> ニュース 2003年11月11日 07:47 PM 更新
IDG

LimeWire幹部が語る「iTunesの影響」

音楽業界はiTunes Music Storeがリードする正規の音楽ダウンロードサービスの台頭がファイル共有サービスを駆逐することを期待している。現状はどうか、LimeWireのCOOが語る。(IDG)

 ピア・ツー・ピアのファイル共有サービスであるLimeWire LLCは大衆を相手にした音楽ダウンロードサービスが登場してもダウンロード数は減っていない。同社の最高業務責任者であるグレッグ・ビルドソン氏はこう述べた。

 ビルドソン氏はMacworld UK誌に「iTunesが立ち上げられて以来、当社のダウンロード数にはなんの影響もない。同様にNapster 2.0もまったく影響ない」と語った。

 合法な電子的音楽配布サービスは、音楽の海賊行為を減らすための音楽ビジネス戦略の一部とみなされている。音楽ビジネス側は合法的でコンシューマーフレンドリーな方法を、LimeWire(Macユーザーはこのソフトを使ってGnutellaネットワークにアクセスすることができる)などのファイル共有サービスの代替手段としてインターネットユーザーに提供しなければならないと信じている。

 Recording Industry Association of America (RIAA) を通し、音楽業界はファイルをダウンロードした個人を告訴するなど、法的手段に訴える動きに出ている。

 ビルドソン氏はコンシューマーがほしがるようなサービスを音楽業界が提供しているかどうかについては分からないと答える。「iTunesはAppleが出したいいソフトウェアだが、これらの音楽サービスは音楽業界が正しい方向に向けた最初のちいさな一歩でしかない」と同氏。

1曲当たりの価格

 同氏は既存の合法サービスについて、いくつかの批判をしている。「インターネット経済を考えてみると、1曲当たり99セントというのは暴利だ」と同氏。社内調査によれば「ほとんどの人は1曲当たり20セント以上は支払わない」とビルドソン氏は指摘する。「だから大半のコンシューマーはこれらの音楽サービスを拒否しているのだ」と同氏。

 「LimeWireでは楽曲が5セント以上する理由を見つけることができない。確実に20セント以上ではだめだ」とビルドソン氏。

 音楽産業はインターネットへの参入が遅すぎると長い間批判されていた、と同氏。「音楽ビジネスの幹部は1990年代にライセンスを必要としていた革新的な企業に対し、コンテンツのライセンスを与えず、その結果、海賊問題を作り出してしまった。この問題は、関心を持つ人たちに対して適切な価格でライセンスすれば解決する」とビルドソン氏は考える。

 LimeWire COOのビルドソン氏は、かつてNapsterの最高経営責任者であったショーン・ファニング氏の言葉を引き合いに出し、楽観視している。RIAAがNapsterに対して訴訟を起こしたとき、ファニング氏は音楽レーベルに対し、コンテンツを安価にライセンスし、配布できるように要請したが、拒否された。このときファニング氏は「あなた方が想像もできないくらい稼いでみせるよ」と言ったという。

 ビルドソン氏は「音楽業界が将来を視野に入れて、この考えに賛同するならば、両方にとっていい状況になるだろう。高品質で低価格なMP3は爆発的な販売数量につながり、音楽ビジネスは引き続きもうけることができ、実際には業績を伸ばすことになるだろう」と同氏。

 「音楽業界の幹部が現実を直視して、このデジタルエイジを理解しようとするならば、アーティストは大いに恩恵を受けるだろう」とビルドソン氏。

[ IDG Japan ]

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