長谷工総合研究所が2018−2019分譲マンション動向をレポート、消費税率10%のマイナス影響は限定的市場動向(1/2 ページ)

長谷工グループの長谷工総合研究所は、首都圏・近畿圏の分譲マンション市場動向をまとめた「2018年市場の総括と2019年の見通し」を公表した。2018年の首都圏のマンション新規供給量は2年連続で前年を上回り、近畿圏でも2万戸を超える供給量だった。

» 2019年02月07日 07時00分 公開
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 長谷工グループの長谷工総合研究所は、首都圏・近畿圏分譲マンションの市場動向レポート「2018年市場の総括と2019年の見通し」を公表した。

首都圏のマンション新規供給戸数は2年連続で前年増

 2018年の市場総括をみると、首都圏マンション市場の新規供給戸数は2355件で、戸数にして3万7132戸が供給された。戸数は前年比3.4%増で2年連続で前年を上回る結果となった。

 新規供給物件の特徴としては、10戸未満の小分け供給物件が2355件のうち、1451件。新規全体に占める割合は61.6%と初めて60%を超えた。第1期販売開始物件は、393物件2万3744戸と前年の421件2万4203戸を下回り、2018年は慎重な供給が行われる傾向が続いた。

 地域別では、都内23区・都下・神奈川で前年割れ。埼玉・千葉は前年を上回り、2018年は郊外や近郊地域での供給戸数が回復している。

 2018年の年間初月販売率は62.1%で、前年の68.1%から6.0%ポイント減少。第1期販売開始物件が少ないことや小分け物件が中心となるなど、販売手法の変化もあり、3年連続で70%を割った。12月の新規供給戸数が7545戸と大幅増だったことから、12月末の分譲中戸数は9552戸と、2009年2月以来、9000戸を上回り、完成在庫も3967戸に増加している。

 価格で見ると、首都圏全体の分譲単価は、前年比1.2%アップの869千円/m2に上昇したものの、平均面積は67.59m2に縮小したため、平均価格は5871万円とマイナス0.6%。面積縮小に伴うグロス価格抑制の動きが見られたという。

 価格帯別では、4000万円未満の供給戸数は、8698戸で全体に占める割合は23.4%と、前年の7709戸・21.5%を上回った。一方で、1億円以上の住戸は1800戸と前年の1928戸を下回ったものの、高水準の供給は維持している。

地域別供給状況(首都圏)、地域別供給商品内容(首都圏)  ※増減率は2018年の前年実績に対する増減率▲はマイナス 出典:長谷工総合研究所

近畿圏の新規供給戸数は2013年以来で2万戸を上回る

 近畿圏のマンション市場動向は、新規供給戸数は1291件2万958戸、前年比7.1%増。2013年の2万4691戸以来、2万戸を上回った。近畿圏では、ワンルームマンションの高水準の供給が継続し、2018年も75物件6150戸と、前年56物件4453戸を大きく上回る過去最多の供給だったことも、2万戸を上回った一因とみている。

 近畿圏でも首都圏と同様に、10個未満の供給にとどまる小分け供給物件がメインで、2018年も1291件中810件、構成比では62.7%を占め、2年連続で60%を超過した。

 2018年年間の初月販売率は74.5%と、前年76.1%を1.6ポイント下回ったものの、70%台。ワンルームを除いたファミリー向け物件の初月販売率は69.5%と、前年の71.7%を下回ったものの、2016年68.5%を超え、順調に推移している。

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