> ニュース 2003年11月28日 02:28 AM 更新

「HDDレスの超低価格LindowsPCも」――LindowsCD発売イベント


 エッジは、11月28日に発売するCDブート版“Lindows”「LindowsCD日本語版」(3980円)の発売イベントを11月27日に都内で開催。HDDへのインストールなしで起動できる“新スタイルOS”LindowsCDの可能性やlivedoor事業との連携、今後の製品ロードマップなどを紹介した。

HDDへのインストールなしで起動できる新スタイルOS「LindowsCD日本語版」

 LindowsはLinuxディストリビューションながらも、WindowsライクなGUIを採用するなどして“Linux色”を薄め、Windowsユーザーが移行してきても違和感ないような工夫が施されている。LindowsCDは基本構成をインストール版のLindowsOSと同じながら、CD-ROMから直接起動できるようにした1CD Linuxスタイルが特徴だ。


LindowsCDの起動画面

 同社の堀江貴文社長は「最大の特徴は、HDDにまったく依存しないという点。世界中どこに行ってもこのCD1枚があれば、出先のAT互換機を使って日本語環境でLindowsOSを使用できる。また、もともとWindowsがインストールしてあるPCでも、その環境を残したままハイブリッドなOS環境を構築できる。Linuxベースなのでセキュリティも高い。また、HDD上にデータを残さないので、個人や企業の情報がPC上に残らないため、不特定多数が使うPCでも安心して利用可能。ウイルスなど不正プログラムに感染する心配もない」と、LindowsCDのメリットを説明する。


同社の堀江貴文社長。LindowsCDのパッケージとともに手にしているのは、“LindowsCDコンドーム”(非売品)。OSとしての高い安全性を引っ掛けたこの販促グッズには「Safe sex, have a safe Lindows」の文字が

HDDを搭載しない超低価格PC?

 ややマニア向けという感のあるLindowsOSに比べて、CD-ROMドライブに入れるだけで使えるLindowsCDは、従来よりも幅広いユーザー層をターゲットにしている。

 「コンシューマ市場では、高いセキュリティ面などをアピールしながらPC中級ユーザーやビジネス層を狙っていく。期待するのは、エンタープライズ市場。ホテル/駅/ネットカフェ/学校/図書館といった不特定多数のユーザーがPCを使用する公共・商業施設向けや、高いセキュリティを必要とする企業システム向けにアピールしていく。今後3年間で100万インストールの販売を目標としている」(同社)

 HDDに依存せずにCD-ROMから直接起動できるということは、従来のOSでは必須だった“内蔵HDD”がLindowsCDでは必要ないということになる。今回同社は、LindowsCDがPCメーカー向けにOEMされることを発表。HDDを搭載しないLindowsPC「Web Station(仮称)」が発売されることを明らかにした。

 「現在、Lindows搭載PCは2万9800円という非常に安い価格で売られているのだが、HDDが必要なくなれば、さらに低価格なPCが登場するだろう。2万円以下のPCもLindowsCDなら夢ではない」(同社)

livedoor事業とLindowsCDの密接な関係とは?

 同社は11月27日、「ライブドア」への社名変更(関連記事を参照)と、ネットサービスをポータルサイト「livedoor」に統合すること(関連記事を参照)を発表している。

 「livedoor事業とLindowsCDとのマージは大きなテーマ。LindowsCDのストレージサービス利用にあたっては、livedoorのアカウント取得が必須条件。LindowsCDユーザーは自動的にlivedoorの会員になってもらう。また、LindowsCDのデスクトップアイコンから利用できるメールサービスのデフォルトは、livedoorの提供するウェブメールになっている。livedoorのサービスを充実させ、端末側のLindowsCDとの融合を進めていく」(同社)

次世代LindowsCDのロードマップも

 PCの環境を変えずに動作可能な点がLindowsCDのメリットだが、ユーザーIDやパスワードの入力、ブックマークやアプリケーション作成データの保存などにはストレージデバイスがやはり必要だ。

 発表会では、LindowsCDの次期バージョンのロードマップも明らかにされた。それによると、第2世代のLindowsCDでは作成したデータのローカル一時保存や各種設定項目の保存が可能になり、さらに第3世代ではデータ/各種項目の保存に加えて、Click-N-RunやASPサービスを使ったアプリケーション利用や、各種周辺機器のドライバーインストールなどもできるようになるという。

 「次期LindowsCDのリリース時期は、第2世代が2004年3月ごろ、第3世代が2004年6月ごろを予定している。データ/各種項目の保存には、CD-R機能を持ったハイブリッドCDの利用やUSBメモリーとの連携を考えているほか、1.5Gバイト小型HDDを搭載した大容量USBメモリーを使ってLindowsCDを丸ごとインストールしてしまうことも検討中」(同社)


1.5Gバイト小型HDDを搭載した大容量USBメモリーを使ってLindowsCDを丸ごとインストールも

イベントにはビジュアルアイドルの松田純さんもLindowsCDの応援に駆けつけた。「PCはよく使っています。海外にもPCを持っていきたいのですが、荷物になるし壊れるのも心配。LindowsCDならCD1枚持っていけばいいので便利ですね」(松田さん)


LindowsCD発売イベントは、東京・六本木のディスコ「MAHARAJA東京」で開催。ミラーボールがきらめく中にIT系記者・編集者という場違いな組み合わせの中、イベントは進行した。元祖“ジュリセン”の荒木師匠も登場


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関連リンク
▼ Lindowsページ
▼ エッジ

[西坂真人, ITmedia ]

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