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2003年5月27日 03:00 PM 更新
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香水ビンをイメージしたデザイン、タッチパネルもついた300万画素機
東芝 sora T30(2/2)
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香水ビンをイメージしたデザイン
「Allegretto」というオーソドックスなデジカメを展開していた東芝が「sora」という新ブランドを2002年に発表した。第1弾が単焦点で着せ替えができる「T10」。第2弾が化粧ビンをイメージしたというヒカリモノ系の「T20」だ。「T30」はT20の300万画素版。
soraシリーズの特徴は、タッチパネルを使った液晶モニタの搭載。今までのボタン+十字キーではなく、タッチパネルを使って目的の項目をタップすることでダイレクトに操作できるというのはわかりやすくていい。ただ、T20/T30ではタッチパネルは操作しづらいという人のためか、十字スティックでの操作もできるようになっている。
もう1つは徹底的にカメラ臭さをなくしたデザイン。T30を背面から見てみるとわかるが、どのデジカメにもあるようなフラッシュのオン/オフやマクロモードなどのボタンもない。かろうじて十字スティックに「T/W」という刻印がある程度だ。香水ビンをイメージしたそうだが、それが成功したかどうかはともかく、友達に「それは何?」と尋ねられそうなデザインになっている。
300万画素2倍ズームとカメラとしてはオーソドックス
そんなT30は、つや消しのボディにヒカリモノのレンズカバーなどを組み合わせたスティックタイプ。厚みも結構あるため、縦に置いた方がカッコよくデザインされている。それを横にしてレンズカバーを開くと同時にフラッシュもポップアップし、カメラっぽくなる。光学ファインダーはなく、液晶モニタのみの撮影だ。
横長のスティックタイプでレンズカバーは鏡面仕上げをしてある。カバーが閉まった状態ではカメラであることを示すパーツがいっさい見えない。ストラップ取り付け用の金具も凝っていてなかなかかっこいい
ちょっと厚みがあるが、背が低いので全体としてはコンパクト。レンズも2倍ズームなのであまり飛びでない
さらに電源スイッチを入れるとレンズがせり出て撮影可能になる。レンズカバーを締めたままスイッチを入れると再生モードで起動する。レンズカバーと電源が連動しないので、撮影時に2つの操作が必要になるのが一番の欠点だ(しまうときはさらにフラッシュをたたむという作業も追加される)。日常的にパシャパシャ撮る人には面倒がられるだろう。
レンズカバーを開くとストロボがポップアップする。が、上面の電源スイッチを入れないとレンズは出てこず、撮影はできない
背面にはボタンが2つ。中央がクリックになったズーム兼十字スティックと、撮影と再生の切り替えボタンだ。さらに液晶パネルの横にタッチ式のボタンが3つある。アイコンではどれが何を指すのかわかりづらいが、上から、ディスプレイボタン(ディスプレイにメニューアイコンを出すかどうか)、設定ボタン(ホワイトバランスやISO感度などの設定を行える)、削除ボタンとなっている。
スイッチらしきものは2つしかない。ズーム兼用の十字スティックと撮影/再生切り替えボタンだ。十字スティックは中央がクリックになっていて、タッチパネルを使わなくても操作できる仕様。ただ、右端にあってズームレバーとしては押しづらい。液晶パネル部は全体がタッチパネルになっている
ディスプレイボタンを押すと、下に撮影モード、フラッシュの発光モード、セルフタイマーの3つのアイコンが並び、右にはズーミング用のボタンが並ぶ。十字スティックも持っているが、タッチパネルでもズーミングができるという徹底ぶりだ。撮影モードを押すと8つのモードが画面いっぱいにアイコン表示されるので、目的のものを選ぶ。
マクロ撮影をするときもここからマクロモードを選ぶ必要がある。十字スティックでも選べるが、このスティックは誤って中央のMENU/決定ボタンを押してしまうことがけっこうあり、タッチパネルでダイレクトに選んだ方が間違えなくていい。
アイコンを多用したメニュー。分かりづらいものもあるが、メニューの項目表示はすべてアイコンである
あとはシャッターを押すだけ。撮影すると画面に羽根型絞りが絞り込まれるようなアニメーション(絵が中央に向かってギュッと絞られるような、シャッターを表すときによく使われるアニメーション)の演出があってなかなか面白い。
レンズは38〜76mm相当の2倍ズームで、CCDは324万画素の1/2.7型。ズームが2倍しかないのはちょっと残念だが、画質は悪くない。発色は派手さはなく自然な感じ。オートホワイトバランスもけっこう広い範囲でヒットしてくれる。カメラとしてみると、露出補正機能がないなど疑問に感じる点もあるが、そういうことを気にする人はターゲットにしてないのだろう。
再生時もタッチパネルをうまく生かしていて面白い。パネルを上になぞると拡大モードになり、そこで指でパネルをなぞるとそれに合わせてスクロールしてくれる。これはいいアイデアだ。
個々のアイデアやクオリティにはいいものがあるのだが、見た目の斬新さやコンセプトに実装が伴ってないという印象がぬぐえない。タッチパネルを活かすなら液晶パネルは2型クラスの大きなものが欲しいし、電源とレンズカバーが連動するくらいはしてほしい。起動や終了ももっと軽快になってほしい。逆にカメラ臭くなく、誰でも使えるようなシンプルなものを目指すなら、タッチパネルにこだわらずに使いやすさとわかりやすさを重視した設計にすべきだろう。
sora T30:作例
このページの画像はWeb掲載用に加工してあります。リンクをクリックすると、手を加えていないオリジナルの画像を見ることができます。
逆光で空の色が若干マゼンダがかってしまったが、不自然な白飛びもなく自然な絵になっている。絞り:F5.2、露出:1/1000sec(オリジナル画像はこちら)
公園で遊ぶ親子たち。木陰だがホワイトバランスはきれいにあっているが、発色が地味めで全体に乾いた感じなのが惜しい。もうちょっと艶やかでもいいくらい。絞り:F4.0、露出:1/90sec(オリジナル画像はこちら)
[荻窪圭, ITmedia
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