> レビュー 2003年11月28日 12:42 PM 更新

レンズメーカーが作った意欲作――シグマ SD10(2/3)


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ユニークな操作系やファインダー表示形式を採用

 SD10のボディはリニューアルされたが、グリップ部の形状以外はそれほど大きな差異を感じさせない。SD9の流れをくんだ、どことなくロシア製のカメラを思わせる直線的で武骨なデザインだ。見た目の印象とは裏腹に、ボディは比較的軽い気がする。なお、SD9がそうであったように、このカメラもまたRAW記録専用機であり、JPEGモードで撮影することはできない。



SD9と同様に内蔵ストロボは非搭載。シンクロ接点はボディ上部のホットシューのみである。シグマSAバヨネットのマウント内部にはダストプロテクターを標準搭載している。なお、オプションでリモコン(RS-21)にも対応する

 操作系はかなりユニークである。露出の操作は、「絞り優先」ならシャッターを半押ししてコマンド(C)ダイヤルを調節する。「シャッタースピード優先」なら、シャッターを半押ししてシャッター(S)ダイヤルを調節する。つまりシャッター速度も絞り値も、シャッターの半押しで初めて表示パネルに数値が現れるため、ドライブ(D)ダイヤルで電源をオンにしただけでは露出の設定はできないのだ。

 ボディの背面にある各種操作ボタンの配列はSD9と同じである。ちなみに、「VIEW」(再生)ボタンの位置は一番下に移動してもよかったのではないか。使用頻度の高いボタンなのだから、見なくても間違わずにすぐに押せる位置にあってほしいものだ。


1.8インチ液晶モニタの右側には「MENU」「VIEW」「INFO」「MOD」「DEL」の各ボタンが、左側には十字キーが配置されている

 液晶プレビューの拡大/縮小は、デジタルズームのように「+」と「−」キーのシンプル操作で分かりやすい。使いやすいズームコントロールだが、さすがにHIモード記録時(ファイルサイズは約8Mバイト)にはややもったり感が出る。

 ボディ底部に一元化されたバッテリーは、レビュー時にはCR-V3リチウム電池を使用した。筆者はデジカメ撮影時には電源オンにしたままにするが(オートパワーオフ機能を最大限長めに設定する)、バッテリーはあまり減らなかった。省電力設計が優れているのだろう。単3型のニッケル水素充電池やニッケル電池も使用でき、汎用性は高い。なお、SD10には充電器は付属していない。

 ファインダーの表示形式も、これまたユニークである。「スポーツファインダー」と呼ばれるシグマ独自のもので、撮影範囲の外側も半透明表示する。なぜ“スポーツ”ファインダーなのかといえば、撮影範囲の外側も見えるので、動きのある被写体のフレーミングを決めやすいから、ということのようだ。初めは使い勝手に戸惑うユーザーも多いだろう。

 記録モードはRAWのみで、HI(2268×1512×3層)、MED(1512×1008×3層)、LOW(1134×756×3層)の3種類から大きさを選べる。記録メディアはコンパクトフラッシュとマイクロドライブに対応する。HIモードのファイル容量は約8Mバイトなので、512Mバイト以上のメディアを使用したいところだ。PCとのインタフェースはIEEE 1394とUSB 1.1。ビデオ出力端子も備えており、NTSCとPALで出力可能だ。

600万画素×3層化への期待を感じさせる専用現像ソフト

 SD10に付属の専用現像ソフト「SIGMA Photo Pro 2.0」についても解説しておこう。同ソフトはSD10で撮影した独自形式のRAWデータ(拡張子は「.X3F」)を展開するためのもので、Windows 98SE/Me/2000/XP、Mac OS 9.2.1以降またはMac OS X 10.1.3以降に対応する。

 RAWデータの展開時には、撮影時の設定のまま展開する「X3Fモード」、画像を分析して自動的に調整する「オートモード」、撮影者の意図を画像に反映できる「カスタムモード」の3種類のモードが選択できる。カスタムモードでは、露出、コントラスト、シャドウ、ハイライト、彩度、シャープネス、Fill Light(暗部の明度)の調整が可能だ。

 調整を加えた画像(現像した画像)もRAWデータとして保存するが、画像そのものは書き換えずに設定の変更情報(現像情報)として記録するため、調整・保存を何回繰り返しても画質の劣化は起こらない(バージョン1.0ではRAWデータに現像情報を保存できなかった)。また、バージョン2.0では、画像の読み込み速度なども高速化されている。現像した画像は、TIFF(8/16ビット)またはJPEG形式でも保存できる。

 カメラ自体はマイナーチェンジではあるが、SD10の発売に合わせて専用現像ソフトのSigma Photo Proが2.0にバージョンアップしたことは大いに歓迎したい。処理が高速なSigma Photo Pro 2.0の登場は、Foveon X3 CMOSイメージセンサーの600万画素×3層化への布石としてもとらえられるからである。600万画素×3層版のFoveon X3を搭載した将来モデルへの期待がますます高まったといえそうだ。

[島津篤志(電塾会友), ITmedia ]

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