> レビュー		2003年7月28日　08:21 PM 更新

HP Compaq Business Notebook nx9005――低価格でも高級感のあるデザインが魅力の3スピンドル（2/2）

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操作性に優れたキーボード、タッチパッド

　100F5TVCのキーボードは、キーピッチが19ミリ、キーストロークも3ミリと十分だ。打鍵感はカチャカチャとメカニカルな感じだが、タッチは軽いので好みが分かれるかもしれない。

　HomeキーやEndキー、PageUP、PageDownキーには独立したキーが割り当てられており、Fnキー＋○○キーといった2キー押しの操作をする必要がない。無理のないキーの配列には好感が持てるが、EnterキーやBackSpaceキーがもう少し大きいとタイピングしやすいように感じだ。キーボードの下には耐水性シートを配しており、コーヒーなどをこぼしたときなど壊れにくいような構造になっている。

キーボードは十分な操作性を備えている

　ポインティングデバイスは静電気方式のタッチパッドで、パッドの右側にスクロール機能を持つ。タッチパッドのマウス操作部と上下のスクリール部は数ミリの程度の仕切りで分かれており、スクロール機能を持つことが一目で分かり、かつ誤操作しにくい作りになっている。

　タッチパッド上部にはタッチパッドの機能を有効/無効にするボタンが設けられている。これでマウスを利用する際、不意に手のひらなどがタッチパッドに触れてしまい、カーソルがずれてしまうようなことも防げるわけだ。左右のクリックボタンは大きめでしっかりとしているが、決して重くはなく、軽快なクリック感がある。

特徴のあるタッチパッド。タッチパッドの有効/無効を切り換えるボタンがありがたい。

　キーボードの上部には5個のワンタッチボタンがある。出荷時には、右からメール、検索、インターネット、クックロック（ログオフ）、オムニブック（OSのヘルプとサポート）が割り当てられている。ワンタッチボタンの設定は、キーボードのプロパティから細かく設定することが可能だ。

キーボード上部のワンタッチボタン

　本体外装は樹脂製で、パームレスト部（特に右側）とキーボード部に若干の剛性不足を感じる。パームレスト部のたわみは気にならないが、キーボードのたわみはキータッチが強い人には気になるかもしれない。

　バッテリーの持続時間は公称値で約2.5時間、消費電力は、バッテリ使用時が最大約55ワット、AC電源使用時が最大約82ワットだ。バッテリーにはリチウムイオンの14.4V、4400mAhが搭載されている。

　nx9005の排熱対策はまずまずといったところだ。長時間使用していると、キーボードやパームレスト部が暖かくなってくる。熱いというほどではないが、パームレストに触れている手首に熱を感じるレベルだ。また、裏面も全体的に熱を持つ。だが、ひざの上に載せるといったモバイル的な使い方は、このノートではあまり考えられないので、これはよしとするべきだろう。

レガシーなインタフェースも備える拡張性

　nx9005のインタフェースは、左面に3モード対応のFDドライブ、音量調整ボタン、ミュートボタン、IEEE1394端子×1、ヘッドフォン出力、マイク入力、CardBus対応TypeI/IIのPCカードスロット×2（TypeIIIを利用する場合は1スロット）、モデム端子（最大転送速度 データ 56kbps/V.92 FAX 14.4kbps）、右側面にコンボドライブ、PS/2端子、背面にUSB1.1×2、10BASE-T/100BASE-TXのLAN、Sビデオ出力端子、D-Sub25ピンパラレルポート、D-Sub9ピンシリアルポート（RS-232C）、外部ディスプレイ出力端子を備える。

左側面：3モード対応のFDドライブ、音量調整ボタン、ミュートボタン、IEEE1394端子×1、ヘッドフォン出力、マイク入力、CardBus対応TypeI/IIのPCカードスロット×2（TypeIIIとして利用する場合は1スロット）、モデム端子

右側面：コンボドライブ、PS/2端子

後面：USB1.1端子×2、10BASE-T/100BASE-TXのLAN、Sビデオ出力端子、パラレルポート、シリアルポート、外部ディスプレイ出力端子

　オフィスではレガシーなデバイスを使用していることも多いので、パラレルやシリアルポートの搭載はありがたい。しかし、USBのサポートが1.1のみで、2ポートしかないのが難だ。すでにレガシーなデバイスから、USB接続のデバイスに移行が進んでいるのであれば、USB2.0に対応し、ポート数を多く備える機種を選択した方が良いかもしれない。

　また、ワイヤレスLANは内蔵していない。ワイヤレスLANを利用する場合、PCカードスロットを1スロット使う点も留意すべき点だ。

　メモリはSO-DIMMスロットを2基搭載している。しかし、メモリを最大の1Gバイトにするには既存のメモリを取り外し512Mバイトのメモリを2枚装着することになる。オンラインストアでの購入時には256Mバイト＋512Mバイトで768Mバイトまでしかカスタマイズできないので、別途同社のオンラインストアから購入することになりそうだ。

　背面にはmini-PCIスロットと、ドッキングステーションらしき端子を備えている。しかし、mini-PCIスロットはユーザー自らが拡張することはできず、ドッキングステーションもカスタマイズオプションには選択項目がないので、こちらも利用できないようだ。

裏面：メモリの拡張スロット、mini-PCIスロット、ドッキングステーションのものらしき端子（ゴムパッキンがはめられている）。

　搭載されているコンボドライブの性能は、DVD-ROM 最大8倍速、CD-ROM 最大24倍速、CD-R 最大24倍速、CD-RW 最大10倍速。ライティングソフトにはEasy CD Creator 5、DVD再生ソフトにはWinDVD 4が付属している。このほか、Norton AntiVirus 2003（60日試用版）がバンドルされているが、オフィス系アプリケーションやおまけのソフトは一切付属しない。プレーンなPCを好むユーザーにはもってこいの仕様だ。

　nx9005には3種類のモデルがあるが、ハードウェア的にカスタマイズ可能なのはメモリの容量のみで、CPUやハードディスクの容量、ビデオカードなどは変更できない。ハードウェアの構成を固定することが、低価格を実現できる一因でもあるのでこればかりは仕方がないだろう。

　機能性、デザイン性に優れ、さらにコストパーフォーマンスにも優れる本機は、ビジネスユーザーだけでなく、必要なソフトは自分でそろえていけるホームユーザーにもお勧めできる製品だ。

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