コンクリ表面の品質、タブレットでピタリと分かる情報化施工(2/5 ページ)

» 2017年03月07日 06時00分 公開
[畑陽一郎BUILT]

検査ではなく目視で定量評価する

 東北地方整備局の手法には特徴がある。検査ではなく、目視で定量評価したことだ。橋梁やトンネル工事の際、出来栄えを「表層目視評価シート」に記入、PDCAサイクルを用いて次の施工を改善する。

 当初は東北地方整備局の手法を参考にして、データ記録にのみコンピュータ処理を導入した(図3)。

図3 目視評価の実例 東北地方整備局の手法をタブレットの画面に入力できるようにしたもの(クリックで拡大) 出典:日本国土開発

 次に、日本国土開発と科学情報システムズが協力し、「目視で定量評価」という部分を改善した。

 目視評価の課題は2つある。1つは技術者の経験や知識によって評価が主観的になること。もう1つは周囲の風景や感情によって視覚自体が影響を受けるため、評価のばらつきが大きくなることだ。

 今回発表した品質評価システムではディープラーニング技術を用い、目視ではなく、「撮影画像で定量評価」できるように発展させた形だ(図4)。

図4 東北地方整備局の取り組みをディープラーニング技術で発展させた 出典:日本国土開発

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