> ニュース 2003年9月8日 04:06 AM 更新

開発担当者たちが語るMSマウスとキーボード、その舞台裏(2/3)


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 ワイヤレス区間のデータ転送速度は公開されていないが、通信の情報量は有線のPS/2マウスと同等。前回もレポートしたように、ワイヤレスであることを意識しないレスポンスと滑らかな動きを実現している。筆者はロジクールのワイヤレスマウス「MX700」のユーザーだが、一晩じっくりと使ってみても、これまで最高クラスと思っていたMX700よりも良い印象を受けた。

 ではもう一つの問題、電池寿命はどうだろうか? アルカリ乾電池で6カ月というスペックは、従来モデルの4カ月に比べ1.5倍の性能アップとなるが、Microsoftのワイヤレスマウス従来モデルは、そのスペック通り電池がもつことはあまりなかった。

 これに対して開発担当者は「従来使っていたゲートアレイを、新しい製品では専用チップに更新したことが一つ。また省電力モードを2段階備え、未使用時にほとんど電力を消費しなくなっり、省電力モードの切り替えを非常に細かく行うようになった」と、根本的な部分からの改良であることを強調している。

 動作に必要な最低電圧も下がったことで、電池ボックスに1本だけ乾電池を入れた場合でも利用可能になったという。デモでは1本の単3乾電池で10個の新型Wireless Optical Mouseを動かしていた。


省電力をアピールするため10個のマウスを1本の単3電池で駆動するデモを行っていた


奥が以前に使われていたチップ。ゲートアレイを専用LSIにすることで高性能化と省電力化を同時に実現


新型チップを拡大したところ

 小まめな省電力モードへの切り替えは、省電力モードからの復帰時間が高速化され、操作上の違和感として感じられないレベルにまでスピードアップしたことにも原因がある。即時復帰が可能なため、ほとんど常に省電力な状態で動くわけだ。

 また光学センサー部も省電力化に対応している。新型マウスは2機種とも毎秒6000スキャンのセンサーを装備しているが、このパフォーマンスを常に使っていると電力消費は大きくなる。新型センサーは1500〜6000スキャンの間で可変させることが可能になっており、センサーの読み取り状況に応じてスキャン数を動的に変化させ、無駄な電力消費を極力削減する。

 実際のところは、電池がなくなるまで使ってみないことには分からないが、相当に自信を持っていることは間違いない。一方、充電式を求める声に対してはどう応えるのだろう?

 「充電式とするには充電台が必要になり、充電台は使いやすい場所が決まっている。距離さえ離れていなければ、どこに置いてもいいレシーバーユニットに比べると使い勝手が落ちる。またユーザーは充電をし忘れるものだ。コストも大きく上昇する。一方、乾電池で動くさまざまな機器とそのユーザーを調査してみたところ、6カ月の寿命があれば乾電池駆動に対してユーザーは不満をほとんど持たなくなるという結果が出ている」と、開発者は充電型を採用しない根拠について触れた。

新製造プロセスでローコストにカラーバリエーション増加

 一方、外装の面でも新しい手法を導入しているという。従来のマウスでは、モールド(型)から抜いたそのままのプラスティックを使う、あるいはそれに対して自動車のプラスティックパーツにも使われている高耐久の塗装を施すといったアプローチが取られてきた。しかし、高品質の塗装はコスト高でもあり、低価格マウスには利用できない。

[本田雅一, ITmedia ]

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