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> レビュー
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2003年5月28日 11:59 PM 更新
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定番デジカメの名にふさわしい完成度
ソニー サイバーショットDSC-P8(2/3)
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▼サイバーショット2003年モデルの主力機
「サイバーショットDSC-P1」で「スティックタイプ」という新しい形状をアピールしてトップに躍り出て以来、定番デジカメの一角を担ってきた「サイバーショットP」シリーズの最新作が「サイバーショットDSC-P8」。ここ1−2年画素数でラインナップを広げてきたが、DSC-P8は2003年の主力機にあたる320万画素3倍ズームのPだ。
2002年モデルに比べて横幅も厚さも小さくなり、重量も撮影時で200グラムとさらに軽くなった。写真ではわかりにくいが、持ってみると確実にひと回り小さくなったのがわかる。薄くなったことで収納性も上がった。だが、レンズ側が半円筒形になったスティックスタイルは健在で、誰が見てもサイバーショットと分かるデザインを踏襲している。
レンズが端にあるスタイルのはしり。多少横幅が短くなってスティック感は薄れてきたか。ストロボがグリップに近いのが気になるが、左側に斜めに付けられたパーツがミソで、ここに中指をひっかけるように持てば問題はない
ちょっと厚みは感じるが、使い勝手的にはちょうどいいくらい。グリップ部が厚くなっていて持ちやすさを工夫しているのがわかる
CCDは1/2.7型の320万画素。沈胴式のレンズは39〜117mm(35mm換算)の3倍ズームで、F2.8〜5.2。ちょっと望遠気味だ。広角系の写真が好きな人はオプションのワイコンをつけたくなるだろう。オプションで手軽に付けられるワイコンとテレコンが用意されたのは、2003年型サイバーショットPシリーズの特徴だ。
起動時間は実測で2.8秒くらい。レンズの沈胴自体はあまり速くないが、トータルとしてはストレスが溜まらないレベルだ。
フルオートでも1/8秒まで可能に
画質はソニーらしい鮮やかさを持っていてきれいだが、あまり記憶色重視の誇張はしないタイプ。どちらかというとさわやかな色を出す。時にはもうちょっと誇張してほしいこともあるが、ある程度は彩度の調節が可能になったので、コントロール可能だ。ホワイトバランスは強めに合わせるので、室内でもすごくきれいに撮れるが、逆にちょっとした構図の違いでホワイトバランスが微妙にずれることもある。
撮影モードはフルオート、プログラム、シーンモードの3つ。注目すべきはフルオートとプログラム時の振る舞いだ。これがこのモデルから大きく変わった。
今までのサイバーショットは、フルオートやプログラムAE時に手ぶれを防ぐために1/30秒以下のシャッタースピードにならないようプログラムされていた。その分、ISO感度を自動的に上げることで多少の暗さはカバーするが、「暗くなったらストロボをたいてください」という設計だったのだ。だから暗い場所でストロボをたきたくないときは、スローシャッターが可能な夜景モードにするしかなかったのである。
それが全面的に見直され、フルオート時のシャッタースピードの下限が1/8秒、プログラムオート時は1秒と遅くなり、それに伴ってISO感度をオートにしたときでもなかなか増感されなくなった。
手ぶれの可能性は増えるが、多少暗くてもノイズで絵が荒れることなく撮れるのでとてもいい。細かい点だがこれは大きな違いだ。暗いときにはAF補助光も出る。前モデルに比べて暗いところでも強いデジカメになっている。
[荻窪圭, ITmedia
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