内蔵HDDレベルの高速な1394b対応外付けHDD――バッファロー HD-H160IBU2(2/3)
前述したように、外付けタイプのHDDは、データを一時的に保存したり他のPCへ移動するといった、いわば補助的なストレージとして使われるケースが多いだろう。従って内蔵タイプに比べれば、速度よりも容量や接続のしやすさなどが選ぶ際の基準になることが多いように思われる。 とはいえ、データ量が多いとデータを移動する際のスピードも無視できない。特に100Gバイトを超えるような大容量データを一気に移動する場合(それほど頻繁にはないだろうが)では、スピード自体の差は数十%でも、移動し終えるまでにかかる時間の差は大きい。800Mbpsという理論的な最大データ転送速度を誇るIEEE1394bは果たしてどれだけ速いのかは気になるところだろう。 ということで、さっそくベンチマークテストを実施してみた。 測定に使用したPCは、nForce2-G(IGP+MCP)チップセット採用のマザーにAthlon XP 2500+を搭載している。USB 2.0については、チップセット(MCP)のUSB 2.0インタフェースを使用したベンチマークと、PCI接続のUSB 2.0カード(NEC製「μPD720101」USB 2.0コントローラチップ搭載)を使用したベンチマークを測定した。 IEEEE1394については、バッファロー推奨のIEEE1394b対応PCIカード「IFC-PCI4IB」と1394a対応PCIカードの2種類でそれぞれベンチマークを測定している。IFC-PCI4IBはTexas Instruments(TI)製のIEEE1394bチップ(物理レイヤデバイスに「TSB81BA3」、リンクレイヤデバイスに「TSB82AA2」)を採用している。 また、1394a対応PCIカードには、NEC製の「μPD72873」を採用したものと、Agere Systems製の「FW323-06」を採用したものを使用した。どちらも1チップで物理レイヤ/リンクレイヤを実現したLSIである。 このほかに、HD-H160IBU2に使われているものと同じベアドライブ(マックストアの「DiamondMax Plus 9 6Y160P0」)を別途用意して、マザーボード上のATAインタフェースを使用した場合との比較も行った。 結果は以下の通りである。まずはFDBENCHでの値だ。
FDBENCHによるベンチマーク結果。単位はKバイト/秒。OnBoardとあるものは、nForce2-Gチップセットに内蔵された機能を使用している 個々の測定項目で若干数値のばらつきはあるものの、オンボードのIDE接続があらゆる項目で速い。これは当然とも言える結果だが、マザーボードに搭載されているATAのインタフェースがUltra ATA/133であることも多少は貢献しているのかもしれない(マックストアのDiamondMax Plus 9はUltra ATA/133対応である)。 驚くのは、IEEE1394b接続の場合である。内蔵HDDと遜色ないレベルであると言えるだろう。その次に来るのはIEEE1394aである。2種類のPCIカードで測定したが、どちらの場合も同じような傾向を示している。 そして最後にUSB 2.0が来る。USB 2.0の理論的な最大転送速度は480Mバイト/秒で400Mバイト/秒のIEEE1394aよりも速いが、実際の結果はこうなった。このあたりはHDDに内蔵されているIDEとUSBおよびIEEE1394との変換チップ(いわゆるブリッジチップ)の出来による影響もかなりあるようだ。 現在の外付けHDDは、変換基板を使って内蔵タイプと同じドライブをUSBなりIEEE1394なりに信号を変えて接続しているだけなので、内蔵ドライブとのパフォーマンス差はこの変換基板、さらにいえば基板上に実装されているブリッジチップの性能にほとんど左右されてしまうのである。 HD-H160IBU2に使われているブリッジチップはOxford Semiconductorの「OXUF922」で、これは1チップでUSB 1.1/2.0とIEEE1394a/bをサポートする優れモノだが、USB 2.0の結果が振るわないのはおそらくこのチップによるものなのだろう。 [河野寿, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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