> レビュー 2003年12月17日 01:34 PM 更新

インクジェットプリンタ絵作り大研究――第2回「自動修正機能時の絵作り」(2/3)


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PM-G800:方向は同じでも、結果は別物に

 補正アルゴリズムは基本的にPX-G900と同じだと考えられる。しかし絵作り、つまり色特性の根本的な違いから、補正の方向は同じでも、結果としての絵は全く違うものになっている。PM-G800の方が全体に色が濃く、よく見ると黄色がわずかに強い。


右から順にデフォルト、オートフォトファイン!(標準)、オートフォトファイン!(EPSONフィルム調)【拡大表示

 キャンギャルの写真は、基本的にPX-G900と同じ傾向だ。しかし、自動補正の有無による差はPX-G900よりも小さく、自動補正がオフの状態でも見栄えは悪くない。とはいえ、程よく的確な補正は、標準モード、EPSONフィルム調モードともに高く評価できる結果である。


上から順にデフォルト、オートフォトファイン!(標準)、オートフォトファイン!(EPSONフィルム調)【拡大表示

 これも基本的にPX-G900と同じ方向での補正がかかっているが、PM-G800の方が自動補正時の“のっぺり”度が増している。特にEPSONフィルム調モードの補正は明らかに失敗だ。PM-G800の肌色は元々が悪くない描写だけに、余計に補正後の不自然さが目立つ。


右から順にデフォルト、オートフォトファイン!(標準)、オートフォトファイン!(EPSONフィルム調)【拡大表示

 PX-G900ではあまりよい印象を持たなかった標準モード時の補正結果だが、PM-G800ではそれほど悪く感じない。明るくはなっているが、全体の色が薄味になったわけでもなく、雰囲気を残しながら全体を整えたという印象だ。EPSONフィルム調モードは、他の印刷結果と並べてみると夕焼けの色がきつく出過ぎていると感じるものの、単体で見た時の印象は悪くない。


上から順にデフォルト、オートフォトファイン!(標準)、オートフォトファイン!(EPSONフィルム調)【拡大表示

 明るさ補正がそれぞれ効いているが、PX-G900の時ほどには強い補正結果になっていない。アルゴリズムは同じはずだが、結果から受ける印象はかなり異なるものとなった。特にEPSONフィルム調モードの出力は、多少彩度が上がっているものの、PX-G900のように紫色が強調されるような絵とはなっていない。逆に言えば、自然さを保ったまま、わずかに画像が整えられた優秀な自動補正結果とも言える。


上から順にデフォルト、オートフォトファイン!(標準)、オートフォトファイン!(EPSONフィルム調)【拡大表示

 PX-G900のオートフォトファイン!標準モードでは、色乗りが悪く白っぽい絵になってしまったクマノミだが、PM-G800ではちょうどよい感じに補正されている。若干明るすぎる気もするが、充分に濃度も彩度も出ており、自動補正の結果としてはよいデキだ。ただしEPSONフィルム調モードでは、やはりオレンジが強く印刷され過ぎている。この影響でオレンジ部分に色飽和が発生し、クマノミの表面のディテールが失われてしまった。

[本田雅一, ITmedia ]

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