> ニュース 2003年9月24日 10:15 AM 更新

三つ巴ベンチ対決「Athlon 64 3200+」「Athlon XP 3200+」「Pentium 4/3.20GHz」


 今回発表されたAthlon 64の最上位製品は「Athlon 64 3200+」。この「3200+」がモデルナンバーということになると、「シリーズにおける相対的なパフォーマンスの指標」というのがAMDの見解に従えば「Athlon XP 3200+と同じパフォーマンス」ということになるのだろうか?

 AMDが公開したAthlon 64 3200+の動作実クロックはAthlon XP 3200+より低い2GHz。その一方でL2キャッシュの容量が1Mバイトと、こちらはBartonコアAthlon XPの2倍になっている。

「Athlon 64 3200+」の表側。Opteronから採用されたヒートスプレッダーは、CPUクーラー取り付け作業を著しく容易にするだけでなく、その放熱効果も見逃せない。今回のベンチではCPUより先にHDDが熱でダウンしたほどだ

Athlon 64 3200+でWCPUID Ver.3.1aを動かしてみる。Name Stringでは「64」もきちんと認識された。コアの動作クロックは約2GHz。L2キャッシュが1Mバイトであるのに注目

 実クロックもキャッシュ容量も、パフォーマンスに大きく影響してくる要素であるが、これがCPUの総体的なパワーとしてプラスになるのかマイナスになるのか、または「差し引きゼロ」となってしまうのか、非常に気になるところだ。

 ということで、早速ベンチマークに取り掛かることにしよう。今回ベンチマークで使用した環境は以下のようにそろえてみた。

ベンチマークの主なシステム環境

CPUAthlon 64 3200+Athlon XP 3200+Pentium 4/3.20GHz
チップセットVIA K8T800nForce 2 Ultra400Intel 865PE
マザーボードMSI K8T Neo-FIS2RASUS A7N8X 2.0GIGABYTE GA-8IPE1000 Pro2
メモリDDR 400/256Mバイト×2(1ch)DDR 400/256Mバイト×2(2ch)
ビデオカードGeForce FX5900 Ultra(MSI FX5900Ultra VTD256)
HDDMaxtor DiamondMax Plus 9
OSWindows XP Professional +SP1

 マザーボードはそれぞれアクセラレーション機能がサポートされているが、今回のテストではすべて無効にした設定で行っている。


今回テストを行ったMSIのK8T800搭載マザー「K8T Neo-FIS2R」とパッケージ。先週の店頭価格はCPUとセットで約7万5000円。基板やパッケージにあるようにCoreCellやD.O.Tといったアクセラレーション機能がAthlon 64プラットフォームでもサポートされている

 メモリバスがAthlon 64のみシングルチャネルで不公平という見方もあるかもしれないが、今入手できる最高のパフォーマンスが望めるスペックで比較するという意味で、敢えて既存CPUはデュアルチャネルメモリバスを選択した(といいながら、Intel 875Pマザーでないのは「手持ちのシステム」事情のため)。

 実施するベンチマークは、本来ならば各種ゲームベンチなども行いたいところだったが、時間の関係もあって、以下の定番ベンチを中心に行っている。

  • SYSMark2002
  • PCMark2002(CPU、MEMORYのみ)
  • SiSoftware Sandra Standard 2003.1.9.31から、CPU Arithmetic、Memory Bandwidthの各ベンチマーク

 また、Athlon 64 3200+とAthlon XP 3200+については、3DMark03を解像度640×480ドット、software vertex shaderを選択して3DMark03(Build330)を測定している。

SYSmark2002

 PCMark2002

 SiSoftware Sandra Standard 2003.1.9.31(CPU Arithmetic)

 SiSoftware Sandra Standard 2003.1.9.31(Memory Bandwidth)

 3DMark03 Score

 結果のグラフを見ると、パーツをピンポイントで測定するPCMark2002や、Sandraのベンチマークでは「実クロック相当のCPUベンチ、L2キャッシュメモリ容量の影響が反映されているメモリベンチ」という傾向がよく分かる。

 それでも、実クロックが10%減のAthlon 64がAthlon XP 3200+に匹敵する結果を出しているのは、「AMD64」アーキテクチャの成果といえるだろうか。

 CPUはAthlon XPと僅差。メモリはAthlon XPに頭一つのリードとなったAthlon 64。総合ベンチのSYSmark2002とゲームベンチの3DMark03では、Athlon XPを上回る結果を出している。1Mバイトと拡張したL2キャッシュの効果が、相対的に低い実クロックをカバーしたことになっている。

 ただし、Pentium 4/3.20GHzには、Athlon XP同様、大きく水を空けられたままだ。「64ビットコンピューティングがメインコンセプトであるAthlon 64を、32ビットベンチマークで測定して本当の実力が分かるのか?」 と考えるユーザーも多いと思うが、しばらくは32ビットの世界でしか使えないのも事実。

 64ビット対応アプリやOSの予定が見えてこない現状でAthlon 64を選択するためには、32ビットアプリでどれだけのパフォーマンスを出せるのかも重要な要素ではないだろうか。

 今のところの店頭販売価格は、セットのマザーボードを考慮してもCPU単体分としては5〜6万円というあたりになるだろう。これは、Athlon XP 3200+のちょっと上、Pentium 4/3.20GHzとははっきりランクが分けられる価格帯だ。

 今回行ったベンチマークの結果とリンクしているとも考えられるし、64ビットという新しい技術を持ったCPUとしては、リーズナブルな価格とも言える。

 絶対パフォーマンス主義のユーザーには、もう少し様子を見てからでもいいかもしれない。ただ、64ビットコンピューティングにいち早く飛び込んでいきたいユーザーには、「価格対効果」が非常によろしいAthlon 64 3200+ではないだろうか。

 なお、パフォーマンスとともに気になるAthlon 64の入手製だが、かなり厳しい見通しになりそうだ。ショップ関係者や流通関係者によると、Athlon 64の出荷数は「GeForce FX 5800 Ultraに劣るとも優らない」といわれている。CPUよりもマザーボードの数のほうが多いぐらい、という声も聞こえてくる。

 パーツベンダーは、Athlon 64を「今年後半の大きなきっかけにしたい」と一様に考えているが、一方で「きっかけにしたいが供給量に不安があるので、対応製品の投入はしばらく慎重に見極めたい」と、こちらも口をそろえて訴えている。

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[長浜和也, ITmedia ]

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