> レビュー 2003年11月18日 07:12 PM 更新

ロシア製ウイルス検索エンジン搭載、「ウイルスチェイサー」の他との違いとは

ウイルスチェイサーは、ウイルス検索エンジンにロシア政府が唯一採用しているアンチウイルスソフトのDr.Webを採用した、異色のソフトだ。メジャーアンチウイルスソフトとの違いなどを探ってみた。

手間要らず、自動アップデート

 ウイルスチェイサーは、ウイルス検索エンジンにロシア政府が唯一採用しているアンチウイルスソフトのDr.Webを採用した、異色のソフトだ。

 ソフトとしては常駐型で、インストールしておくだけで常にシステムを監視する。また、常時接続であれば、デフォルト設定でアップデートが自動になっているので、ウイルス定義ファイルを最新の状態に勝手に保っておいてくれることになる。つまりほとんど手間いらずということだ。

 なお、常時接続でない環境の人(もしくは常時接続であっても任意のタイミングでウイルスチェックなどを行いたい場合)は、手動でもアップデートおよびウイルスチェックを実行できる。

 ウイルスチェイサーは約3万6000のウイルス定義ファイルを持っており、さらに前述のように自動アップデートによって常に強化される上、亜種ウイルスや未知のウイルスもパターン認識などにより推測して検出する。現在の主要ウイルス対策ソフトと、その点では同程度の機能を有していると言っていいだろう。

感染者は検疫所へ

 さて、インストールに際して難しいところは特にない。注意することは、他に使用しているアンチウイルスソフトがあれば、ウイルスチェイサーをインストールする前に他のものをアンインストールしておいたほうがいいということだけだ。

 インストール後にはタスクトレイにウイルスチェイサーのアイコン、デスクトップにもショートカットアイコンが現れ、そこからソフト本体のメインウインドウにアクセスできる。メインウインドウでは、どのデバイスをウイルスチェックするか、ウイルス検査結果の記録、新種ウイルス名の確認、アップデートなどのイベント記録、検疫所へ移動したファイルの一覧が表示される。各メニューとツールバーも備わっており、ウイルスチェイサーに関するすべての操作が可能だ。


メインウインドウ。手動で何らかのアクションを行うとき、各種のログを見るときなどに使用する

 ウイルスチェイサーのインストールが終了すると、とりあえず自動的にメモリ/ブートセクタ検査とウイルス検査が始まる(デフォルト設定時)。そこでもしウイルスが発見されると、検査画面が下に広がる形でチェック結果一覧が現れる。検査が終了したところで、それらのウイルスの駆除、および感染ファイルの治療もしくは検疫所への移動といった操作を行うことになる。


インストール直後のウイルス検査の検査結果一覧

 検疫所への移動は、治療できないウイルスに感染しているファイル(今後のアップデートで治療できる可能性のあるファイル)や、感染しているがファイルが壊れているために治療できないファイルを隔離することを意味する。これらのファイルは隔離の際に暗号化されるため、ウイルスが活動できない状態になるという仕組みだ。

 また感染しているファイルへのもうひとつの対処は、削除してしまうことだ。感染したファイルがもう不要であるならば、こちらの対処も有効だろう。また、「ウイルス感染疑い」のファイルをメーカーの研究所に転送し、調査研究に役立ててもらうということもできる。


感染ファイルの対処ダイアログ。検査終了後、感染ファイルをどのように処理するか決定する

ウイルス駆除能力は十分

 たまたま筆者のPCにはプリインストールされていたシマンテックのノートンアンチウイルスがあったので、未処理のHDDに対して、プリインストール版のノートンアンチウイルスと、無料体験版のウイルスチェイサーとでチェックをしてみた。

 結果(上図)としては、ウイルスチェイサーでもノートンアンチウイルスでも、ウイルス50個が表示された。ウイルスチェイサーの場合インストール直後の自動検査であるため、環境設定は変更しない標準設定で、まずまず充分なウイルス検査処理がなされるようだ。

 また、ファイルの検査範囲を変更したり、特定の間隔でウイルスチェックを実行するといったことも、環境設定で可能となっている。





環境設定の各タブ。ファイル検査やシステム監視の対象変更、指定ファイル定期検査の設定などができる

 このソフト全体の機動力、ユーザーが得られるウイルス関連情報量等については同ジャンルの他ソフトと遜色なく甲乙つけがたい。その中で、参照したい項目へのアクセス性(すなわちメインウインドウのインタフェース)であったり、ウイルス流行に関する傾向を知らせるウインドウがタスクトレイから時折ポップアップして注意を促すといった機能は、ユーザビリティがよいほうではないだろうか。

他にはないユニークなウイルス保険

 アンチウイルスソフトの肝の一つは、定義ファイルの更新であり、昨今のトレンドとしては、ファイアウォール機能の搭載といった点が上げられるだろう。そういう意味において、万が一にも安全、と言い切れるかどうかは少々心もとない。ファイアウォール機能が搭載されていないからだ。

 ただし、ウイルスチェイサーには別の魅力がある。一つは動作が機敏であるということだ。もしメーカー製PCをお持ちであれば、たいていアンチウイルスソフトがインストールされているであろうから、ウイルスチェイサーの無料体験版と比較してみるといいだろう。

 もう一つは、定価4800円のパッケージ及びダウンロード版(新規年間使用料3000円)には、ウイルス保険が付帯してくるということだ(どちらも継続料は1900円)。購入後にユーザー登録し、きちんとウイルス定義ファイルを最新のものに更新し、保険契約に沿った使用をしたにもかかわらず新種のウイルスに感染してしまった場合、保険会社の費用で専門業者が出張し、ウイルス駆除作業を行ってくれる。

 現在使用しているアンチウイルスソフトに不満がある人は、試してみる価値があるのではないだろうか。

関連リンク
▼ ウイルスチェイサーホームページ

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