> レビュー		2003年7月24日　10:14 PM 更新

自分なりの絵作りが楽しめるワンランク上の500万画素機
オリンパス光学工業 CAMEDIA C-5050ZOOM（1/5）

	総合評価 8 画質 9 カメラ性能 9 デジタル性能 9 デザイン・インタフェース 7 機動力 6 レイティングポリシー

評価のポイント

画質

　難しい問題だ。もしフルオートでカメラの言うままに撮影するなら、画質は7である。コントラストは高めでとびやすいし、オートホワイトバランスは強引すぎて雰囲気を損なうこともある。しかし、マニュアルでホワイトバランス・コントラスト・彩度・シャープネスを調整して撮ると、かなりいい結果が得られる。

カメラ性能

　F1.8〜2.6という明るいレンズ、3センチまで寄れるマクロ、3枚/秒の高速連写、微調整が可能なホワイトバランス、豊富なマニュアル機能、ホットシューまでついた拡張性と、このクラスのデジカメとしては申し分ない。ズームが3倍にとどまっているのは残念だが、基本性能は十分であろう。

デジタル性能

　ハイエンド機ならではの一味が加わっている。リアルタイムヒストグラム表示では、チェックしたい部分の色を変えて表示できる。コントラスト・彩度・シャープネスは±5段階で細かくセッティング可能で、ホワイトバランスも4つまでカスタム設定できる。液晶モニタも上90度/下20度まで傾けられる。機能の豊富さは特筆すべきだろう。

デザイン・インタフェース

　デザインはオリンパスらしいオーソドックスなもの。ボタン＋ダイヤルが基本インタフェースで、ハイエンド機ならではのデザインだ。だが、ダイヤルを回すと画面上のバーチャルダイヤルが動くというスタイルは、ダイヤルをどちらに回せばどう動くのかが慣れるまで分かりにくい。また、ボタンがボディ全体に分散しているので、目的の機能を探し回ることもしばしば。使い慣れることを前提にしたユーザーインタフェースといえるだろう。ISO感度やホワイトバランスが独立したボタンになってないのは残念だが、ある程度はユーザーインタフェースのカスタマイズが可能だ。

機動力

　電源スイッチはオン/オフしやすくて気持ちいいが、起動時間は5秒以上と決して高速ではない。ボディもハイエンド機としてはコンパクトで持ち歩きしやすいが、「画質」の項目でも触れたように、フルオートで気軽に撮るタイプのカメラではない。あれこれ設定を切り替えて画質を調整すると、やはりそれなりに手間暇がかかる。機動力よりも、屋外や室内でじっくり腰を据えて狙って撮るカメラだと考えたい。

総合評価

　ブラックボディがなかなかカッコよく、高級感がある割にコンパクトで持ち歩きしやすい。機能は豊富で、画質も最高というほどではないが十分満足いくレベルだ。フラッグシップ機にふさわしいデキといえるだろう。ただ、C-5050ZOOMの実力を引き出すには、オートに頼らずあれこれとセッティングをいじったり、RAWで撮ってパソコン側で現像する必要があり、見た目以上に硬派。単にハイエンド機が欲しい、高級感のあるデジカメが欲しい、という人向きではない。しかし、自分で絵作りして撮りたい人にとっては、拡張性が高く、気に入ったセッティングを見つける楽しみがある、良いデジカメである。

ベンダー製品担当者からの一言

　コンパクトタイプのボディに一眼レフデジタルカメラの画質、高級感、操作性、本格的な作画機能を搭載した、オリンパスのコンパクトデジタルカメラの最上位機種です。コンパクトタイプの特長である機動性と優れたコストパフォーマンスも同時に実現しているので、手軽に超高画質撮影を楽しんでいただけます。また多彩な作画機能を搭載しているので、フィルムカメラで写真文化に親しまれてきた方をはじめとして、デジタルカメラ中・上級者の方にも最適な1台です。（オリンパス光学工業　広報・IR室　川崎 美智子）

主要スペック

有効画素数	約500万画素
レンズ	35〜105mm相当（35mm換算）、F1.8〜2.6
ズーム	光学3倍ズーム
最大画像解像度	2560×1920ピクセル
記録メディア	スマートメディア/xDピクチャーカード/コンパクトフラッシュ/マイクロドライブ
バッテリ	単3型ニッケル水素充電池×4/CR-V3型リチウム電池×2
サイズ（W×D×H）	113.5×69.5×79.5mm（突起部を除く）
重量	約375g（本体のみ）

[荻窪圭, ITmedia ]

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