> レビュー 2003年10月10日 04:14 PM 更新

AppleのBluetooth対応Wireless MouseとKeyboardを、じっくり試してみた(3/3)


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 快適。普通のキーボードと同じ感覚でプレイできる。途中でワイヤレスだってことを忘れてしまっていた。複数キーの同時押しもOK。

 キーボードはマウスほどにはワイヤレスの恩恵は感じないと思ったのだけど、壁際にしゃがみこんで、ひざの上にキーボードって構図はたしかにアリだ。ただ、Apple Wireless Keyboardの場合、キーボードの手前ギリギリまでキーがある。だから、ひざに置く姿勢だと、手のひらが最前列のキーに当たり勝ちだ。ここはコードつきキーボードとデザインを変えて、手前に少し遊びがあったほうが使いやすかった(*6)。

 なお、使っている部屋は、802.11bの無線LAN電波が飛び交っているのだけど、特に影響は出ていないようだ。無線LANの速度にも影響は見られなかった。

到達距離

 どのくらいの距離まで届くのか、実験。まず、Logitecのワイヤレスマウス(これは独自規格の電波)はせいぜい80センチ。Bluetoothのように機器の特定ができるわけじゃないから、これ以上だと複数ある環境で混信する可能性が出てくるのだろう。

 一方、Apple Wireless Mouseは部屋の端まで行っても届く(3メートル以上)。部屋の中では実験しづらいので、環境を変えた。

 マンション住まいなので、扉の前に廊下がある。扉の反対側の面は外に開けたベランダタイプの廊下だ。その廊下の一番端の床にiBookを置いて、どこまで離れて操作できるか試した。時刻は午前3時ごろ。あんまり途中で人に出会いたくなかったので(*7)。

  DBT-120はiBookのUSBポートに直に接続。Photoshopを起動して、白いキャンバスの上に太いブラシで赤い線をひくようにする。これなら遠くからでも見える。手にマウスパッドとマウスをもって作業開始(だから、DBT-120とマウスとは1メートルほど高さが違う)。だんだん離れながら線を引いていって、動かなくなったときに立っていた足元からiBookまでの距離を巻き尺で計った。高さの差の分が計算に入っていないんだけど、もともと測定誤差は数センチくらいありそうだから気にしないことにした。

 6メートル50センチのあたりで、ちょっと動きがギクシャクする。Finderの操作なら問題はなさそうだけど、Photoshopで線を引くのにはこまる(線がカクカクになる)くらい。さらに離れて8メートルちょうどでポインタが動かなくなった。

 キーボードでも同じように実験。Photoshopが起動しているので、そのテキストツールで入力。

 こっちのほうがマウスより優秀。12メートルあたりまでは全く問題がない。しかし、それを超えたあたりから同じ文字が複数入力されてしまう(ThisとキーインしたのにThhhisになる)ような現象が発生。13メートル50センチでそれがどんどん派手になって(Thhhhhhissssss)しまって、事実上使えなくなった。廊下の反対の端(15メートル)まで行っても、この状況は一緒。

 普通に使う範囲では全く問題のない到達距離だけど、講演会などで、演台から離れたところにあるマシンを制御したいなんていうにはちょっと足りないかもしれない(*8)。  

PowerBook 17インチと。

 Apple Wireless KeyboardやMouseは古いD-linkでは使えない。これを聞いたときにちょっと気になったのがPowerBook 17インチの最初のモデルだ。このマシン、Apple Wireless KeyboardやMouseよりも先に出た、Bluetooth内蔵マシンなのだ。試してみることにした。といっても、自分ではこのマシンを持っていないので、友人のところに出かけてチェック。

 結果、マウスもキーボードも問題ない。(少なくともこのマシンでは)「Bluetooth Firmware Updater」をする必要もなかったようだ。

 この友人はイラストレータ(職業名)なので、Apple Wireless Mouseを使ってもらって、どんな感じか確かめてもらった。

 「全然へいき」

 「ほんと?描いていて、ポインタが遅れるとかない?」

 「大丈夫。ただ、ちょっと重い」

 だそうだ。ただ、普段ボールマウスを使っている人なので、マウスを戻すときにヨイショと持ち上げるクセがある。そうやってマウスがマウスパッドのうえに着地したとき、マウスの自重でクリックが入っちゃうという状況が時折見られた。このあたりは、使いぐせによって左右されそうだ。

闇の実験も……

 Apple Wireless KeyboardやMouseを使うには、「OSはMac OS 10.2.6以降が必要」とアップルはアナウンスしている。じゃあ、Mac OS 9だったらどうなるのか、ちょっと試してみた。Mac OS 9はBluetoothにすら対応していないんだから多分ダメだろうけど。

 と、思いながら、iBook 800をMac OS 9.2.2で起動。なんと、あっさり使えてしまった。びっくりだ。

 マウスもキーボードもOK。「Appleシステム・プロフィール」によれば、Bluetoothをすっとばして普通のUSBマウスやキーボードとして見えている。

 ただ、このときはBluetoothならではの機能は使われていないだろうから、複数のマシンが混在する環境では、おかしくなる可能性が高そうだ(いま、ここには1セットしかないから実験できない)。もちろん、電池残量なども全くわからない。

 さらに悪のりしてDBT-120をWindowsマシンにつないでみた。Windows XP Home EditionとWindows Me。どちらもBluetoothドライバなしでちゃんとつながってしまった。もっともWindowsマシンにワンボタンマウスをつないでも意味ないんだけど。

まとめ

 いくつか不満点は出たのだけど、それはほとんどソフトウェアの問題だ。将来なんとかなる可能性はある。ハードウェアには大きな問題はない(ふたが取れやすいのはなんとかしてほしいけど)。とすると、これは買っちゃってもいいんじゃないのってことになる。

 もし、いまアップル純正のワンボタンマウスを使っていて、それで文句がなく使っているなら、Apple Wireless Mouseは強くお勧めだ。ひもがないってことが、こんなにいいことなのかって実感できる。

 でも、2ボタンでホイール付き(あるいはそれ以上)じゃないとやだっていう人には、さすがにこれを勧めるってわけにはいかない。Mac OS Xはホイールにもちゃんと対応しているんだから、そろそろ、純正のものが出て来てもいいんじゃないかなと思うのだけど。


*6 そういうパームレストっぽいアタッチメントをどこかが作りそうな気がする。
*7 途中で扉があいたりすると、条件が崩れるから……っていうのは言い訳で、見つかると怪しい人にしか見られないから。まぁ、比較的(電波の)生活ノイズの少ない時刻だったとも言えるかな。
*8 新しいホールなら、演台にディプレイコネクタがついているだけど、少し古いホールで、あとからプロジェクタをつけたようなところだと、マシンと演台が離れちゃうことがあるのだ。

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