向上させた。また、スキャナ部はカラー48ビット(モノクロ16ビット)入力のフラットベッドスキャナを搭載。スキャン解像度は600×1200dpiとなる。機能を絞ったワンタッチ操作ボタンを本体上部に設置し、スキャニングやコピーがワンボタンで行える。


4800×1200dpiの印刷解像度を実現

 ただし、X5150に搭載されていた“PCいらず”のコピー機能「スタンドアロンコピー」は、X1150には搭載されていない。コピー機能を使うためには、必ずPCを接続する必要がある。また、X5150では読み取りセンサーに立体物のスキャニングに適したCCD方式が採用されていたが、X1150ではCIS方式になっている。


X1150の読み取りセンサはCIS方式

 CISはCCDに比べてスキャナ性能では劣るものの、本体を小さくできるほか消費電力が少なくて済むといったメリットもある。そのためX1150のサイズは、445(幅)×308(奥行き)×163(高さ)ミリと小型ボディに仕上がっており、X5150と比べても約20-90ミリほどコンパクトだ。また、動作時の消費電力もX5150に比べて1/3以下になっている。

本体の安さは企業努力。ヘッド一体型カートリッジも、実コストでは“お得”

 コストパフォーマンスの高さを武器に、量販店やTVショッピングなどの通販ルートで着実に台数を伸ばしているLexmark製品だが、やはり“安売り”や“セット販売の商材”としてのイメージが強い。本体は安く販売して、インクカートリッジなどで儲ける「消耗品ビジネスの典型」との声もある。

 「“安かろう悪かろう”ではなく、“安いけど良い”製品作りを目指している。各プリンタでの共通エンジンの利用やワールドワイド展開による大量生産、部品点数の削減、人件費の安い中国での生産など、徹底したコストダウンによってこのような低価格が可能になった。部品点数が大幅に減るヘッド一体型カートリッジも、低価格化に大きく貢献している」(同社)。

 本体の低価格化には貢献する同社独自のヘッド一体型カートリッジも、インクタンクだけ交換できる他社プリンタと比べて、ランニングコストが高くなるのは否めない。だが同社は、メンテナンス面や、ユーザーの日常的な利用シーンでは、同社方式が必ずしもコスト高になるとは限らないと訴える。


同社独自のヘッド一体型カートリッジも、実コストでは“お得”?

 「ヘッド一体型カートリッジは、交換時にプリンタヘッドが常に新品になるため、メンテナンス面で有利。また、他社のピエゾ方式ヘッドでは、インクの目詰まりを防ぐためにプリンタ起動時に一定のインクを飛ばすクリーニング処理を行っており、このイニシャライズ時に飛ばしているインク量がかなりある。ユーザーの実際のプリンタ利用方法は、数日おきに1回数枚を印刷する程度。つまり、毎回、クリーニング処理によるインクの無駄使いが発生しているのだ。当社のサーマルインクジェット方式ヘッドは、インクの目詰まりが非常に少ないため、クリーニング時のインク量もごくわずか。実際の利用シーンでは、当社方式の方がインクが長持ちする」(同社)

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[西坂真人, ITmedia ]

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