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2003年6月2日 09:00 PM 更新
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2段給紙トレイと多彩なプリントモードが魅力のミッドレンジプリンタ
レックスマークインターナショナル Lexmark Z65(3/3)
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ただし、標準モードで出力したカラービジネス文書は、グラフの背景部分にバンディングが見られた。このスジは、印字品位を高品位にすると目立たなくなり、最高品位にすると消えるが、印字品位を上げると、プリントスピードが極端に遅くなるのが難点だ。
普通紙への出力スピードは、A4モノクロテキストが1枚あたり8秒強と、このクラスの製品としては標準的なスピードだ。A4カラービジネス文書を標準モードで出力する時間は1枚あたり40秒弱と、速いとは言い難いが、実用的には問題なく使えるスピードだ。ただし、前述したように、グラフの背景のように均一なカラー部分にバンディングが目立ち、これを防止するために印字品位を高品質にすると約75秒、最高品位にすると約4分14秒にまでスピードダウンする。均一なグラフィック画像を出力する場合は、画質かスピード、いずれかを割り切って使わなければいけないだろう。
地図サイトの出力スピードは1枚あたり約75秒と、急いでいる時は少しストレスを感じるスピードだ。ただし、画質は極端に悪くなるが、下書きモードを使えば1枚約13秒というハイスピードで出力可能だ。
専用紙への写真出力画像は、粒状感が目立ち、肌色もくすんで見える。年賀状などのポストカードプリントには使えるレベルだが、デジカメ写真の出力用には向かない画質レベルだ。
はがきサイズの専用紙へデジカメ写真を最高品質でフチあり出力する時間は、約3分15秒と遅い。大量に出力する用途には向かないだろう。
このように本製品は、スピードを重視すると画質に難点が出、逆に画質を重視するとスピードがかなり低下する。解像度が高いのでこの点は残念である(印刷速度結果を表示)。
全体的に粒状感が目立ち、人肌などの中間調色がくすんで見える
全体的に粒状感が分かるが、ペンギンの頭部など、原色部分は美しい
淡い色合いの画像は、全体的に色がくすみ、粒状感も目立つ。こういった繊細な写真の出力には不向き
原色はどの色もくっきりとした色みだが、カラーのグラデーションは濃色側でつぶれ気味
普通紙へのテキスト印字はきれいだが、標準モードでは、グラフの背景のようなベタ画像でスジが目立つのが惜しい
画質かスピードかを割り切って使うべき製品
プリンタドライバはビジュアル的で使いやすく、同社の他製品と同様に、プリントの終了を音声でアナウンスするなど、ユーザビリティは抜群だ。また、小冊子やポスターの分割出力など、多彩なレイアウトに対応しているのも魅力。
ポスター印字では、切り抜き線の印刷もできるので、分割印刷した画像をきれいに貼り合わせて、大サイズのポスターを作ることができる。フォトプリントのための付属ソフトはないが、プリンタドライバが充実しているので、これだけでも十分だろう。
ただし、本製品の画質は現在のインクジェット製品の中では良い方ではない。印字品位をあげて画質を良くすることも可能だが、写真画質には限界があり、スピードの大幅な低下もある。実売価格も2万円前後と、画質の割には高いという印象である。
本製品は、画質を重視する人にはオススメできない。画質は多少悪くても、ポスター分割出力といったレイアウトの豊富さや、2段給紙トレイの便利さにほれ込んだ人向けの製品である。
Lexmarkのプリンタドライバは、ビジュアルで操作性もいい。プリント終了をパソコン上で音声アナウンスもしてくれる
レイアウトの豊富さがZ65の魅力。ポスターや、手指し両面印刷で中綴じの冊子を作るのも簡単だ
[田中裕子, ITmedia
]
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