> レビュー		2003年5月27日　03:00 PM 更新

20ミリの薄型ボディに光学3倍ズームを搭載
ミノルタ　DiMAGE Xt（1/2）

	総合評価 9 デザイン・ユーザーインタフェース 9 基本性能 8 各種機能 6 機動力 9 メンテナンス性 7 レイティングポリシー

評価のポイント

デザイン・ユーザーインタフェース

　初代DiMAGE X/Xiから一番進歩したのがデザイン。よりシンプルで印象的になった。しかもカラーバリエーションが同時に登場。赤や黒といった色が似合う。カード型デジカメに比べると高さがあるのでそれもグリップの安定に寄与している。レンズが左上の端にあるので両手で持つときは左手指がかかりそうになるのと、液晶パネルが右手親指で隠れそうになるのがやや難点か。

　背面もズーム兼十字キーがOKボタンを兼ねたため、全体に操作しやすくなったのも評価できる。フルオート系デジカメながら左右のボタンを露出補正など任意の機能を割り当てられてダイレクトに操作できるのもよし。

基本性能

　屈曲光学系の光学3倍ズームを採用しているため、レンズを長く取れるのがいいのかもしれない。このクラスではF2.8〜3.6とテレ側でもあまり暗くならないレンズはうれしいし、15センチから無限遠までシームレスでピントが合うのもいい。マクロモードが不要なのだ。15センチというとあまり近寄れなさそうだが、テレ側でも15センチなのでかなり大きく撮ることができる。

　画質はこのCCDを使ったデジカメ全般にいえることだが、感度が低めでノイズが出やすくやや硬めな絵を出す傾向がある。だがその中ではなかなかバランスが取れており、色温度が低いときなどオートホワイトバランスが不安定になることはあるが、全体のヒット率は悪くない。ただもうちょっと色に深みが欲しい。CCDが違うので比べるのは酷だが、同社のDiMAGE F200クラスの階調や発色が出てくれると文句ないのだが。

各種機能

　フルオート系デジカメで、撮影機能はさほど多くないし、シーンモードも用意されてないほど機能的にはシンプル。露出補正、ホワイトバランス、ISO感度をいじれるくらいと思うのが正解。ただ左右のキーで露出補正をダイレクトにできるのはうれしい。動画機能も320×240ピクセルで秒15コマだがメディアがいっぱいになるまで撮れるのもうれしいところ。メニューの操作も3ページに渡っていてタブで切り替える方式の操作しやすさについては異論はあるが、シンプルで悪くない。

機動力

　光学3倍ズーム機の中では抜群の機動力を誇る。何より厚さが2cmと薄い。レンズが飛びでないのも扱いに気を遣わなくてよい分気楽だし、ポケットにしまうときレンズが引っ込むのを待つ必要もない。これは素晴らしい。重さも約120グラム。ポケットに入れて持ち歩いても違和感がないのである。

　起動は2秒以下で高速だし、AFも撮影間隔もまあまあ。シームレスマクロなのも咄嗟のシャッターチャンスゲットに寄与している。ただ、電源ボタンがやや遠く頼りないと思う。片手でさっとスイッチを入れて片手で撮れるかどうかは機動力には重要で、もうちょっと電源ボタンをシャッターボタン寄りに置くか、あるいは別の場所に持って行くかしてもよかったんじゃないだろうか。

メンテナンス性

　今回から充電クレードルが付属したおかげで、台に置くだけで充電されるようになった。これは素晴らしい。このクレードルはバッテリ単体での充電もできるデザインになっている。

　しかし、充電機能しかないのは残念。パソコンとの接続や転送は別途ケーブルでつながねばならないのだ。パソコンとの接続はUSBマスストレージクラスなので、付属のDiMAGE Viewerを使わなくても気楽に転送できる。DiMAGE Viewerは、Exif情報を細かく表示してくれて、ヒストグラムも表示されるのでヘビーユーザーにはありがたい仕様だ。

総合評価

　「薄くて軽くて速い」という常時携帯デジカメに必要な要素をすべて兼ね備え、なおかつ出っ張りがないので予想以上の持って歩いてストレスがなく、見た目の質感もいい。液晶モニタが親指で隠れる点やズームレバーの操作のしづらさといった細かい欠点を除けば満点を上げてもいいくらいのできだ。撮影機能はほとんどフルオートと割り切っているが、その分操作もシンプルだし、露出補正など必要最低限のものは揃っているので問題はない。余計な気遣いなしに操作できるのでかえっていいくらいだ。

　画質面でも大きな欠点はないので、デザインと機動力の点数の高さに惹かれて買ってしまっても後悔はしないだろう。多少の欠点を補うだけの魅力はある。ポケットに気軽に入れて持ち歩き、気軽にあれこれ撮りたいという人すべてにお勧めできる完成度が高い製品に仕上がっている。

ベンダー製品担当者からの一言

　レンズが飛び出さない屈曲光学3倍ズームを搭載し、携帯時も撮影時もデザインを崩さないフルフラットな形状が特徴。レンズが出ないので、起動が早く、シャッターチャンスを逃しません。ボディカラーは、フレッシュシルバー、スイートレッド、ビターブラックの3色から好みに応じたものをお選びいただけます。いつでもどこでも携帯して、気軽に楽しくお使い頂きたいカメラです。（ミノルタ デジタルフォト第一部 野口由佳子）

主要スペック

撮像素子	1/2.7型CCD
有効画素数	320万画素
レンズ	5.7〜17.1mm（35mm換算：37〜111mm）、F2.8〜F3.6
感度(ISO)	AUTO/ISO50/100/200/400相当
焦点調節	オート
光学ズーム	3倍
最大画像解像度（W×H）	2048×1536ピクセル
シャッタースピード	1/1,000〜4秒
ストロボ	内蔵
記憶メディア	SDメモリーカード、マルチメディアカード
サイズ（W×D×H）	85.5×20×67ミリ
重量	約120グラム（本体のみ）

[荻窪圭, ITmedia ]

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