> ニュース 2003年8月7日 02:31 PM 更新

NEC「PC-9800シリーズ」ついに受注打ち切り


 NECは8月7日、「PC-9800」シリーズの受注を9月20日で終了すると発表した。1982年に発売された国産アーキテクチャーの雄の歴史に幕が下りる。


最後に残ったPC-98シリーズ「PC-9821 Ra43」

 現在販売されているのはデスクトップ型の「PC-9821 Ra43」(Celeron/433MHz、23万8000円から)とノート型「PC9821 Nr300/S8TB」(MMX Pentium/300MHz、35万8000円)。

 保守サービスは継続する。補修用部品の最低保有期間は生産打ち切り後7年間。ファクトリーコンピュータ「FC」シリーズは販売を継続するが、「FC-9821 Ka model 1/2」は2003年10月末で受注を終了する。

独自アーキテクチャーの強みと弱みを味わった21年

 同シリーズは1982年に国産16ビットパソコンとしてデビュー。初代機「PC-9801」は8086/5MHzと128KバイトRAMを標準搭載し、オプションで漢字ROMボードも発売された。グラフィックスは640×400ドット/8色、標準OSはN88-BASIC。価格は29万8000円。FDDはオプションだった。


初代「PC-9801」(いわゆる無印98)

 1985年発売の「PC-9801VM2」(41万5000円)はCPUをV30/10MHzにアップグレードし、グラフィックス専用LSIも搭載。2HD/2DD対応の5インチFDD×2基を標準搭載して人気を呼び、国内16ビット市場をほぼ制圧。1986年の「VX2」は80286/8MHzとV30/10MHzを両搭載して法人市場でもベストセラーとなった。

 国内シェア9割を握る中、1987年にセイコーエプソンが互換機「PC-286」を発表。これに対しNECはBIOSの著作権を侵害されたとして販売差し止めの仮処分を申請するなどの法廷闘争に。同じ年に80386を搭載した32ビット機「XL2」を発表、翌年には「RA2」を投入し、32ビット化を進めた。1989年にはノート型「PC-9801N」を発売した。

 Windows 95が発売された1995年に国内累計出荷1000万台を突破した。だが富士通のIBM PC/AT互換機「FMV」やデルコンピュータ、コンパックコンピュータの低価格攻勢に押され、割高だったPC-98のシェアは次第に低下していく。企業や一部ゲームマニアに根強く支持されていたものの、オープン化の流れには抗しきれなかった。

 1997年、「新世界標準規格」をうたった「PC98規格」(米Microsoftと米Intelが策定したもの)に準拠した最初の製品として「PC-98NX」を投入、独自アーキテクチャ路線から転換した。

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