dynabook SSシリーズの新型「dynabook SS SX」は、これまでのシリーズとデザインコンセプトを大幅に変更し、よりコンパクトに、そしてバッテリー持続時間も大幅に向上した。新しいSXシリーズはどのようなマシンに仕上がっているのだろうか。
東芝が新たにモバイルノートPC「dynabook SS SX」(以下、SX)シリーズを発表した。上位モデルのdynabook SS SX/210LNLWと、コンパクトフラッシュ(CF)スロット、無線LANを省いた下位モデルのdynabook SS SX/210LNLNの2ラインアップだ。 CPUには超低電圧版Pentium M/1GHz、チップセットはIntel 855GM(グラフィックスはチップセット内蔵を利用)で、12.1インチ低温ポリシリコンTFTカラー液晶、メモリは256Mバイト(最大1280Mバイト)を搭載している。OSはどちらもWindows XP Home Edition SP1だ。
本記事の写真は、市販のワイヤレスLANなしモデル「dynabook SS SX/210LNLN」 上位モデルと下位モデルの差異だが、上位モデルはHDDが40Gバイト、CFスロットとIEEE802.11b/g内蔵し、バッテリー駆動約5時間で、重量が約1.1キロとなっている。そして下位モデルは、HDDが20Gバイトで、バッテリー駆動時間は約5.4時間、重量は約995gで、12.1インチ液晶搭載ノートPCとして「世界最軽量」という東芝の触れ込みだ。 前モデルの「dynabook SS S9」(以下、S9)と比較して、基板を約30%小型化し、またフットプリント(底面積)をS9より約14%削減している。さらにS9より厚みを増した関係で、部品の高さ制限が緩和され、部品点数を約18%削減した。 ちなみに今回試用したマシンは試作機のため、ベンチマークテスト結果は公表できないが、一般に市販されている超低電圧版Pentium M/1GHz並みのパフォーマンスを出したことは付記しておく。
まずは外観から見ていこう。全体として、これまでのSSシリーズの印象を継承しつつ、異なるアプローチでモバイルノートPCを仕上げた、といった観がある。 筐体外部は、既存のSSシリーズと同じ色合い(シャンパンゴールド)のマグネシウム合金で覆われている。そしてディスプレイを開けると、これも前モデルと同様に黒一色の塗装が施され、キーボードのプリントが明瞭になるよう配慮されている。 液晶部はL字型ヒンジとなり、画面が沈み込むようになった。今までのSSシリーズと比較して、画面が見やすくなったと言っていいだろう。筐体のフットプリントの小型にも貢献するL字型ヒンジは、現代のモバイルノートPCのトレンドの1つとも言える。
液晶部はL字型ヒンジとなり、画面が沈み込むようになった キーボードはS9と同様に、19ミリピッチで1.7ミリストローク。CapsLockキーにLEDを搭載し、視認性を向上させた。キーそのものは最近のdynabookと同様にフラットタイプで反り返りはない。 ただし、ファンクションキーとその他を分ける仕切りは外され、キー形状も正方形ではなく、縦が短いタイプに変更された。打鍵感も、キーボード底面の板厚がS9と比較して若干薄くなったこともあり、やわらかくなった印象を受ける。しかし、「運指距離を減らして安定した高速タイピング」を目的に設計されたSSシリーズのキーボードは、今回もその思想を確実に継承している。 好みの分かれる点は、恐らくこのキー形状の変化ではないだろうか。これまでのSSシリーズのユーザーにとっては、多少の違和感を感じることもあると思う。だがよくよく考えてみれば、特にS9の薄さに満足しているユーザーがSXに乗り換えるとはなかなか考えにくい。 SXをラインアップ拡充という形で登場させた東芝の考える通りであれば、ユーザーの不満が出るかどうかは杞憂だろう。なおかつ、正方形でないキートップに慣れている他社のモバイルノートPCユーザーにとっては、恐らく気にはならないだろう。
ファンクションキーとその他を分ける仕切りは外され、キー形状も正方形ではなく、縦が短いタイプに変更された
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