RealPC for OS Xのリリースが遅れた理由は、MSからの「警告」ConnectixのVirtual PCがMicrosoftの所有物になったことで、復活を遂げようとしている製品が、FWBのRealPCだ。しかし、そのOS X対応版の出荷が遅れている理由は、MSから送られてきた「SoftWindowsの名称使用停止要請」にあるのだという。
FWBはMicrosoftによる法的妨害にもかかわらず、PCエミュレーションソフトウェアであるRealPCのMac OS Xネイティブ版を開発中である。MacCentralではこの件についてより詳しい事情を知るため、FWBの販売・マーケティング担当副社長であるマーク・プレウィット氏に話を聞いた。 FWBは5月中旬、突然RealPCのMac OS Xネイティブ版の開発を停止したが、その直前にMicrosoftから停止を求める手紙が送られてきていたのだ。「これは登録商標の問題だった」とプレウィット氏は説明する。 プレウィット氏がMacCentralに語ったところによれば、MicrosoftがSoftWindowsの商標を取得したことで、同社はFWBのRealPC製品ラインからSoftWindowsに関する記述をすべて削除するように求めてきた。このためFWBでは短期間、RealPCの開発を停止して、SoftWindowsに関する記述をコードから削除しなければならなくなった。 「不幸なことに、開発に当たっていた人間がブランドの付け替えを行わなければならなかった」とプレウィット氏。「うちはすべて兼任なんでね。このため、1週間ほど開発を止めなければならなかった」とプレウィット氏は説明する。 いまでは再び開発に復帰しているが、RealPCの再デビューの日程は変わった。同社ではRealPC for OS Xを今月リリースする予定だったが、現在ではβテストプログラムを7月から始める計画だ。ショップにパッケージが並ぶのは今夏、おそらくは8月だ。 プレウィット氏はMacCentralに、PCエミュレーション市場は新しいものに生まれ変わったと話す。これは、Microsoftが2月にConnectixからVirtual PCを買い取ったことによる。事実、RealPCが戦略的に優位に立ったとFWBは考えている。 「RealPCの製品は高いレベルのパフォーマンスを提供しており、ワードプロセッシングなどの日常的業務だけではなく、2Dや3Dゲームについても高い性能を誇ってきた」とプレウィット氏。 プレウィット氏の説明では、RealPCの開発陣は3Dグラフィックスアクセラレータに直接アクセスできる機能を組み込もうとしているという。3Dアクセラレータは現在のMacでは一般的に使われているが、Virtual PCはこれまで無視してきた。これによりRealPCはさらなる性能アップが可能になり、おそらくRealPCユーザーはよりリーズナブルなスピードでWindows用ゲームをエミュレーションして遊ぶことができるようになるだろう。 プレウィット氏は、この性能アップがどの程度になるのか、Macプラットフォームのなかでサポートされるモデルはどの程度なのかについて、詳細を明かさなかった。「それは、βテストがどの程度うまくいくかによる」と同氏。 こうした機能はこれまでMac OS 9版に限定されていたが、それが最初のリリースから実装できたのには理由があるとプレウィット氏は明かす。それは、UNIXベースのエミュレータがすでにあり、それをベースに開発しているからだという。FWBはOS X版のRealPCをSolaris版から移植しているのだ。 「Solaris版は(OS 9版と比べて)比較的安定しており、より多くの機能を持っており、エミュレーションの性能もよい」とプレウィット氏。あるUNIX版から別のUNIX版への移植は、一から書き直すよりも簡単だといいう。 しかし、乗り越えなければならない壁もある。プレウィット氏はMacCentralに対し、OS XネイティブRealPCの最初のバージョンではWindows XPが動作しないことを認めた。しかしサポートする予定はあるそうだ。 Mac OS 9版のRealPCを今年4月以降に購入したユーザーは無償アップグレードが可能だとプレウィット氏。それ以前にこのソフトを購入したユーザーのアップグレード料金は20ドルだ。 [Peter Cohen, IDG Japan] Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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