> レビュー 2003年8月13日 02:17 AM 更新

“速い、安い、うまい”――サブカメラに欲しくなる「DiMAGE X20」(2/3)


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 実際に使って見ると、そのレスポンスの良さは病みつきになる。気に入った被写体を見つけたらポケットからサッと取り出して右手人差し指で電源ボタンを押し、すぐ横に並んでいるシャッターボタンに人差し指を移動させる間にもう撮影できる状態になっているという感覚だ。


 電源投入時に動く部分はレンズカバーのみなので、ポケットにX20を入れた状態で電源ON&ズーミングすることも可能。これは、他の光学ズーム機には真似のできない屈曲光学系ズームレンズならではのメリットだ。

 ただし、DiMAGE Xシリーズの弱点でもある「合焦の遅さ」は、X20でもあまり改善されていない。十分な明るさがない場所での動きの速い被写体では、スタンバイまでは速くてもピント合わせで時間をロスしてしまい、シャッターチャンスを逃したケースが何度かあった。また、SDメモリーカードへの書き込みが遅くバッファメモリーも少ないため、連続撮影時にレスポンスが悪くなる傾向がある。起動時間が速いだけに、惜しまれる部分だ。

マクロ機能も向上

 屈曲光学方式のレンズシステムは、光学3倍ズームで焦点距離は37−111ミリ相当(35ミリ判換算)になる。4倍のデジタルズームと併用することで最大12倍の高倍率撮影が可能だ。このズーム全域で切り替えなしにマクロが使えるのもDiMAGE Xシリーズの特徴だが、初期のモデルは撮影可能距離が最短で25センチだったため、ズーム全域マクロのメリットが十分生かされていなかった。

 光学系が見直されたXtでは撮影可能距離が最短15センチに改善されたが、X20ではさらに最短10センチとなるなど、マクロ機能の向上が図られている。


光学3倍ズームの最望遠側(111ミリ相当)で10センチまで寄ると、小さな指輪も画面いっぱいに撮影できる。1/111秒、F3.7、ISO160

 デジカメの中には最短1センチまで寄れるものもあるが、それらの多くは最短距離が広角側のみに限定され、さらにマクロモードへの切り替えが必要なケースが多い。ズーム全域で切り替えなしにマクロが使えるX20は、光学3倍ズームの最望遠側で10センチまで寄れるので、スペック以上にマクロ撮影を楽しめるのだ。


外出先でも気軽にマクロ撮影が楽しめる。三脚など使わなくても、手持ちで花粉が見えるぐらいにまで寄って花の撮影が可能。1/45秒、F3.7、ISO 100


光学3倍ズーム(左)にデジタルズーム(右)を併用すると、小さなピアスの飾り部分も画面いっぱいに撮れる。両方ともに1/15秒、F3.7、ISO 100(三脚を使用)

 記録メディアはSDメモリーカードを使用。PCインタフェースはUSB 2.0対応で、フルスピードモード(12Mbps)での高速転送が可能。USBストレージクラス対応なので、SDカードのUSBリーダー/ライターとしても使える。また、最近は少なくなったPCカメラとしての利用も可能なので、デジカメとしてだけでなくPC周辺機器として普段から活用できるのはありがたい。


記録メディアはSDメモリーカード。電源は入手しやすい単3形電池×2本

 電源はXtの専用リチウムイオン充電池から、不意のバッテリー切れにも対応できる単3形電池×2本(アルカリ/ニッケル水素)に変更された。アルカリ乾電池使用時でも約110枚の撮影が可能で、ニッケル水素充電池ならその2倍以上の撮影が行える。

食べ始めると病みつきになる“牛丼デジカメ”?

そのほか、本体正面にセルフポートレートミラーを装備し、手を伸ばして自分撮りやツーショット撮影が簡単に行えたり、ゴルフのスイングやペットなど動きのある被写体の連続撮影に便利な「マルチフレームショット」、記録メディアの容量いっぱいまで動画撮影が行える「音声付きロングムービー」、など、“痒いところに手が届く”的な充実のデジカメ基本性能は、カメラメーカーならではのこだわりが感じられる。


自分撮りやツーショット撮影に便利なセルフポートレートミラーを装備

[西坂真人, ITmedia ]

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